『世界のサブカルチャー』が刊行されて一月ほどに経ちます。この本の面白いところは第1章と第3章で、サブカルチャーのいちジャンルとして「アート」を紹介しているところではないでしょうか。それも例えば「アート・建築・家具」と三題噺的に特集を組んだ「Casa BRUTUS」誌(3月10日発売号←これを書いてる時点で出たばかり)などと並べてみれば、やはりどことなくアンダーグラウンドな風合いがあるところに「サブカルチャー」らしさがあるようにおもいます。
さて、私もそうですが、アートと言われるとどうしても身構えてしまいます。ときにはその裏返しでしょうか、あからさまな敵意が見られることもあります(例えば村上隆さんのネットでの叩かれ方に顕著なように)。そういったことは、アートに対する距離感の遠さ、つまり鑑賞するためには美術室に額縁入りで飾られた作品を理解しなければいけないという教科書的というか教養的というか、自分の身近ではないものだという感覚があるのではないでしょうか。
だけど、そうじゃあない。アートを額縁と美術室から取り出して、ぼくたちが日ごろ楽しんでいるアニメやゲームやネットや漫画やロック音楽やらなにかと同じように、自分の手の中に近いところで楽しむことだってできる。逆に言うなら、アニメやゲームやネットや漫画やロック音楽のように楽しむことができるアートだってあるんだよ、という見方/感じ方が『世界のサブカルチャー』でアートを紹介している意味なのだとおもいます。
とはいっても、紹介されているすべてのアーティストが、すべてのひとにとってアニメやゲームやネットや漫画やロック音楽と同じように楽しめるかどうかはわかりませんし、『世界のサブカルチャー』の第1章と第3章で紹介されているアーティストへのリンク集をここに置いておきます*1。リンク先を気ままに眺めてみれば、それぞれ特徴のあるいろいろな作品に触れられることでしょう。お気に入りもひとつくらいはできるのではないでしょうか。楽しんでいただければ幸いです。
- 作者: どどいつ文庫伊藤,ばるぼら,福井康人,野中モモ,みち,タブロイド,屋根裏,タコシェ
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2008/02/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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どうぞご利用ください。
第1章 - 絵画・イラストレーション
- 近藤聡乃
- Camille Rose Garcia
- 真珠子
- S. Clay Wilson → google:image:S. Clay Wilson
- Carol Rama
- Ray Caesar
- Peter Saul → google:image:Peter Saul
- Todd Schorr
- Stu Mead
- Pavel Tchelitchew → google:image:Pavel Tchelitchew
- Frances Turner
- J. S. G. Boggs
- Miss Van
- Klaus Haapaniemi
- Martina Hoffmann
- Marlene Dumas → google:image:Marlene Dumas
- Brad Kahlhamer → google:image:Brad Kahlhamer
- Steven Johnson Leyba
- Jeff Gaither
- R. K. Sloane
- Gedewon → google:image:Gedewon
- Zak Smith
- William Thomas Thompson
- Ilija Bosilj
- Pavel Leonov → google:image:Pavel Leonov
- さやか
- Gary Baseman
- Tim Biskup
- 玉野大介
- Dave Cooper
- 七戸優
- 児雷也
- Matteo Guarnaccia
- Ira C. Smith
- G. B. Jones → google:image:G. B. Jones
- 西牧徹
- Norbert Kox
- Mirka Lugosi → google:image:Mirka Lugosi
- 田亀源五郎
- 市場大介
- Alex Grey
- Antoine Bernhart → google:image:Antoine Bernhart
- Tilt
- Carlo Zinelli
- Albert Louden
- Anna Zemankova → google:image:Anna Zemankova
- Michael Kirwan
- Taylor Mckimens
- Sas Christian
- Jonathan Meese
- Boris Hoppek
- Mona Shafer Edwards
- Audrey Kawasaki
- Kathie Olivas
- Ana Bagayan
- John Currin → google:image:John Currin
- Irving Norman
- 稲垣征次 → google:image:稲垣征次
- 富崎NORI
- Lee Godie → google:image:Lee Godie
- J. B. Murry → google:image:J. B. Murry
- Os Gemeos
- Palanca
- Mike Giant
- Kamala Dolphin-Kingsley
- Jonathan Weiner
- Pierre Carbonel → google:image:Pierre Carbonel
- Andre Blaise → google:image:Andre Blaise
- Gerda Wegener → google:image:Gerda Wegener
- Egon Posselt
- Carolyn Mae Lassiter
- Heiko Mueller
- Jon Foster
- Skot Olsen
- Naoto Hattori
- Lola
- Royal Robertson → google:image:Royal Robertson
- Scott Radke
- Rick C. Nolton
- Bhupen Khakhar → google:image:Bhupen Khakhar
- Sebastian Moreno
- Rob Clarke
- Xavier Gicquel
- Christian Mazzuca
- Barbara Schreiber
- Rigaud Benoit → google:image:Rigaud Benoit
- John John Jesse
- Joe Heidecker
- Joe Sorren
- Vonn Stropp
- Peter Charlie Bochero → google:image:Peter Charlie Bochero
- Domenico Zindato
- Andrea Lehmann
- P. M. Wentworth → google:image:P. M. Wentworth
- Mario Chichorro → google:image:Mario Chichorro
- Francois Burland
- 作者: どどいつ文庫伊藤,ばるぼら,福井康人,野中モモ,みち,タブロイド,屋根裏,タコシェ
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第3章 - インスタレーション・写真・その他
- Liz McGrath
- Eugenie Alter Propp
- Wim Delvoye
- Mingering Mike
- Ada Emma Deane → google:image:Ada Emma Deane
- Roger Ballen
- Catherine Chalmers
- Phoebe Washburn → google:image:Phoebe Washburn
- Paul Laffoley
- Kim Jones → google:image:Kim Jones
- Dietmar Busse
- WHY PAINT CATS
- Chad Michael Ward
- Edward J. Kelty → google:image:Edward J. Kelty
- Einar and Jamex de la Torre
- Mike Disfarmer → google:image:Mike Disfarmer
- 作者: どどいつ文庫伊藤,ばるぼら,福井康人,野中モモ,みち,タブロイド,屋根裏,タコシェ
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Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2008年 04月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2008/03/10
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追記
1章と3章の執筆はほんとどが〈どどいつ文庫〉さんで一部が〈屋根裏〉さんです。どどいつ文庫さんでは紹介されたアーティストの作品集なども取り扱われています。どうぞご利用ください。
*1:公式的なサイトをお持ちでないアーティストの方はGoogle画像検索へのリンクを貼っておきます