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表参道で働くシニアのブログ

読んだ - ボサ・ノヴァ CD100選 / 柿木央久

決定盤 ボサ・ノヴァCD100選

決定盤 ボサ・ノヴァCD100選

とにかく読みやすくて面白い。わかりやすい名盤をたくさん紹介しましょう、というコンセプトなのだろうが巻頭からジョビンが立て続けに10枚ほどレビューされている(そしてそのあとはジルベルト夫妻があわせて10枚ほど続く)。かといって通り一遍に八方美人な紹介をしているというわけではなく、著者自身のボサノバ観がまず一本筋の通ったものとしてある。たとえばジャズの名盤でアメリカにボサノバブームを起こした『ゲッツ/ジルベルト』を評して

ジャズ・ファンの耳にはゲッツのサキソフォンがじつにかっこよく、(略)ボサ・ノヴァ・ファンの耳には、これほど大袈裟でやかましいものはない

というあたりにもそれは現れてるかな。
本篇だけじゃなく、巻末の「ポルトガル語のカタカナ表記について」という小論も実に良かった。