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表参道で働くシニアのブログ

東京駅でやってる「メスキータ」展がとにかくカッコいい!

メスキータを知ってる? 知らない……? それでは、エッシャーは?

だまし絵で知られる版画家エッシャーが「命懸けで守った」という「メスキータ」展が、8月18日まで東京ステーションギャラリーで開催されています。この夏にオススメする第一の展示です。これはいま見ておいたほうがよい。

メスキータ - 東京ステーションギャラリー

サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ(Samuel Jessurun de Mesquita、1868-1944)は、ポルトガル系のユダヤ人として生まれ、画家・版画家・デザイナーとしてオランダで活躍しました。

コントラストが強く、幾何学的にデザインされた力強い描線の平面的な木版画をたくさん残していて、アール・デコというにはアクが強く、幻想的というには不穏で、とにかくカッコいい。

Reiger in een hok.jpeg

サミュエル・メスキータ - Wikipedia

出てた中でもかなり好きだった作品がウィキメディアにたまたまあったんですけど、この《オニアオサギ》はシンプルな線だけで描かれた羽や、微妙な首のカーブ、太くうねる彫りで表現された木の壁の質感もよい。下の鹿も、角なんて三角形になっちゃってます。

Sambar Deer (Aristoteles Hert) MET DP865273.jpg
By Samuel Jessurun de Mesquita - This file was donated to Wikimedia Commons as part of a project by the Metropolitan Museum of Art. See the Image and Data Resources Open Access Policy, CC0, Link

デザインや版画の教師も務めていて、エッシャーは教え子の一人。第二次世界大戦末期に75歳でナチスに連行されてアウシュビッツで亡くなるのですが、自宅に残された作品をエッシャーや他の知人が持ち帰って「命懸けで守った」というエピソードがあるそうです。

『メスキータ』展 | Curators キュレイターズ

ドイツの個人コレクターが所有する中から総数およそ240点が来日した本格的な日本初の回顧展であり、同じ作家の同じ規模の展示は次いつ見られるだろう? という意味でもいま見ておくべきと思います。佐倉、西宮、宇都宮、いわきに巡回します(上記サイトなど参照)