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表参道で働くシニアのブログ

台風が来てるのでボブ・ディランのレアトラックを48曲まとめてみた

The Times They Are a-Changin'

ボブ・ディランという歌手がいる。ノーベル文学賞を受賞するくらい世界的に影響力のあるシンガーソングライターであり、今年でデビューして57年になる。

The Official Bob Dylan Site

オリジナルのスタジオ録音とライブ盤だけで50枚以上のアルバムがあり、ほかにベストやコンピレーションが数十枚出ているけれど、これだけ活動が長いと「入手にコストがかかったり、存在が分かりにくかったりするレアな正式リリース」もけっこうある。

ふとしたことでディランのレアトラックが気になって素人なりに調べてみたのですが、ひとくちにレアといっても実にいろいろあるということだけが分かりました。ご査収ください

この記事では、ディランが正式にリリースしたにもかかわらず、現行のオリジナルアルバムから漏れた音源を48曲ばかりリストアップしました。初出がそもそもレア音源集(ブートレッグ・シリーズとか『ライヴ! 1961-2000』とか)な場合は基本的に入れていません。膨大すぎてしまうので。

BOB DYLAN'S OFFICIAL RARITIES(1998年までのシンプルなまとめ)
"Searching For A Gem" home page(最新リリースまでの詳細なまとめ)

ボブ・ディランのレアトラック全体を知りたいならば、上記のサイトなどを見てもらうとよいです。かなり参考にさせてもらいました。

Still On The Road Index Page
Bob Dylan's recording sessions - Wikipedia

レコーディンセッションとしてはこのあたり。

Bob Dylan discography - Wikipedia
Bob Dylan | Discography & Songs | Discogs

ディスコグラフィーではこのあたりを参考にしました。ということで、1962年のファーストシングルから紹介します*1

1. Mixed-Up Confusion (alternate take, 1962)

1963年のセカンドアルバム『The Freewheelin' Bob Dylan』セッション中に録音されたファーストシングルで、邦題は「ゴチャマゼの混乱」。

Biograph (3 Cds in Double Jewel Case)

Biograph (3 Cds in Double Jewel Case)

オリジナルアルバム未収録で、1985年の『Biograph(バイオグラフ)』といった未収録音源多めの編集盤に収録されていますが、ここで取り上げるのは、1978年に日本独自で編集されたコンピレーション『傑作』(オーストラリアでも『Masterpieces』としてリリース)に収録されている別テイク。

Masterpieces

Masterpieces

『Masterpieces』のCDは1990年代にオーストラリア盤がリリースされたあと廃盤になっているようで、国内では値段が高めな中古のみの流通のようです(ということでで現行の公式盤ではない扱いとしてここに含めています)

なお、現行の『バイオグラフ』に収録されているのは上記で聞けるようにステレオリミックスで、厳密にはオリジナルのモノバージョンも入手が難しいようです。いろいろある。

2. Corrina, Corrina (B-side version, 1962)

1928年にボ・カーターが発表したトラディショナルのブルーズ。1963年のセカンドアルバム『The Freewheelin' Bob Dylan』にも収録されていますが、前述「ゴチャマゼの混乱」のB面でリリースされたのは同日録音の別テイクとのこと。

www.discogs.com

このテイクは、その後は(入手が容易な形では)どこにも収録されていないようです。

Bob Dylan - The 50th Anniversary Collection (2012, CDr) | Discogs
2012 50th Anniversary Collection 1962

著作権が切れるのを防ぐためにヨーロッパのみで2012年に100セットだけ販売されたCD-Rで4枚組の『The 50th Anniversary Collection』には入ってるそうです。

3. Baby, Please Don't Go (outtake, 1962)

アルバム『Freewheelin' Bob Dylan』のアウトテイクで、1962年4月25日の録音。

Bob Dylan - Exclusive Outtakes From No Direction Home: The Soundtrack (2005, File) | Discogs

2005年に映画『No Direction Home』のサントラがブートレッグ・シリーズで出た際におまけ的にリリースされた『Exclusive Outtakes from No Direction Home』に収録されています。

Exclusive Outtakes From No Direction Home

Exclusive Outtakes From No Direction Home

3曲入りでデジタルダウンロードのみのボーナストラック集で、今でも上記などで購入できるようです。

ボブ・ディランの「Exclusive Outtakes from "No Direction Home: The Soundtrack" - EP」

iTunesでも。

Searching For A Gem: Bob Dylan's Officially Released Rarities and Obscurities: Audio: Online Performances (Other)

ボーナスディスクの詳細はこちらを参考にしました。

4. Motherless Children (live at the Gaslight Café, 1962)

トラディショナルなブルースで、弾き語りのライブ演奏です。

1曲のみのシングルとして2013年にデジタル配信されました。

265 Gaslight Café, New York City, New York, 15 October 1962 - Still On TheRoad 1962

ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあったカフェ「ガスライト」で、1962年10月15日の録音。この日は全17曲を演奏しています。

Live at the Gaslight 1962

Live at the Gaslight 1962

そのうち10曲入りのライブ盤『Live at the Gaslight 1962』が、2005年にリリースされています。1991年リリースのレアトラック集『The Bootleg Series Vol. 1–3 (Rare & Unreleased) 1961–1991(ブートレッグ・シリーズ第1〜3集)』にも1曲。残り6曲が前述の『The 50th Anniversary Collection』に収められていて、これもそのうちの1曲です。

5. The Times They Are a-Changin' (alternate version, 1963)

1964年のサードアルバム『The Times They Are a-Changin'(時代は変る)』表題曲の別テイク。

Bob Dylan - "Love And Theft" (2001, Digipack, CD) | Discogs

2001年のアルバム『Love and Theft』の限定デジパック版に付属するボーナストラックディスクにのみ収録されています。

なお、このボーナスディスクにはデビュー前のホームレコーディングによる「I Was Young When I Left Home」も収録されており、

これはブートレッグ・シリーズ第7集『No Direction Home: The Soundtrack』で聞けます。

6. Farewell (outtake, 1963)

アルバム『時代は変る』からのアウトテイクで、1963年の録音。

Inside Llewyn Davis: Original Soundtrack Recording [12 inch Analog]

Inside Llewyn Davis: Original Soundtrack Recording [12 inch Analog]

それから50年後、ニューヨークはグリニッジビレッジのフォークリバイバルシーンで先輩シンガーとして活躍したデイヴ・ヴァン・ロンクの回想録を元にした2013年のアメリカ映画『Inside Llewyn Davis(インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌)』のサウンドトラックに提供されました。

グリニッチ・ヴィレッジにフォークが響いていた頃―デイヴ・ヴァン・ロンク回想録

グリニッチ・ヴィレッジにフォークが響いていた頃―デイヴ・ヴァン・ロンク回想録

なお、2010年のブートレッグ・シリーズ第9集『The Witmark Demos: 1962–1964』には、音楽出版用のデモとして録音したバージョンが収録されています。


7. Mr. Tambourine Man (live at Newport Folk Festival, 1964)

前述した『Exclusive Outtakes from No Direction Home』から、1964年のニューポート・フォーク・フェスティバルにおける実況録音です。

1965年のアルバム『Bringing It All Back Home』収録曲で、ディランの代表曲のひとつ。7月26日イブニング公演だそうです。

なお、1964年のニューポートにおけるディランの演奏では、公式が動画をひとつ公開してます。

違う演奏のようなので別の公演回でしょうか?

また、日本編集の『Live 1962-1966 - Rare Performances from the Copyright Collections(ライヴ:1962-1966~追憶のレア・パフォーマンス)』にも上記の2曲が収録されています。

Live 1962-1966 (Rare Performances From The Copyright Collections) | Discogs
日本企画の来日記念盤『ライヴ:1962-1966~追憶のレア・パフォーマンス』、7月18 日発売決定! | ボブ・ディラン | ソニーミュージック オフィシャルサイト

このコンピレーションには、前述の『The 50th Anniversary Collection』やブートレッグ・シリーズの限定ボックスとしてリリースされた楽曲から、選りすぐりのライブ演奏が29トラック集められています。

8. Outlaw Blues (Acoustic version, 1965)

前述の『Exclusive Outtakes from No Direction Home』より。

1965年のアルバム『Bringing It All Back Home』収録曲の別テイクです。

9. If You Gotta Go, Go Now (Netherlands single version)

こちらは『Bringing It All Back Home』セッションのアウトテイク。1965年1月15日の録音で後にオーバーダブされた音源が、2テイクがあるそうです。

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その1つが1967年1月にオランダのみでシングルとしてリリース。その後はどこにも収録されていないようです。

もう1つのバージョンは、1991年に『ブートレッグ・シリーズ第1〜3集』でリリースされています。また、2015年のブートレッグ・シリーズ第12集『The Best of The Cutting Edge 1965-1966(ザ・ベスト・オブ・カッティング・エッジ1965-1966)』にも、同曲のレコーディングセッション時の別テイクが収録されています。

10. California (outtake, 1965)

この曲も『Bringing It All Back Home』セッションのアウトテイクです。海外ドラマ『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』のサントラとして2009年にリリースされました。

2015年のブートレッグ・シリーズ第12弾『ザ・ベスト・オブ・カッティング・エッジ1965-1966』にも再収録されています。

11. From a Buick 6 (Japanese album version, 1965)

1965年のアルバム『Highway 61 Revisited(追憶のハイウェイ61)』収録曲の別テイク。

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なぜか日本盤では、アナログLPの時代にはずっとこの別テイクがアルバムに収録されていたんだそうです。CD化で標準の仕様になり、中古アナログ盤のみのレアトラックになりました。

Bob Dylan - The Cutting Edge 1965 – 1966 (2015, CD) | Discogs

しかし、2015年のブートレッグ・シリーズ第12集『ザ・ベスト・オブ・カッティング・エッジ1965-1966』の6枚組デラックス・エディションに収録。

From a Buick 6 (Take 4)

しかも、デジタルダウンロードで1曲ずつ買えたりするので、もはやレアではぜんぜんなさそうというか、111曲入りボックスの1曲だけ買うというのも本末転倒なのか何だかすごいことのように思えてきます。

jdanalog.blog111.fc2.com

ところで、上記のDiscogsの情報で日本版『追憶のハイウェイ61』のリリースが1970年と少し遅いのは何でだろう? とおもったら、ほぼリアルタイムで出てたのは『Bob Dylan Vol. 2』といういかにも日本編集なタイトルとジャケな『追憶のハイウェイ61』だったらしいですね。

12. Can You Please Crawl Out Your Window? (alternate take, 1965)

1965年12月にリリースされたシングルで、邦題は「窓からはい出せ」。

www.discogs.com

シングルのバージョンは同年10月にホークス(後のザ・バンド)をバックに再収録されたもので、7月の『追憶のハイウェイ61』セッションでもアル・クーパーらをバックに録音されていました。

www.discogs.com

ところが、9月に1つ前のシングル「Positively 4th Street(寂しき4番街 or 淋しき街角)」をリリースする際になぜかこのバージョンが間違ってプレスされ、ジャケットが「淋しき街角」で中身が「窓からはい出せ」というシングルが世に出てすぐ回収されたそうです。

Can You Please Crawl Out Your Window? (Take 17)

これこそがレアトラックの鑑というかんじですが、現在は前述の『ザ・ベスト・オブ・カッティング・エッジ1965-1966』デラックス・エディションに収録されており、1曲単位で買うことができます。

Bob Dylan - Biograph (1986, Vinyl) | Discogs

なお、「淋しき街角」も「窓からはい出せ」もオリジナルアルバム未収録のシングルでしたが、後に『バイオグラフ』に収録されています。

13. Just Like Tom Thumb's Blues (live in Liverpool, B-side, 1966)

『追憶のハイウェイ61』に収録されているディランの代表曲で、邦題は「親指トムのブルースのように」。

www.discogs.com

英国リバプールのオデオンシアター(Odeon Theatre)における1966年5月14日のライブが、1966年6月に『Blonde on Blonde』から先行リリースされたシングル「I Want You」のB面としてリリースされ、その後『Masterpieces』に収録されています。

Musical History (W/Dvd)

Musical History (W/Dvd)

なお、このツアーでバックを務めたThe Band(ザ・バンド)のボックスセット『A Musical History』にも、同じライブから「Tell Me, Momma」とともに収録されています。

14. I'm Not There (outtake, 1967)

いわゆる「ベースメント・テープス」からの未発表トラックで、ザ・バンドをバックにした1967年のホームレコーディング。

I'm Not There (Original Soundtrack) | Discogs

ボブ・ディランの半生を6人の俳優が演じる2007年の伝記映画『I'm Not There』のサウンドトラック中で唯一のディラン本人の曲としてリリースされました。

The Basement Tapes Complete: The Bootleg Series, Vol. 11

2014年にはブートレッグ・シリーズ第11弾『The Basement Tapes Raw』『同Complete』にも収録されました。

でもミックスがぜんぜん違う。とりあえず両方とも貼ってみたので聞き比べてみてください。レアトラックのはずなのに聞き比べられるのもおかしい気もしますが。

15. Dear Mrs Roosevelt (tribute live, 1968)

1967年10月に55歳で亡くなったウディ・ガスリーを追悼するコンサートが、1968年1月20日に開催されました。

A Tribute To Woody Guthrie | Releases | Discogs

このときディランは「I Ain't Got No Home」「Dear Mrs Roosevelt」「The Grand Coulee Dam」の3曲を披露し、最初と最後の全員曲に参加しているそうです。

1970年に開催されたディランが参加していない第2回の音源とあわせたものなど、いくつか出ている再発CDで入手可能です。公式のSoundcloudというのが面白かったので「Dear Mrs Roosevelt」を貼っておきます。

スポティファイでも配信されています。

ライヴ!1961-2000~39イヤーズ・オブ・グレート・コンサート・パフォーマンス

ライヴ!1961-2000~39イヤーズ・オブ・グレート・コンサート・パフォーマンス

「The Grand Coulee Dam」は、2001年に日本で編集されたライブコンピレーション『Live 1961–2000: Thirty-Nine Years of Great Concert Performances(ボブ・ディラン・ライヴ! 1961-2000)』に収録されています。

16. Spanish is the Loving Tongue (B-side version, 1970)

1970年のアルバム『New Morning(新しい夜明け)』からのアウトテイクです。邦題は「スペイン語は愛の言葉」。

www.discogs.com

1971年のシングル「Watching the River Flow(川の流れを見つめて)」のB面としてリリースされました。『Masterpieces』に収録されています。

PURE DYLAN-AN INTIMATE

PURE DYLAN-AN INTIMATE

ドイツ編集のベスト盤『Pure Dylan - An Intimate Look at Bob Dylan』にも収録。2011年にヨーロッパでリリースされ、米国の公式ディスコグラフィーに入ってませんが、わりと入手しやすいコンピレーションのようです。

ディラン(紙ジャケット仕様)

ディラン(紙ジャケット仕様)

なお、この曲はその後に『Self Portrait』セッションでも録音され、1973年にディランがアサイラムに一時的に移籍した際にコロムビアが無許可でリリースした未発表曲集の『Dylan』でもリリースされました。別テイクが、同セッションの未発表曲を集めた2013年のブートレッグ・シリーズ第10集『Another Self Portrait (1969–1971)』にあります。

グレーテスト・ヒット 第2集(紙ジャケット仕様)

グレーテスト・ヒット 第2集(紙ジャケット仕様)

ところで「川の流れを見つめて」もオリジナルアルバム未収録ですが、『Bob Dylan's Greatest Hits Vol. II(グレーテスト・ヒット第2集)』に収められています。後述しますが『グレーテスト・ヒット第2集』は半分オリジナルアルバムみたいなものですね。

17. If Not for You (alternate take, 1970)

『新しい夜明け』収録曲の別テイクです。

A New Music City | Discogs

ナッシュビルのセッションプレイヤーであるLloyd Green(ロイド・グリーン)のペダルスチールギターをフィーチャーしたミックスで、ナッシュビルのカントリー・ミュージック殿堂博物館による同名の展示企画と連動した2015年のコンピレーション『Dylan, Cash and the Nashville Cats: A New Music City』に収録されています。

ブートレッグ・シリーズ第10集『Another Self Portrait (1969–1971)』にも同日の録音が収録されていますが、こちらのミックスはピアノとバイオリンのみの伴奏です。

18. George Jackson (A-side, Big Band version, 1971)

1971年に録音・リリースされたアルバム未収録シングルで、AB面がバージョン違いです。

www.discogs.com

1971年には「I Shall Be Released」など新曲のレコーディングが断続的に行われ、このシングルを除くほとんどが同年の『グレーテスト・ヒット第2集』に収録されましたが、このシングルは未収録。A面の「Big Band version」のみが『Masterpieces』に収録されていました。

19. George Jackson (B-side, Acoustic version, 1971)

前述したアルバム未収録シングルのB面曲です。長らく正規に聞けない状態が続いていました。

The Complete Albums Collection, Volume 1 (Coffret 47 CD)

The Complete Albums Collection, Volume 1 (Coffret 47 CD)

2012年の『Tempest』まで、オリジナルスタジオアルバムとライブ盤を集めたCDで47枚組の『The Complete Album Collection Vol. 1』というボックスセットがあり、ここに付属している『Side Tracks(サイド・トラックス)』という2枚組ボーナスディスク(別売りもされてる)に収録されました。

スポティファイでも聞けるので、AB面の入手しやすさが逆転してますね。なお、日本独自編集のプロモ盤『Mr. D's Collection #3』には両方が収録されています。

20. Highway 61 Revisited (live in New York, 1974)

『追憶のハイウェイ61』表題曲で、ザ・バンドをフィーチャーした1974年のツアーからの未発表ライブバージョンです。

The Band - The Band: A Musical History (2005, CD) | Discogs

1月31日にニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで録音され、前述のボックスセット『A Musical History』に収録されています。

Before The Flood

Before The Flood

このツアーでは2月14日にカリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムで録音されたバージョンが、2枚組ライブアルバム『Before the Flood(偉大なる復活)』に収録されています。

21. Shelter from the Storm (alternate version, 1975)

1975年のアルバム『Blood on the Tracks(血の轍)』収録曲で、邦題は「嵐からの隠れ場所」。

Jerry Maguire - Music From The Motion Picture | Discogs

1996年の映画『Jerry Maguire(ザ・エージェント)』で別テイクが使用され、サントラに収録されています。

2018年のブートレッグ・シリーズ第14集『More Blood, More Tracks』のデラックス・エディションにも収録されているんですが、なぜかスポティファイにこのバージョンを含むサンプラーがありました。これずっと聞けるのかな? サントラ版と並べておきます。同じだけど

The Best of Bob Dylan

The Best of Bob Dylan

1997年のベスト盤にも収録されています。これまでだったら、この盤が「一般的には手に入りやすい」って紹介するはずなんですが、逆に配信がないのでややこしい。

22. People Get Ready (studio rehearsal, 1975)

カーティス・メイフィールドが在籍したインプレッションズによる1965年のシングル「People Get Ready」のカバーです。1975年のツアー「ローリング・サンダー・レビュー」のスタジオリハーサルで録音されましたが、ツアー本編では演奏されていないようです。

www.discogs.com

これを含む4曲入りのプロモーションEPが、同ツアーを題材にした映画「レナルド・アンド・クララ」のプロモーション用に作られました。

Rolling Thunder..-Box Set

Rolling Thunder..-Box Set

このうちB面1曲目の「Isis」は『バイオグラフ』に、B面2曲目の「It Ain't Me Babe」は『ライヴ! 1961-2000』に収録。また、残るジョニー・エースのカバー「Never Let Me Go」を含めた全曲が、2018年の14枚組ボックス『The Rolling Thunder Revue: The 1975 Live Recordings』に収録されています。

23. Rita May (B-side, 1976)

1976年のアルバム『Desire(欲望)』のアウトテイクです。1976年のシングル「Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again(live)」のB面としてリリースされ、後に『Masterpieces』に収録。

www.discogs.com

なお、シングル「…… Memphis Blues Again」は、同年リリースのライブ盤『激しい雨(Hard Rain)』からのリカットで、オリジナルは『Blonde on Blonde』です。

24. Trouble in Mind (B-side, 1979)

1979年のアルバム『Slow Train Coming』のアウトテイク。同アルバムの同発シングル「Gotta Serve Somebody」のB面としてリリースされました。

www.discogs.com

編集盤では、前述の『Pure Dylan』にのみ収録。なお、これ以降は『Masterpieces』リリース後の楽曲になります。

TROUBLE NO MORE: THE BOOTLEG SERIES VOL. 13 1979-1981 [8CD+DVD] (DELUXE EDITION)

TROUBLE NO MORE: THE BOOTLEG SERIES VOL. 13 1979-1981 [8CD+DVD] (DELUXE EDITION)

同時期のレアトラックを集めた2017年のブートレッグ・シリーズ第13集『Trouble No More 1979–1981』の4枚組デラックス版には、別テイクが収録されています。

25. Let It Be Me (European B-side version, 1981)

エヴァリー・ブラザーズのヒットで知られる「Let It Be Me」のカバー。ディランは1969年にレコーディングして『Self Portrait』で発表済みでしたが、1981年のアルバム『Shot of Love』のセッションで再録音していました。

www.discogs.com

同盤からのシングルカット「Heart of Mine」ヨーロッパ盤のB面でリリースされ、その後はどこにも収録されていないようです。

Shot of Love

Shot of Love

なお、米国盤「Heart of Mine」のB面曲「The Groom's Still Waiting at the Altar」も当初は『バイオグラフ』のみの収録でしたが、CD化された『Shot of Love』にも追加収録されています。

26. Don't Ever Take Yourself Away (outtake, 1981)

1981年のアルバム『Shot of Love』のアウトテイクです。

Hawaii Five-0 -Original Songs From the Television Series

Hawaii Five-0 -Original Songs From the Television Series

海外TVドラマシリーズ『HAWAII FIVE-0』のサントラとして2011年にリリースされました。他には収録されていないようです。

27. Dead Man, Dead Man (live, 1981)

『Shot of Love』の収録曲で、リリース後の北米ツアーから1981年11月10日、ニューオリンズのセンガーシアター(Saenger Theatre)におけるライブです。

www.discogs.com

1989年に「Oh Mercy(オー・マーシー)」からシングルカットされた「Everything Is Broken」のカップリングとしてリリースされました。

Bob Dylan - Live 1961-2000 ~ Thirty-Nine Years Of Great Concert Performances (2001, CD) | Discogs

現在は『ライヴ! 1961-2000』に収録されています。

28. Angel Flying Too Close to the Ground (B-side, 1983)

Willie Nelsonによる1981年のシングルのカバーで、1983年のアルバム『Infidels』のアウトテイクです。

www.discogs.com

シングルカットされた「Union Sundown」のB面としてリリースされ、その後はどこにも収録されていないようです。

29. Band of the Hand (original soundtrack, 1986)

1986年の映画『Band of the Hand(マイアミ5)』の主題歌で、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズをバックに録音されました。

Band Of The Hand (Original Motion Picture Soundtrack)

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  • 発売日: 2017/03/17
  • メディア: MP3 ダウンロード
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サントラにも収録。配信だとこういうときに1曲だけ聞けたり買えたりして便利です。

www.discogs.com

ディラン名義のシングルもリリースされています。ミックス違いとのこと。

30. Man of Peace (rehearsal with the Grateful Dead, 1987)

1983年のアルバム『Infidels』の収録曲で、グレイトフル・デッドをフィーチャーしたツアーを前にした1987年6月に実施されたスタジオ・リハーサルの録音です。

Postcards of the Hanging

Postcards of the Hanging

グレイトフル・デッドによるディランのカバーを集めた2002年のコンピレーション『Postcards of the Hanging』に収録されています。

31. The Usual (original soundtrack, 1987)

John Hiattによる1985年の楽曲「The Usual」のカバーで、ディラン自身も出演した1987年の映画「Hearts of Fire」のために録音されました。

www.discogs.com

ディラン名義のシングルとしてリリースされています。

www.discogs.com

映画は振るわなかったそうですが、サントラには全3曲で参加。「Night After Night」はこのサントラのみ。「Had a Dream About You Baby」は、テイク違いが1989年のアルバム『Down in the Groove』に収録されています。

32. Pretty Boy Floyd (tribute, 1988)

1998年にリリースされたウディ・ガスリーとレッドベリーのトリビュート盤『Folkways』に参加して、ウディ・ガスリー「Pretty Boy Floyd」をカバーしています。

ほかにもトリビュート盤への参加が1990年代以降に増えていくつかあるのですが、ひとつずつ挙げるのはたいへんなのでウィキペディアのディスコグラフィーにも載っている主だったところをまとめておきます。

アルバム 参加曲
1988 Folkways: A Vision Shared – A Tribute to Woody Guthrie & Leadbelly Pretty Boy Floyd
1995 Till the Night Is Gone: A Tribute to Doc Pomus Boogie Woogie Country Girl
1997 The Songs of Jimmie Rodgers: A Tribute My Blue Eyed Jane
2000 Stolen Roses (Songs Of The Grateful Dead) Friend of the Devil (live)
2001 Timeless: Tribute to Hank Williams I Can't Get You Off of My Mind
2001 Good Rockin' Tonight: The Legacy of Sun Records Red Cadillac and a Black Moustache
2002 Kindred Spirits: A Tribute to the Songs of Johnny Cash Train of Love
2004 Enjoy Every Sandwich: The Songs of Warren Zevon Mutineer (live)
2011 The Lost Notebooks of Hank Williams The Love that Faded
2014 The Art of McCartney Things We Said Today

33. Series of Dreams (Single edit, 1989/1991)

1989年のアルバム『Oh Mercy』のアウトテイクで、 1991年にオーバーダブされて『ブートレッグ・シリーズ第1〜3集』でリリースされました。

www.discogs.com

ここで取り上げるのはシングルエディットで、イントロに前の曲のフェードアウトが重なっていません。

Bob Dylan - Bob Dylan's Greatest Hits Volume 3 | Discogs

1994年のベスト盤『Bob Dylan's Greatest Hits Vol. 3(グレーテスト・ヒット第3集)』にも収録。邦題の「夢のつづき」はこのときからでしょうか。

また、オリジナルセッションの別テイクが、2008年のブートレッグ・シリーズ第8集『Tell Tale Signs: Rare and Unreleased 1989–2006(テル・テイル・サインズ)』に収録。

34. Dignity ("Greatest Hits Vol. 3" version, 1989/1994)

同じく『Oh Mercy』のアウトテイクで、『グレーテスト・ヒット第3集』に収録され、シングル・カットもされています。このシングルは、この後の曲で何度か関連して登場します。

35. Dignity (alternate version, 1989)

前述の「Dignity」ですが、実はベスト盤に収録するためオーバーダブされています。

Touched By an Angel

Touched By an Angel

1998年にテレビドラマ『Touched by an Angel』のサントラで使用されたオルタナティブ版は、オーバーダビングされてない1989年のオリジナル録音とのこと(ややこしい)。

その後『The Best of Bob Dylan, Vol. 2』などいくつかのベスト盤にも収録され、それが『サイド・トラックス』で聞けます。グレーテスト・ヒット第3集版と聴き比べてみましょう。

さらに、これまた『テル・テイル・サインズ』に別テイクが収録されています。

36. You Belong to Me (outtake, 1992)

トラディショナルなブルースやスタンダーズばかりを弾き語りで録音した1992年のアルバム『Good as I Been to You』からのアウトテイク。

Natural Born Killers: A Soundtrack For An Oliver Stone Film

Natural Born Killers: A Soundtrack For An Oliver Stone Film

1994年の映画『Natural Born Killers』で使われました。

37. A Hard Rain's A-Gonna Fall (live in Nara, 1994)

1963年のアルバム『The Freewheelin' Bob Dylan』収録曲で、邦題は「はげしい雨が降る」。ディランの代表作の1つです。

www.discogs.com

前述した1994年のシングル「Dignity」のカップリングとしてリリースされたライブバージョンは、同年に奈良の東大寺で開催されたユネスコ主催の音楽祭『The Great Music Experience '94 AONIYOSHI』での収録。マイケル・ケイメン指揮による東京ニューフィルハーモニック管弦楽団をバックにした演奏で、音楽評論家の故・中山康樹氏も絶賛したとか。

Still On The Road, 1994 Spring Sessions, 15060 Todaiji Temple

3日間、同じ曲が演奏されたようで、探すと全部が収録されたブートなども出ているようです。

各国のテレビ番組で放送されたため、ありがちですが正式音源はすごくレアだけど非公式の動画がネットで見れるという状態になってます。

38. Things Have Changed (original soundtrack, 2000)

1999年8月にチャーリー・セクストンを含むツアー・バンドで録音されたオリジナルアルバム未収録曲です。

Wonder Boys: Music from the Motion Picture (2000 Film)

Wonder Boys: Music from the Motion Picture (2000 Film)

2000年の映画『Wonder Boys(ワンダー・ボーイズ)』で使用され、主題歌としてアカデミー賞を受賞しています。

同年リリースの『The Best of Bob Dylan, Vol. 2』『The Essential Bob Dylan』にも収録されています。

39. Song to Woody (live in Santa Cruz, 2000)

上記の「Things Have Changed」やこの後に何度か登場する「Love Sick」など、1998年から2000年にかけてリリースされた3枚のシングルには、カップリングとして近い年のライブ録音が収録されており、日本では「DYLAN ALIVE!」シリーズとして独自編集されました。

Things Have Changed

Things Have Changed

米オリジナルのマキシ「Things Have Changed」の4曲目で、日本版『DYLAN ALIVE! VOL.3』に再編集される際に同日の別曲に差し替えられた「Song to Woody」をここではレア曲の代表に挙げていますが、基本的にほとんどのライブが再収録されていません。

LOVE SICK?DYLAN ALIVE!

LOVE SICK?DYLAN ALIVE!

  • アーティスト: ボブ・ディラン
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • 発売日: 1999/01/20
  • メディア: CD
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NOT DARK YET?DYLAN ALIVE VOL.2

NOT DARK YET?DYLAN ALIVE VOL.2

Things Have Changed?DYLAN ALIVE Vol.3

Things Have Changed?DYLAN ALIVE Vol.3

ちなみに『DYLAN ALIVE! VOL.1』となった「Love Sick」と『同Vol. 2』の「Not Dark Yet」は、ともに1997年のアルバム『Time out of Mind』からのシングルカット。

Not Dark Yet

Not Dark Yet

オリジナルの「Not Dark Yet」も収録ライブが違います。なお『VOL.1』は、2種類ある「Love Sick」をまとめたもので収録曲は同じです。

  • 1996年8月3日 アトランタ〔Not Dark Yetオリジナル〕
    • Tombstone Blues
    • Ballad of a Thin Man
    • Boots of Spanish Leather
  • 1997年12月16〜20日 ロサンジェルス〔DYLAN ALIVE! Vol. 1〕
    • Cold Irons Bound(『ライヴ! 1961-2000』に再収録)
    • Cocaine Blues
    • Roving Gambler
    • Can't Wait
  • 1998年1月17日 ニューヨーク〔DYLAN ALIVE Vol.2〕
    • 怒りの涙 - Tears of Rage
  • 1998年2月1日 ニュー・ジャージー〔DYLAN ALIVE! Vol. 1〕
    • Born in Time(『ライヴ! 1961-2000』に再収録)
  • 1998年2月25日、グラミー賞授賞式〔DYLAN ALIVE! Vol. 1〕
    • Love Sick – 5:29
  • 1998年5月21日 ロサンジェルス〔DYLAN ALIVE! VOL.3〕*2
    • To Make You Feel My Love〔オリジナル、日本盤とも〕
  • 1998年6月21日 イギリス、グラスゴー〔DYLAN ALIVE Vol.2〕
    • Boots of Spanish Leather(スペイン革のブーツ)
  • 1998年7月6日 イタリア、ルッカ〔DYLAN ALIVE Vol.2〕
    • Señor (Tales of Yankee Power)
  • 1998年8月17日 ワシントン〔DYLAN ALIVE! Vol. 1〕
    • Blind Willie McTell
  • 2000年3月16日 サンタ・クルーズ〔DYLAN ALIVE! VOL.3〕
    • Song to Woody〔Things Have Changedオリジナルのみ〕
    • Highlands〔日本版のみ〕
    • Blowin' in the Wind(風に吹かれて)〔日本版のみ〕

全17曲ある『DYLAN ALIVE!』関連のライブを整理してみました。アルバムにまとめてほしいですね。

40. Tryin' to Get to Heaven (live in London, 2000)

1997年のアルバム『Time Out of Mind』収録曲のライブバージョン。2000秋のヨーロッパツアーでの録音です。

Tell Tale Signs: Bootleg Series 8 (W/Book) (Dlx)

Tell Tale Signs: Bootleg Series 8 (W/Book) (Dlx)

2008年のブートレッグ・シリーズ『テル・テイル・サインズ』のデラックス版に付いてくるボーナスディスクに収録されています。

Dylan (22 track Digital Only Version + Digital Booklet)

Dylan (22 track Digital Only Version + Digital Booklet)

これが、いまなぜか2007年のベスト盤『Dylan』のボーナストラックとしてダウンロード購入できるので掲載しておきます。

41. Love Sick (live, 2001)

1998年のアルバム『Time Out of Mind』収録曲のライブ録音。

ブートレッグ・シリーズ第8集『テル・テイル・サインズ』のボーナストラックとして、デジタル限定で配信されています。

Love Sick - live, Tramps, New York, 26 Jul 1999, previously unreleased bonus download with The Bootleg Series Vol. 8 - Tell Tale Signs: Rare And Unreleased 1989-2006 (still incorrectly dated as "Live 2001")

"Searching For A Gem" Bob Dylan's Officially Released Rarities and Obscurities - Audio: Online Performances (Other)

ところで「live, 2001」ってずいぶん大雑把なので、せめて何月かくらいわからないだろうか? と調べてみたら、1999年7月のニューヨーク録音だそうです。マジで……?

42. Gonna Change My Way of Thinking (duet with Mavis Staples, 2003)

オリジナルは、1979年の『Slow Train Coming』の収録曲で、2003年のトリビュート盤『Gotta Serve Somebody: Gospel Songs Bob Dylan』のバージョンです。

Gotta Serve Somebody: Gospel Songs Bob Dylan

Gotta Serve Somebody: Gospel Songs Bob Dylan

1979年から1981年頃のゴスペル期のディラン楽曲のカバー集で、ゴスペル歌手のメイヴィス・ステイプルズ(Mavis Staples)とディラン本人がデュエットを収録しています。自分のトリビュートへの参加というのがおもしろい

43. Down Along the Cove (live at Bonnaroo Music Festival, 2004)

1967年のアルバム『John Wesley Harding』の収録曲で、邦題は「入江に沿って」。

Dylan* / Mark Ronson - Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine) Re-Version (2007, CD) | Discogs

後述する「Most Likely You Go Your Way And I'll Go Mine (Mark Ronson remix)」のシングルCDで3曲目に、2004年のボナルー(Bonnaroo Music Festival)のライブが収録されています。

BONNAROO 2004

BONNAROO 2004

  • アーティスト: オムニバス,キングス・オブ・レオン,アンフリーズ・マギー,ザ・バッド・プラス,ボブ・ディラン,デイヴ・マシューズ&フレンズ,ザ・デッド,スティーヴ・ウィンウッド,ガヴァメント・ミュール,ギリアン・ウェルチ,ロス・ロンリー・ボーイズ
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2005/05/25
  • メディア: CD
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テネシー州で毎年6月に開催される大規模な野外ロックフェスで、公式CDにも収録されています。

www.discogs.com

2008年に『テル・テイル・サインズ』からシングルカットされた「Dreamin' of You」のB面にも収録されました。

Bob Dylan - Tell Tale Signs (Rare And Unreleased 1989-2006) / Dreamin' Of You (2008, CD) | Discogs

なお、前述した『テル・テイル・サインズ』デラックス版のボーナスディスクに、同じ2004年のボナルーで録音された「Cold Irons Bound」がありますが、これは他に収録がないようです。

44. I and I (Reggae mix, 2004)

オリジナルは、1983年のアルバム『Infidels』収録曲。

Is It Rolling Bob? A Reggae Tribute to Bob Dylan

Is It Rolling Bob? A Reggae Tribute to Bob Dylan

2004年のレゲエによるカバー集『Is It Rolling Bob?』に本人歌唱で1曲だけ収録されたダブです。

45. Most Likely You Go Your Way and I'll Go Mine (Mark Ronson remix, 2007)

1966年のアルバム『Blonde on Blonde』の収録曲で、邦題は「我が道を行く」。

Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)

Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)

2007年のベスト盤『Dylan』のプロモーションとして、マーク・ロンソンのリミックスがシングルのみでリリースされました。前述した「入江に沿って」のライブが収録されているシングルです。

Dylan (22 track Digital Only Version + Digital Booklet)

Dylan (22 track Digital Only Version + Digital Booklet)

「Tryin' to Get to Heaven」の項目で説明した同ベスト盤のデジタル向けボーナストラックでダウンロードできるようです。ちなみに残り2曲のボーナスは『DYLAN ALIVE!』収録のライブ録音のようです。

46. Love Sick (Victoria's Secret remix, 2004)

このリストに何度も登場してきた「Love Sick」ですが、1998年のアルバム『Time Out of Mind』収録曲です。

米国のファッションブランド「ヴィクトリア・シークレット」が2004年に展開した広告にディランが登場しており、関連して制作されたプロモーション用の編集盤にリミックスが収録されています。

47. Masters of War (The Avener rework, 2018)

1963年のアルバム『The Freewheelin' Bob Dylan』代表曲で、邦題「戦争の親玉」というタイトルが示すように、メッセージ性の強いプロテストソングです。

MASTERS OF WAR [7 inch Analog]

MASTERS OF WAR [7 inch Analog]

フランスのエレクトロ音楽プロデューサーThe Avenerがリワークしたバージョンが、2018年3月に配信リリースされました。


Bob Dylan - Masters of War (The Avener Rework) Official Video - YouTube

リリックビデオも公開されています。

48. He's Funny That Way (cover, 2018)

ジーン・オースティンが1929年にヒットさせたスタンダード「She's Funny That Way」のカバーです。2018年4月リリースの6曲入りカバー曲集『Universal Love』に提供されました。

この曲はビリー・ホリデイのような女性がカバーするときに「He's ...」と歌われてきましたが、今回は同性カップルのウェディングソングというコンセプトに沿って、歌い手と対象が同じジェンダーになるようカバーしています。

Various Artists: Universal Love: Wedding Songs Reimagined EP Album Review | Pitchfork

参考資料:レア曲が多いベストとコンピとライブ盤

この記事はフルスクラッチではなく、参考にした未発表曲のリストがいくつかあります。まず、ウィキペディアに掲載されていた失われた楽曲(Missing songs)の12トラックが、そもそものネタ元になっています。

Bob_Dylan:_The_Complete_Album_Collection_Vol._One#Missing_songs

それからレアトラックが多めのコンピレーションや配信アルバムなども参考にしました。そういったアルバムをまとめて紹介します。

バイオグラフ、グレーテスト・ヒット第2集、サイド・トラックス

記事中で『サイド・トラックス』というコンピレーションを紹介しました。

www.sonymusic.co.jp

上記の公式サイトで解説されているように、既存のコンピに収録されていたシングル曲や未発表曲が多く、2枚組全30曲のうち26曲は往年のベスト・コンピからの再収録です。

  • Watching the River Flow (A-side single, 1971)
  • Tomorrow Is a Long Time (live at New York's Town Hall, 1963)
  • When I Paint My Masterpiece (new song, 1971)
  • I Shall Be Released (new song, 1971)
  • You Ain't Goin' Nowhere (new song, 1971)
  • Down in the Flood (new song, 1971)

『グレーテスト・ヒット第2集』には、1971年にレコーディングされた新曲を中心に6曲のオリジナルアルバム未収録曲があり、そのすべてが『サイド・トラックス』にも再収録されています。

  • Baby, I'm in the Mood for You (The Freewheelin' Bob Dylan outtake, 1962)
  • Mixed-Up Confusion (A-side single, 1962)
  • Lay Down Your Weary Tune (The Times They Are A-Changin' outtake, 1963)
  • Percy's Song (The Times They Are A-Changin' outtake, 1963)
  • I'll Keep It with Mine (Bringing It All Back Home outtake, 1965)
  • Can You Please Crawl Out Your Window? (A-side single, 1965)
  • Positively 4th Street (A-side single, 1965)
  • Jet Pilot (Blonde on Blonde outtake, 1965)
  • I Wanna Be Your Lover (Blonde on Blonde outtake, 1965)
  • I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met) (live at the ABC Theatre Belfast, 1966)
  • Visions of Johanna (live at The Royal Albert Hall, 1966)
  • Quinn the Eskimo (The Basement Tapes track, 1967)
  • Forever Young (demo recoerding, 1973)
  • You're a Big Girl Now (Blood on the Tracks outtake, 1974)
  • Up to Me (Blood on the Tracks outtake, 1974)
  • Abandoned Love (Desire outtake, 1975)
  • Isis (live at the Montreal Forum, 1975)
  • Romance in Durango (live at the Montreal Forum, 1975)
  • Caribbean Wind (Shot of Love outtake, 1981)
  • Heart of Mine (live in New Orleans, 1981)

1985年の『バイオグラフ』からは上記の20曲が再収録されています。

  • George Jackson (Acoustic version)
  • Series of Dreams (Single edit, 1989/1991)
  • Dignity (alternate version, 1989)
  • Things Have Changed (original soundtrack, 2000)

残る4曲について、この記事で紹介しています。

The Bootleg Series, Vol. 4: Bob Dylan Live, 1966: The

The Bootleg Series, Vol. 4: Bob Dylan Live, 1966: The "Royal Albert Hall Concert"

なお『バイオグラフ』のレアトラックで『サイド・トラックス』に再収録されなかったのは、いわゆる『ロイヤル・アルバート・ホール』ライブの「It's All Over Now, Baby Blue」と、前述の「The Groom's Still Waiting at the Altar」です。

Masterpieces(傑作)

続いて、何度も登場した『Masterpieces』収録のレアトレックについてまとめておきましょう。アナログLPのC面にレアな7曲が収録されています。

  • Positively 4th Street (single 1965)
  • Can You Please Crawl Out Your Window? (single 1965)

うち2曲は『バイオグラフ』つまり『サイド・トラックス』に収録。

  • Mixed-Up Confusion (alternate take, 1962)
  • Just Like Tom Thumb's Blues" (live version recorded at Odeon Theatre, Liverpool, England, May 14, 1966, B-side of 1966 "I Want You" single)
  • Spanish Is the Loving Tongue (Traditional, B-side of 1971 "Watching the River Flow" single)
  • George Jackson (Big Band" version, single, 1971)
  • Rita May

この5曲をこの記事で紹介しました。

Rare Tracks from the Vaults

『サイド・トラックス』と似た『Rare Tracks from the Vaults』というレアトラック集が、2006年にiTunesで配信されていました。

Bob Dylan: The Collection - Wikipedi

現在もう販売されていませんが、それまでに米国で正式リリースされた全アルバム、700曲以上からなるコンプリート・コレクションのボーナス・アルバムで、収録トラックは以下の42曲でした。

# タイトル 収録アルバム
1 I Was Young When I Left Home (1961) No Direction Home / Love and Theft (Limited edition)
2 Wade in the Water (1961) Live 1961–2000
3 Handsome Molly (live, 1962) Live at The Gaslight 1962
4 Baby Please Don't Go (1962) Exclusive Outtakes From No Direction Home
5 The Times They Are A-Changin' (live, 1963) Live at Carnegie Hall 1963
6 Ballad of Hollis Brown (live, 1963) Live at Carnegie Hall 1963
7 Boots of Spanish Leather (live, 1963) Live at Carnegie Hall 1963
8 Lay Down Your Weary Tune (live, 1963) Live at Carnegie Hall 1963
9 North Country Blues (live, 1963) Live at Carnegie Hall 1963
10 With God On Our Side (live, 1963) Live at Carnegie Hall 1963
11 Mr. Tambourine Man (live, 1964) Exclusive Outtakes From No Direction Home
12 To Ramona (live, 1965) Live 1961–2000
13 Outlaw Blues (Acoustic version, 1965) Exclusive Outtakes From No Direction Home
14 Just Like Tom Thumb's Blues (1966 B-Side version) アルバム未収録シングル
15 I Ain't Got No Home (live, 1968) A Tribute to Woody Guthrie, Part 1
16 The Grand Coulee Dam (live, 1968) A Tribute to Woody Guthrie, Part 1
17 Went to See the Gypsy (1970) 配信限定シングル / Another Self Portrait
18 George Jackson (Acoustic version) アルバム未収録シングル
19 George Jackson (Big Band version) アルバム未収録シングル
20 People Get Ready (live, 1975) 4 Songs from "Renaldo and Clara (Promo EP)
21 Never Let Me Go (live, 1975) 4 Songs from "Renaldo and Clara (Promo EP)
22 Rita May (1977 B-Side version) アルバム未収録シングル
23 Dead Man, Dead Man (live, 1981) Live 1961–2000
24 I and I (Reggae mix, 2004) Is It Rolling Bob
25 Night After Night Hearts of Fire (Soundtrack, 1987)
26 Pretty Boy Floyd Folkways (tribute, 1988)
27 Cold Irons Bound (live, 1997) Love Sick EP / Live 1961–2000
28 Born in Time (live, 1998) Love Sick EP / Live 1961–2000
29 Somebody Touched Me (live, 2000) Live 1961–2000
30 Country Pie (live, 2000) Live 1961–2000
31 Things Have Changed (live, 2000) Live 1961–2000
32 Return to Me The Sopranos (Soundtrack, 2001)
33 Waitin' for You Divine Secrets of the Ya-Ya Sisterhood (Soundtrack, 2002)
34 Man of Peace (1987, rehearsal) Postcards of Hanging (The Grateful Dead album)
35 'Cross the Green Mountain Gods and Generals (Soundtrack, 2003)
36 Gonna Change My Way of Thinking (with Mavis Staples, 2003) Gotta Serve Somebody: Gospel Songs Bob Dylan
37 Down in the Flood (live, 2002) Masked and Anonymous
38 Diamond Joe (live, 2002) Masked and Anonymous
39 Dixie (live, 2002) Masked and Anonymous
40 Cold Irons Bound (live, 2002) Masked and Anonymous
41 Love Sick (2004 Remix) Lovesick (Victoria's Secret)
42 Tell Ol' Bill North Country (Soundtrack, 2005)

この記事で紹介した音源などにはボールドをかけています。ほかは、ほぼディラン本人の販売されているライブ盤や編集盤の収録曲です。

Mr. D's Collection #1, #2, #3

最後に、日本限定でリリースされたプロモーション用のレアトラック集です。収録曲のみ掲載します

Mr. D's Collection #1(LP、1974)

  1. I'm So Restless - Roger McGuinn (from his first self-named solo album / harmonica)
  2. I'll Fly Away - Carolyn Hester (from her self-titled album / harmonica)
  3. Mixed Up Confusion ("Biograph" version)
  4. From a Buick 6 (original version)
  5. George Jackson (Acoustic version)
  6. Can You Please Crawl Out Your Window?
  7. Just Like Tom Thumb's Blues (live, single B-side version)
  8. Spanish is The Loving Tongue (single B-side version)
  9. Nashville Skyline Rag (from "Earl Scruggs Performing with His Family and Friends")
  10. George Jackson (Big Band version)

Mr D's Collection #2(EP、1976)

  1. Mixed Up Confusion ("Biograph" version)
  2. Just Like Tom Thumb's Blues (live version, B-side of single)
  3. Can You Please Crawl Out Your Window?
  4. George Jackson (Big Band version)

Mr D's Collection #3(CD,1993)

  1. Just Like Tom Thumb's Blues (live version, B-side of single)
  2. I Ain't Got No Home (from Woody Guthrie Tribute)
  3. The Grand Coulee Dam (from Woody Guthrie Tribute)
  4. George Jackson (Big Band version)
  5. George Jackson (Acoustic version)
  6. Rita May
  7. People Get Ready (from Renaldo & Clara)
  8. It Ain't Me Babe (from Renaldo & Clara)
  9. Never Let Me Go (from Renaldo & Clara)
  10. Dead Man, Dead Man (live, 1981)
  11. The Usual ("Hearts of Fire" original soundtrack)
  12. Pretty Boy Floyd (from "Folkways: A Vision Shared")

Photo by ser... ser.... cc by-nd Some rights reserved.

*1:1961年以前のホームレコーディング音源はどうした? という方もいるかもしれませんが、前述したように公式にリリースされている音源は初出がブートレッグ・シリーズだったり『ライヴ! 1961-2000』だったりするため、そのレア音源集をふつうに買えば初出時から現在までふつうに手に入る状態にあるという意味で、この記事では拾っていないのです。

*2:リリース日の特定には https://www.discogs.com/release/2777363 などを参考にしました。