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表参道で働くシニアのブログ

野球は難しい

夏の高校野球神奈川県大会準決勝、東海大相模対横浜高校戦で、空振り三振がスリーランになってしまったという珍プレーがありましたが、その中継映像がYouTubeに上がってました。ブックマークでも話題になってますが、これはスゴイなあ。最終的にこの振り逃げが決勝点になってるだけにことの重大さが増してます。

まるで漫画みたいな事件ですが、水島新司大先生による不朽の名作野球漫画「ドカベン」における山田太郎2年夏の県予選、対白新高校戦で描かれた微笑三太郎のスクイズ失敗→のはずが岩鬼の暴走ホームインが認められて1点(もちろん決勝点)のシーンを思い起こした方も多いんじゃないでしょうか(偶然ながらドカベンも神奈川県予選です)。

それにしても不知火は山田にはほとんど投げ勝ってるのに、こういうルール上のネタなんかで負けさせられてしまって本当に可哀相なキャラだったと改めて思いました。たぶん水島先生の頭の中にある不知火をまともに勝負させたらどうやっても明訓に勝ってしまうので、こういう搦め手が必要だったのかもしれません。

水島先生は、“魔球”が横行した野球漫画界に「投手とバッターの配球の読み合い」などのリアルな描写を持ち込んだことで知られますが、それ故にルールブック上の非常に細かい記述を内容に盛り込み、野球の複雑さを描いていますが、このスクイズ失敗の間の一点はその中でも白眉と言えるでしょう。

しかし、このようにルール上の表現にたいへん厳格な水島漫画が、なぜあれほどまでにキャラ設定に曖昧なのかは謎と言えましょう。