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表参道で働くシニアのブログ

読んだ - 名著誕生「コーラン」/ブルース・ローレンス

コーラン (名著誕生)

コーラン (名著誕生)

「世界を変えた」古典的名作の解説書シリーズ「名著誕生」シリーズ(ポプラ社)*1の1冊。イスラム教の聖典『コーラン』を、リベラルなキリスト教徒に向けて解説するという構成*2コーランのはじまりや内容だけでなく、8世紀ペルシアのシーア派第6代イマームであるジャアファル・サーディクから、19世紀インドの合理主義者サー・サイイド・アフマド・ハーンなど、世界各地のさまざまなイスラム神学者などの考えが紹介される。

20世紀以降では、アメリカのブラックムスリム、過激派テロリストのウサーマ・ビン・ラーディン、そしてインドネシアに土着したスーフィズムがAIDS/HIV患者に与える癒しについて紹介されている。中近東のみならず、今や世界宗教となっているイスラム教の広がりと多様性が興味深かった。もっとも広がりがある分だけ、イスラーム教やコーランそのものへの記述は少なくなっているので戸惑うところも多かった。先に阿刀田高「コーランを知っていますか (新潮文庫)」を読んでてちょっと助かった。

*1:GroveAtlantic.com「Books That Changed the World」シリーズの邦訳

*2:そこからさらに神仏混淆無宗教である日本人が何を学ぶかは巻末の訳者と塩野七生氏の対談を必読