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表参道で働くシニアのブログ

NET TRAVELLERS 200X

「はてなの本」は「ネットトラヴェラーズ200X」というシリーズの下でリリースされます。

mohri2004-04-30

ということで、往年の名著『ネットトラヴェラーズ95』の書影をネットで探してみたんですが、なんと見つからなかったので先ほど社でスキャンしてきたのを上げときます。コレは知らないヒトにはなんて説明すればいいんでしょうかねえ。日本のネット黎明期に「個人サイトのパワー」を正面から見据えたムック、という感じなのかなあ……TV Brosの一ノ瀬くんのコラムを参照のことっちゅうか。

そういえばその一ノ瀬くんの上でカワカズさん*1がネットラ復活(→ネット・トラヴェラーズ 2400)の詔を出されたそうですが(未読)、それとこのシリーズ名は無縁ではありません。てゆか無縁なわけがねえだろっちゅうか。実は、当初は「ウェブウォーカー」っていう角川方面からのパクり臭いシリーズ名を考えていたんですが、どうにもそれだとパワーが出ないんですわ。いや、2004年のネット状況を俯瞰したいいシリーズ名だとは思うんですけどね*2。ほかに何かいいのないかなあ……。

と考えてたところにカワカズさんからのメールで「来年ネットラを10周年でまたやろうと思うんだけど」と書かれてたもんだから、「そうだよ! それだった! 弊社にはそれがあったではないですか!」ということで、カワカズさんと当時の担当編集者*3にハナシを通して、来年出る(かもしれない)『ネットラ2400(仮)』に至る前哨戦としてシリーズ名に使わせてもらうことにしたわけです。

とはいえ、0.001Mbps前後のアナログモデムを介してネットに繋ぐだけで無限の可能性が感じられていた10年前と違って、今はもうゼンゼン散歩(ウォーカー)感覚の方が大勢じゃないですか。それなのに今さらネットでトラベルだなんて「アナクロ」だなあとワレながら思わないではないですが、それでもやはり「ネットラ」を冠するとちょっと強まった編集ができそうな気がしますし、一本芯が通ってるような気がしてくるから不思議です。

まず2004年におけるネットの「トラベル」って何よ? と問い詰めてみたり、ネット本来の持っていた魅力を問い直してみたりできれば良いなと思ってます。「はてな」は一見ありがちな日記サービスに見えて、そういう「ネットでしか手に入らない何か」に満ち溢れているように感じるのです。

というわけで「はてなの本」の場合は、まず間違いなく「自転車旅行」ですな。知識を得て心を開き自転車に乗れ!(それにしても古いな、オレ)

*1:川崎和哉氏、元ロッキンオン社員、10年前から一貫してネットの先端をふにゃふにゃしたモラトリアムな視点で見つめ続けるネット系ライターにして、IT編プロ「スプー社」代表取締役

*2:たとえば10年前なら「ネットサーフィン」という用語に代表されるように、「ウェブ閲覧」はかなりアクティブでチャレンジングな行為だったけど、今やものすごく手軽なものになってしまって、地球の裏のウェブだって戦時下のブログだってブロードバンドを通せばほんの数十秒で表示されるし、そもそもそんな遠くのサーバに当たりにいかなくても、自分の知り合いであるとか皆がチェックしてる人気サイトをグルッと巡回すれば数時間なんてすぐに費やしてしまうほどになってきた。20世紀はウェブ上に非日常があったが、21世紀はウェブは日常の地続きであって、それはまさに町内の散歩を楽しむようなマイペースなウェブライフを満喫することができる。ってのを一言で端的に表せてるんじゃないかなと

*3:実はまだ弊社にいるのです