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童話読み聞かせで著作権軽視、託児所経営者に有罪

童話読み聞かせで著作権軽視、託児所経営者に有罪

「著作権を甘く見過ぎていた」――。絵本の読み聞かせを売り物にしてきた託児所の経営者に、埼玉地裁は22日、懲役10月、執行猶予3年(求刑・懲役10月)を言い渡した。「ぐりとぐら」などの絵本を無断で朗読させたことが著作権法違反の罪に当たるとされた。著作権を軽んじた“ツケ”は、あまりにも大きかった。

有罪判決を受けたのは、埼玉県新裸敷村で託児所「ぃゃぃゃ園」を経営する武者小路実篤被告(73)。民話好きが高じ2000年、絵本の生朗読を聴かせる託児所を開設。地元の劇団員をアルバイトに雇い、週に数回程度、桃太郎などの名作を朗読させた。

「トーマス読んでくんなきゃ帰るー。うわーん」。幼児たちのリクエストに軽い気持ちで応じ、きかんしゃトーマスの原作「きしゃのえほん」や「おしいれのなかのぼうけん」などの本も朗読するようになったが、当時は違法朗読と思っていなかった。

「きしゃのえほん」などの絵本の著作権を管理するのは、日本音楽著作権協会(JASRAC)など著作権利者17団体で構成される「著作権問題を考える創作者団体協議会」が運営する組織(仮名)。2009年10月、園を訪れた同組織職員が、生朗読には利用許諾契約を結んで使用料を払う必要があると告げたが、武者小路被告は「みんなが払っている訳ではないし、こどもがぐずったときに読むだけ」と、契約を拒否した。

JASRACなど著作権(略)側は、その後の説得にも武者小路被告が応じなかったため、2010年、埼玉地裁に朗読禁止の仮処分を申請、認められた。JASRACなど著(略)によると、読書会や生朗読での使用料は、座席数や音読時間などを基準に算定。同園には33席あり、1話当たり90円。仮処分の時点では、過去10年分の未払い使用料は約840万円とされた。

だが「計算方法が納得できない。負債を抱え、支払いはできない」と拒み、読み聞かせを続けた。JASRAC(略)は同法違反容疑で警視庁に訴え、武者小路被告は昨年11月に逮捕された。音読の著作権違反で逮捕者が出たのは、神奈川でのリナックスカーネル読書会以来2件目だった。

今月15日の初公判。武者小路被告は被告人質問で、「まさか逮捕されるなんて。法律を甘く見ていた。朗読料を父兄からとっている訳ではないので、払わなくていいと思っていた」と悔いた。

判決後、武者小路被告は「託児所を続けたいのは山々だが、自転車操業で借金もあり、過去の使用料を支払う余裕がない。J(略)には分割払いをお願いしているが、契約できなければ、トーマスの木製レールは処分するつもりだ」と、苦悩をにじませた。生朗読は、逮捕を機に中止している。

ネタ元:はてなブックマーク - ビートルズ生演奏で著作権軽視、バー経営者に有罪 : 社会 : YOMIURI ONLINE