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表参道で働くシニアのブログ

印象派はどうやってアメリカや日本にも広がったのか? 東京都美術館「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」展

東京都美術館で「印象派 モネからアメリカへ」展を見てきました。よく晴れた日曜の午後だけあって家族連れやらカップルで館内もごった返していて作品を近くで見るのも一苦労でしたが夕方にはわりと見やすくなってホッとしました。

印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵|東京都美術館

展示作品数が68点と展示会場の規模にしてはそれほど多くなかったですが、そのほとんど(53点)がウスター美術館から来ていて嬉しい展示。ただタイトルにある「モネ」は2点出てるなとおもったら1つは国内から(主催にも名を連ねる日本テレビ放送網が所有する作品)でした。

構成は大きく分けて印象派以前、印象派、印象派以降それぞれで、まず本家であるフランスの作品が紹介され、続いてアメリカの同時代の作品が紹介されるという流れ。印象派そのものについてはアメリカだけでなくヨーロッパ各国などへの国際的な広がりにも展示室を1つ使っていました。その国際的の中に日本も含まれていて、この明治から大正にかけての洋画作品については国内の複数の美術館から11点が集められていました。これが第3章の半分くらいあったのかな。

黒田清輝や久米桂一郎、藤島武二という洋画家がフランス留学中に印象派の影響下で描いた作品を中心にセレクトされていて、ほかの西洋諸国の作品とも違和感なくなじんでいたのが印象的でした。わざわざそういった作品、なるたけ本家に近く、日本独自の画風を加えてない時期の作品を選んだのかな。洋画の起点をひとつ見たような気がしました。

勉強になったのは、アメリカには独自の「ハドソンリヴァー派」や「トーナリズム」という風景画のグループがあったこと。展示の順番では「トーナリズム」は印象派後の運動のような構成だったけれど、作品の製作年を見ると印象派と同時期か先行する運動だったみたいです。でもジョージ・イネスの晩年の作品という《森の池》はかなり神秘主義的な雰囲気があってよかった。

4月7日までやってます。

印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵