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表参道で働くシニアのブログ

ジョン・コルトレーンの60年代ライブ音源(ここ数年のリリース?)

ジョン・コルトレーンといえばテナーサックスにおけるフェイマス・ジャズ・ジャイアンツのひとり。60年代のポスト・バップなジャズシーンをマイルスとまったく違った方向に切り開いた偉人ですが、AmazonでコルトレーンのCDを調べていたら、今まで聞いたことないライブ音源が何枚かリリースされてたので「あとで買う」的にピックアップ。1960年代前半の欧州ツアーのプライベート録音盤は7枚組ボックス「ライブ・トレーン」に集大成されてるんだけど、そこに入ってない音源ばっかりみたいなのでどれも気になる。

European Tours: Live Trane

European Tours: Live Trane

ライブ・トレーンの詳細 → Live Trane

1960年4月デュッセルドルフ+1961年11月フィンランド「THE 1961 HELSINKI CONCERT」

The 1961 Helsinki Concert

2つのライブの合わせ技で1枚。メインの1961年はエリック・ドルフィー入りクインテットだけど、ここではむしろ後半の音源が聴きたい。マイルス・デイビスのグループにコルトレーンが最後に参加した60年4月のヨーロッパツアーのライブ録音で、なぜか当のマイルス抜きでコルトレーン・カルテットになってるらしい。これはレア。

1961年11月パリ「The Complete November 18, 1961 Paris Concerts」

Comp. November 18, 1961 Paris Concerts

上のフィンランドはヘルシンキの数日前のパリ公演。「ジョン・コルトレーン・ディスコグラフィー」によるとヨーロッパ公演初日なんでしょうか。2回公演をそれぞれ1枚に収めた2枚組。

1963年6月「Live at the Showboat Philadelphia June 17, 1963」

Live at Showboat Philadelphia June 17, 1963

1963年中ごろのコルトレーン・カルテットは、ドラムのエルビン・ジョーンズが一時的に抜けて、ロイ・ヘリンズがトラ(代役)で叩いてる。同編成な同時期のライブでは7月のニューポートが出てるけど、こちらのほうが収録曲が多く、あまりほかのライブ盤に入っていない「Good Bait」とか「Out Of This World」が収録されてるのが売りみたい。全6曲2枚組。

[追記] ↑とか書いてたら速攻でツッコミが入りました!

mhatta: @mohri Showboatのやつ、実はドラムスはエルヴィン。……

だそうです。すみません><

1963年10月「The Complete 1963 Copenhagen Concert」

Quartet - Comp. 1963 Copenhagen Concert

1963年秋のライブは、公式に「アット・バードランド」がリリースされているし、7枚組「ライブ・トレーン」にもストックホルムとベルリンが収録されている。この2枚組CDのコペンハーゲンは、そのストックホルムとベルリンの間のコンサート。ラジオ放送されたらしい。

1965年7月フランス「THE COMPLETE CONCERTS」

John Coltrane 4tet Live in France、 July 27/28 1965: The Complete Concerts

1965年というのはコルトレーンにとって大変な年で、年頭にまず名盤『至上の愛』をリリースしたとおもったら、すぐさま『カルテット・プレイズ』を録音。5月から6月にかけて後日編集盤に分散収録される何回かのセッションを経て、大問題作『アセンション』を制作! 7月はニューポートジャズ祭。そしてフランスに渡ってアンティーブのジャズ祭で「至上の愛」のライブ完全演奏を敢行(これは『至上の愛』のデラックスエディションに収録)。
そしてこの2枚組はその翌日のアンティーブと、翌々日のパリのライブを収録。これまで何枚かに小出しにされてた音源が集大成されたそうです。これまで「Blue Valse」とクレジットされてきた曲が「Ascension (Quartet Version)」となっていて、「アセンション」がライブ収録された唯一の記録なんだそうですが。
ちなみにフランスから帰ったコルトレーン・カルテットは8月に『サン・シップ』、9月にメディテーションズのカルテット版セッション(ファースト・メディテーションズ)を経て、遂にファラオ・サンダースを加入させフリーに向かって一直線。『ライブ・イン・シアトル』、「オム」「クル・セ・ママ」「セルフレスネス」ときて『メティテーションズ』でブキョブキョブキョブキョしながら1年を終えますが、さすがにフリーダムすぎる管楽器に嫌気がさしたか、ピアノのマッコイ・タイナーとドラムのエルビン・ジョーンズが抜けてしまい、1961年から続いたコルトレーン・クラシック・カルテットは遂に終焉を迎えます。

ところで『ライブ・イン・シアトル』って2枚組になって収録時間も増加してるんですね! 2曲増えただけなのに)

Live in Seattle

Live in Seattle

1966年7月「Last Performance at Newport July 2 1966」

Last Performance at Newport July 2 1966

コルトレーン最後のニューポート祭への出演ライブ。『アゲイン!』の2カ月後、来日公演の直前という位置づけです。実は『イン・ジャパン』も未聴なんですけど、4枚組は7曲さすがにヘビーなので、先にこれを聴いておきたい。

[追記]とか書いてたらこちらも同じtweetでちょっと残念なお知らせが

mhatta: ……66年Newportは演奏はいいんだけど音質がねえ…。でもめげずにそのうちアサヒ・コムの連載で取り上げるつもり。

連載楽しみにしてます!
asahi.com:LIVE蔵出盤−ジャズ・ストリート−アサヒ・コム プレミアム