ひと月ほど前にこんな記事を書きました。
この記事では、おもにオッサンのネット昔話として次のようなことを言いたかったのです……
- bashよりtcsh、vimよりvin
- fjは早すぎたFacebookだった
- 割れた液晶ディスプレイの美しさ
ですが、タイトルを雑につけてしまったせいでさまざまに消耗したブコメを呼んでしまいました。たいへん失礼いたしました。
さて、主目的ではなかったとはいえ、いちおうMacはじめましたと宣言していたこともありますから経過報告をしておいたほうがよいかなあとおもったのですが、実際のところはその記事でも
サービスが存在するレイヤーがPC上からWeb上へと移行したおかげで、WindowsであろうがMacであろうが関係ないという世界観
と書いたとおり、業務にしてもコミュニケーションにしてもほぼクラウド上で作業できるため、支障はほとんどありません。
ブラウザの設定もクラウド保存されていてログインさえすればお気に入りやら設定やらが同期されるようになって以来、PC環境の移行は格段に便利になりました。
とはいえ、ちょっとした違いはもちろんあります。どんな違いがあって、どうすればその違いは埋まるのか? 気づいたことをまとめてみました。
ウィンドウ切り替えのキーボードショートカット
PCをいつも使っていると効率化のためにキーボードショートカットを使いまくって、操作も定型化していることが多い。コピーだったらCtrl-C
/command+C
というように、WindowsでもMacでも基本動作は一致していて大きな戸惑いはないのでした。
操作感の違いで戸惑って、悩んだのは、アプリ(ウィンドウ)の切り替え。Windowsでは、alt+tab
ですべてのウィンドウが次々と切り替わるけど、Macのcommand+tab
はアプリの切り替えなので、1つのアプリで複数のウィンドウを表示している場合には、カレントでないウィンドウには移れません。
これは、検索して別のキーボードショートカットがあるということがわかりました。
Macでウインドウ切り替えのショートカットを見つけた話 | mochrom blog
こちらの記事ではcommand+option+tab
に振ってますが、ぼくは3つキーを押したくなかったので元のキーバインドに近いcommand+1
に割り当てました。
しまうのか隠すのか
ウィンドウ切り替えではもうひとつ、Windowsでは、不要なウィンドウはよくタスクバーにしまいますが、Macでも同じ感覚でドックにしまうようにすると、ドックからキーボードショートカットで取り出すことができなくて困った。
いま作業しているアプリについて、ドックにしまったウィンドウがあれば出す、というショートカットがあってもよさそうなものだけど、Mac利用者に聞くと「ドックをクリックすると出ますよ」とか言われて、知ってる、けどキーボードショートカットで出したいんですよ……みたいなかんじになる。
で、わかったのは、ドックにしまうのは悪手だということ。要は画面から消えてくれればいいんだから、command+H
で隠してしまえばいいのでした。こういうのは流儀の違いであって、どっちが便利というものでもなく、郷に入れば郷に従うのです。
ただ、さっきのようにキーボードショートカットを聞いても「マウスでクリックするとできます」みたいに答えられることがあると、ちょっと面白いなとおもう。
キーボードから手を離さないでぜんぶショートカットで作業したほうが効率がよいとおもうんだけど、Macのタッチパッドは使い勝手がよくて使っていてけっこう気持ちがいい。二本指スクロールとか二本指で押し込むとか。なのでついタッチパッドで操作してしまう。そんなにキーボードから遠くないしね。
でも、それはMacの罠だなというきがしていて、最高の効率ではなさそうだけど最高に気持ちいいからそっちで操作するというのは、お店で注文がなかなか出てこなかったのけど、かわいい(もしくはイケメン)の店員が運んできたからまあいいか、みたいなかんじで、なんか誤魔化されているような気持ちになる。その点、Windowsはどこをとっても気持ちのいいインターフェースが皆無なので、ひたすら効率だけを追求するみたいな熟練バイト長的な迫力がある。
Macを使っていて「気持いいなあ」とおもったら、それは誤魔化されているのかもしれないし、Windowsはもうちょっと色気を出してほしいとおもったけど、その結果がWindows 10なのであれば別に大丈夫です間に合ってますというかんじで、やはりバイト長はシフトの調整に威力を発揮するとよさそうです。
秀丸がすごい。ひたすら秀丸はえらい
仕事がらテキストファイルが主戦場であって、ローカルのエディタが重要ですが、前述の記事でも書いたようにCotEditorを使っています。
CotEditor -Text Editor for OS X
とてもよくできていて、正規表現の検索置換もできるし、さくさく動作するし、githubで開発されているというのも現代的でMacらしいエディタで、十分にオススメできる。
ただし、いろいろと細かいところで「秀丸ならこれができたなあ」となることがある。検索置換やアウトラインエディタとしての機能で感じることが多いのだけど、これはむしろ「秀丸がえらい」としか言いようがない。WindowsがMacよりも優れていると言えるポイントがあるとすれば、その1つは間違いなく「秀丸エディタが動作する」ことでしょう。
逆に、Macではコマンドラインが使えるので、ほんもののUNIX Shellでsort | unic -c | sort -nr
とかできてテキスト処理でも最高に便利。秀丸を取るか、コマンドラインを取るかという究極の選択である(Macに仮想環境でWindowsを入れることができたり、WindowsにCygwinがあるのは知ってますが、ともに面倒ですし、そこまでするものでもないとおもってます)。
日本語入力へのキーバインド
最高のディスプレイ環境になったWindowsですが、実は修理から戻ってきていて、シュッとWindows 10にアップグレードしました。SSDだったためかトラブル皆無で、Windows 7とまったく同じ操作感でWindows 10が動作しています。Edgeをいろいろ触ってみようとおもっています。
このときWindowsを久しぶりにさわって気づいたのが、そもそも自分はWindowsをMac風に使っていて、だから慣れが早かったのかな……ということでした。
例えば、Windowsの日本語変換の「半角/全角」キー。あんな遠いところに日本語入力の開始・終了のトグルスイッチがあるのって不便すぎませんか? って以前から思っていたので、もうかなり昔から日本語入力のキーバインドを変更して使っていたのでした。変換キーでIMEオン、無変換キーでIMEオフというやつです。
具体的なカスタマイズ方法は「Windows 日本語入力 変換 無変換」あたりでググるとたくさん出てきます。これとか。
MSゴシックからメイリオへ、そして
WindowsをMac風に使ってたなーと気づいたもうひとつは、フォント。とにかくアンチエイリアスなフォント、つまりメイリオ系列を多用して、MS 明朝・MS ゴシック系列はブラウザでもエディタでも何年も目にしてないかもしれない。
IT戦記の「Windows7 搭載マシンを買ってきてやったことまとめ
で紹介されていたMeiryoKeもすぐに導入していたので、Windowsにはデフォルで等幅のアンチエイリアスなフォントがないことを忘れていました……。
ことば・その周辺 PC版「メイリオ(1)――WindowsXP とメイリオ系フォント, MeiryoKe5.00
最近では「Source Han Code JP」などもリリースされているので、Windows 10ならもっと選択肢は広いかもしれません。
まとめ
WindowsもMacも、ブラウザ上のWebクラウドの環境を利用する限り、それほど大きな違いはないけれど、違っているところはいろいろあるので、それぞれ自分が使いやすいようにカスタマイズすることで双方を遜色なく利用できます。
- キーボードショートカットのキーバインドをあわせる
- それぞれに「流儀」があることを理解する
- 秀丸最高
- UNIX Shell便利
- 半角/全角を押さない生活
- フォント重要
- せめてバイト長らしく
こちらからは以上となります。
追記
前回の記事、雑なひっかけタイトルにしてたのは「そんならNextBSD入れろよ!」というツッコミを期待してたんだけど、だれも突っ込んでくれなかったのでざんねんだったの思い出しました。というかどうやればインストールできるんだろうこれ……。

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