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表参道で働くシニアのブログ

松中が打たなくてもホークスは勝つ

パリーグプレーオフ第2ステージ第3戦。まるで高校野球を見ているような結末。
のびのび野球と堅守で勝ち抜いてきた初出場校が、常連の強豪校にあと一回で打ち勝つという最終回、急激に高まる今までにない勝利に向けての焦りと緊張感。突如として乱れる守備。このときのズレータを迎えたコバマサのこわばった顔はブラウン管越しにも心臓の鼓動が伝わってくるようだった。そして押し出し四球で同点になったところでようやく落ち着きを取り戻すが、流れは変えられず、延長サヨナラ。ドラマだなあ。ドラマすぎるよ。

勝ったホークスは本当に高校野球ばりの全員野球で、終盤の代打代走攻勢(大村、バティスタ、大道、鳥越)と、そのたびに変わる捕手。最後にはルーキーの領健(かとうりょうた)がマスクを被ってたんだからスゴイ(投げてたのは2年目の馬原だし)。領健ってシーズン中でも確か一試合しか出てないぞ。

9回ウラの攻撃はほんとうにドラマが多く、試合を決定付けたポイントは大道の内野安打(実質はコバマサのエラー?)や鳥越と今江の走塁妨害騒動もあるけど、松中を敬遠したこともかなり大きかったんじゃないかと思った。

あそこは敬遠でセオリー通りだけど、このシリーズまったく打ててないことを考えれば松中勝負というのもナシじゃないだろう。勝負して抑えればゲームセットだし、ホークスにとっては来年にまで響くような打撃を受けていたはずだ。万が一打たれても、四番主砲と勝負してるんだから仕方がないで切り替えが効く。それを敬遠してしまったがために、次のズレータを「絶対に抑えないといけない」というプレッシャーから押し出しにつながってしまった。

けっきょく松中はこの試合も一本もヒットを打ってないんだけど、にも関わらずホークスが勝った。これはホークスナインにとっては大いに自信につながったんじゃないだろうか。これまでの2試合は「四番が打ってないから負けた」と評された。しかし、強いときのホークスの打線はそんなもんじゃない。そもそも日本一になった1999年は、年間通して四番に座った小久保が年間通して大スランプだった。にもかかわらず周りが打って日本一になっている。やはり日本一になった2003年の打線でも、下位から始まってもつないで塁に出て、四番に回る前に2点くらい入っている感じだった。そのどこからでも攻撃の起点になる、良いときのホークス打線がこの9回と10回で戻ってきた感じだ。「四番が打たなくても勝つ」。そういう勝ち方を思い出してたことは大きい。

それにしてもホークスvsロッテといえば10年前には最下位争いを繰り広げていたライバル球団であって、それが今やリーグ優勝を争っているのだから、次代は変われば変わるものだなあ。