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in between days

表参道で働くシニアのブログ

海外の音楽サービスを日本から利用すると犯罪になるかもしれないという件について

を読んで思ったこと。

なるほど。たしかに著作権法的にはそうなのかもしれない。ただ、日本にいて音楽ファンをやっていると、インターネットの音楽サービスについて残念になることがままある。

Spitifyに代表されるような、たくさんの音楽を安価に楽しむことができるサービスは、日本でいつまで経っても始まらない。だから、もうproxyサービス経由で海外の音楽サービスを利用するしかないかなあ、ということを考えてる音楽ファンもそれなりにいるんじゃないだろうか。かく言う僕も、Spotifyには人並み程度の興味があり、さらにそれ以上に、Amazon USのMP3を自由に購入できればいいなあーということはしょっちゅう感じている。

でも、こうやって「それは黒だよ、黒」みたいな空気が醸成されていくのかとおもうと、この話題の起点がそもそもネットで毀誉褒貶が多い方なのでバッシング的なものもいくぶんかはあるのかもしれないけど、まあやっぱり残念だ。

日本国内外の音楽の価格差は固定されてしまった

思えば、日本に住んでいながら海外の音楽をたくさん聴きたい音楽ファンは、内外の価格差に常に悩まされてきた。レコードにしてもCDにしても国内盤は海外で売られている価格より常に高く、その海外版も輸入するとそう安いものではなくなっていた。

それが90年代になって外資系大型CDショップの出店や、インターネット通販で個人輸入の敷居が下がったこともあって、急激に安く買えるようになった。冗談ではなく、ほんとうに半額以下になったりしたのだ。狂喜した。

そして、それからさらに文明の利器であるインターネットが発達した2010年代において、この価格差はなくなったか、というとそんなことはなく、音楽ダウンロードについては逆に広がっているような印象すらある。

Spotifyのような海外の音楽サービスは、とても安価に大量の音楽を提供している。しかし、インターネットのサービスは容易にアクセスコントロールが可能なので、日本からのアクセスにはサービスを提供しないということが実に簡単に実現できるし、実際にSpotifyやAmazon.com MP3や、そのほか多数のサービスで利用が遮断されている。なんとなくグレートファイアウォールっぽい状況だとおもう。

そして、日本の事業者が提供するサービスは、海外のサービスにくらべるといくぶんか割高でメニュー品目もまだ比較すると少ない。国内サービスだけを見ていればまあそういうものかとも思えるけれど、ちょっと海外に目をやれば、そこには安くて大量の音楽を聴けるサービスがある。ニュースとして入ってくるし、トップ画面くらいは見ることができる(ユーザー登録はできない)。指を咥えて見ているしかない。

音楽に国境はないが、音楽産業に国境はある。つくづくそう感じる。CDの時代にはその国境が取り払われてグローバル化していくような気運があったけれど、デジタルの時代になって、逆に壁は強固になっている。

なにしろ並行輸入をカンペキにシャットアウトできるのである。消費者がより安価なサービスがあることを知り、そのサービスを受けることを欲しているにもかかわらず、契約によってそれを受けられなくしている。これは果たしてビジネスのあり方として公正なのかどうなんだろうか? ということを思わなくはない。

利用者ならではのわがままな妄想という類の話ではあるのだけど、どこの国のサービスを利用したって、最終的に事業者に払った使用料から音楽の作者には著作権使用料が分配されるわけなんだし、自由に使えるようになれないものだろうか。そういう国境を越えてサービスを提供できるオープンなところがインターネットの良さだと思うんだけど、いま音楽についてはそういう形になっていない。今後もそうなるような兆しは見えない。残念ながら。著作権がインターネットの自由を、意図しないにしても、結果として殺してしまっているのではないかとすらおもえる。

あとちょっとおもったのは、proxy経由でAmazon.com MP3から音楽をダウンロードした場合、それがAmazon.comの利用規約違反ということになって、Amazon.comにアカウントをバンされる、とかそういう対処がされるほうがスジがいいんじゃないかという気もしていて、それを違法ダウンロードという議論が出てくること自体、著作権法のオールマイティ感がすごい強いなあと思った。