小飼弾さんから『「へんな会社」のつくり方』への批判をいただきました。
404 Blog Not Found:ふつうのブログ本のつくり方
ご献本しようと考えておりましたが、すでにお買いあげいただいたようでありがとうございました。この時点で読み終えていらっしゃるということは、おそらく大きな期待をもってAmazonあたりで事前予約されていたのかなと推測します。期待が大きかった分だけ失望も大きかったのでしょうか。ご期待に添えず申し訳ありません。
ご指摘いただいたように、たしかに「ふつうのブログ本」です。近藤さんのCNETの連載を欠かさず読んでいて、内容もすべてきちんと把握されていて、はてなダイアリーでの日記も読んでいて、ネット上で参照できるテキストをわざわざ書籍で読み直したりしない方にとっては、ほとんど価値の無い本に見えるかもしれません。
とくに今回はたまたま梅田さんの「ウェブ進化論」という驚異的にコストパフォーマンスの高い良書とセットになって喧伝されましたので、それと正面から比べられると正直かなりツライものがあります。
というより、梅田さんの本こそ「へんなブログ本」と言うべき書籍でしょう。この内容でこの刊行タイミングでこのネタならば、四六判ハードカバー2500円くらいのパッケージで出ていてもおかしくないです。それがわずか777円(税込)で買えるというのがまさに破格です。コストパフォーマンス的には今期ナンバーワンの値頃感なのは間違いないでしょう。
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
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むしろ、梅田さんの本はどんなに安くても内容的にちょっと難しくて……というような方が近藤さんの本を読んでいただくと、かなり楽しめるのではないかな、という感じがしていますし、そういう方をメインの読者層と考えて編集作業を進めたのも事実です。そのため社長本としてはかなり親しみやすい装丁にし、また本文にもふんだんに写真を使ってありますので種々のトレース(ry。確かに価格をもう少し下げることができればより広い層に広がりがあって良かったのでしょうが……。
- 作者: 近藤淳也
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2006/02/13
- メディア: 単行本
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ところで一点だけ明らかな誤解があるので指摘させていただきますが、
だいたい「巻末」インタビューと「本体」のblog部分の字数が同じぐらい、いや、インタビューの方が多いか。
さすがにそんなことはありません。本文部分の方が文字数換算で3倍くらいの分量があります。また本文もCNET連載時から加筆されて2割増しくらいになっています*1。
もっともその加筆分にしても著者たっての希望でご自身のブログで公開されているので、拾い集めればネット上でほとんど読めてしまうわけではありますが、そういう「特典」的な内容も自分のブログで公開してもいいか、と聞いてくる近藤さんの徹底した「オープンさ」には、編集作業中も苦笑しながら頷かざるをえませんでした。だってそれをNOと言ったらこの本そのものがウソになってしまいますから。
と書いてきて、最後にまったく個人的で、読者の方にとってはどうでもいいような感想ですが、この「ふつうのブログ本」をつくる上で、そういう「追加特典」をネットで公開というか自分のブログから原稿を納品したりといった著者の姿勢などをふくめて「へんなつくり方」だったなあ、という感慨を新たにしたりしました。
おつかれさまでした。次回作は書き下ろしにしませんか? :-) >id:jkondoさん
*1:いちおう量が増えただけでなく、構成を入れ換えたり、小見出しを立てたり、字句を修正したりといった、書籍化ならではの編集作業はも加わっていますので、より読みやすくなっているとは思います