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表参道で働くシニアのブログ

国立西洋美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」ほか、7月前半に見た4つの美術展

7月前半に見に行った美術展を4つ紹介します。

「コズミック・ガーデン」サンドラ・シント展

「コズミック・ガーデン」サンドラ・シント展 | Hermès

銀座メゾンエルメス フォーラムで7月31日まで開催されていたのは、ブラジル・サンパウロのアーティスト、サンドラ・シントによるインスタレーション。

ギャラリーの壁面いっぱいのドローイングはとても美しくて、採光を大きく取っているギャラリーの構造から、夕暮れどきに訪れるとだんだん室内が暗くなり、残念ながら雨だったのでそれほど大きな変化ではなかったけれど、作品の表情が変わってくるのがおもしろかった。


Chim↑Pom個展「May, 2020, Tokyo / A Drunk Pandemic」

東品川の寺田倉庫で7月22日まで開催されていたChim↑Pomの個展。コロナ禍の東京をテーマにした新作と、コレラ禍の英国をテーマにしたマンチェスターでのプロジェクトの再展示。

Chim↑Pom 個展 May, 2020, Tokyo / A Drunk Pandemic

テーマが暗いはずなんだけど、マンチェスターではバタバタと人が死んでいくなか、ビール工場に勤めているひとはコレラにかからないという話になり、子どもも大人もみんなビールを飲んでた(子どもでも飲める低アルコールのビールもあったらしい)という話を聞くと、それこそが新しい生活なのではないかという気持ちになる。ビールの醸造工程で水を煮沸するため殺菌されてたためらしいけど。

あやちょ(和田彩花)のレビューがよかった。

和田彩花の「アートに夢中!」(第43回)Chim↑Pom May, 2020, Tokyo / A Drunk Pandemic - ぴあ

森村泰昌 エゴオブスクラ東京2020 さまよえるニッポンの私

原美術館で7月12日まで延長展示されていた森村泰昌の新作展。

Hara Museum Web | 森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私

コロナで休館になる直前に展示だけは見ていたので、映像作品を見ておこうと行ってきた。おもっていたより重苦しい作品ではなく、この状況下で見ることができてよかった。それにしても作品の舞台にされた東大の学生たちはどう思ってたのだろうか?


ロンドン・ナショナル・ギャラリー展(国立西洋美術館)

英国外でのまとまった展示は初というイギリスの「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」から全61作品が日本初公開という機会に、久しぶりに上野に行ってきました。

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展|国立西洋美術館

何はともあれゴッホ〈ひまわり〉そしてフェルメール〈ヴァージナルの前に座る若い女性〉。全体のテーマとしては英国の上流社会における絵画の役割となるのでしょうか。ひとつが英国内での肖像画の変遷。もうひとつ、グランドツアーなどを通したイタリアやスペイン絵画の受容。とはいえターナー〈ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス〉はやはりよかったし、カルロ・クリヴェッリ〈聖エミディウスを伴う受胎告知〉などルネサンス絵画もよかった。

10月18日まで絶賛開催中。チケットは事前予約制です。

久しぶりの上野駅は驚いたことに新しい公園口が完成していました。ここはエキナカの施設もたくさんできそう。上野動物園までまっすぐで信号もなくなり、ひとの賑わいを予感させます。