in between days

表参道で働くシニアのブログ

どうしても「物語」を欲しがる人たち

記者会見で自国チームの主力選手を精神的に追い込んで何が嬉しいんだろう。

会見終了間際、テレビ局の日本人記者の質問を受けた直後だった。「亡くなったお父さんに、どんな誓いを持って滑りたいか」。予期していなかった話題に、安藤は涙声になった。「えっと…」とつぶやいた後、声を絞り出して「プライベートなので、そういう質問にはお答えできません…」。それが精いっぱいだった。キャロル・ヘイス・ジェンキンス・コーチから頭をさすられ、泣きながら会見場を後にした。

美姫大泣きで会見打ち切り - 2006年トリノ五輪 : nikkansports.com

安藤美姫は確か以前も記者会見で父親のことを訊かれて泣いてるはず。

記者なら知らないはずはないと思うのだがなんでまたわざわざそれを訊くのか。

そもそも質問のしかたが卑しい。

どんな誓いを持って滑りたいか

っていう訊きかたをするってことは

亡き父にメダルを誓いたいです。

と答えさせたかったってのがもうあからさまに見え見えだよねえ。

けっきょくこの「テレビ局の日本人記者」がやりたかったのは、事前に用意した「父親を亡くした悲しみを乗り越えてメダルを目指す安藤」という「物語」に、生身のアスリートをハメ込みたかったっていうことだけ。

ねえ、それなんて2時間ドラマ?

どうしてテレビって必ずそういうお涙頂戴で安直なストーリーのひとつもくっつけたがるかな。

深夜の猥雑番組やってたおっさんが「貧困層の王様」とか言いだすわけだ。