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表参道で働くシニアのブログ

そろそろ「エスカレーターは片側をあけない」問題について(ry

  1. エスカレーターは「片側をあけない」のがマナー? - エキサイトニュース - 2007-08-17
  2. はてなブックマーク - エスカレーターは「片側をあけない」のがマナー?
  3. 煩悩是道場 - そろそろエスカレーターの歩行について考えてみよう

をひととおり読んで、それに関連していつもつらつら考えてることがあるのでちょっとまとめてみた。

エスカレーターを歩くひと歩かないひと

なんでひとが階段じゃなくってエスカレーターを使って上り下りするかというと、まあ深い地下駅なんかでは階段がなくってエスカレーターを使わざるを得ないときもあるけど、そういうケースを除けば、一般には2つの理由があるんじゃないかとおもうんですよ。

  1. 楽をしたい
    歩くのタリー!
  2. 急いでる
    電車に乗り遅れるんじゃボケ!

っていう感じで、これはひとの欲望としてはもう正反対だと思うんですね。まったく逆なんですよ。楽したいから(あるいはケガとかいろんな理由から)体を動かさないで移動したいというこのまたーり気分と、とにかく十数段の階段ですら止まってられないほどスピードを要求されている企業戦士のみなさんでは、ぜんぜん欲求が違うはずなんですよね。

その違うひとたちが、おなじエスカレーターという機械に乗り合わせるわけですから、これは対立が起きて当然なわけです。すんごい急いでるビジネスマンは、2人ならんでぺちゃくちゃおしゃべりしてるおばさんの後ろに付いたりすると「チェッ!」と舌打ちひとつ打ちたくなるでしょう。

余談ですが僕はその逆の?パターンを見かけたことがあって、子連れのひとが子どもを2人横に並ばせてエスカレーターに乗せてたんですね。で、親自身はその後ろに立ってた。ぼくはそのちょっと後ろにいたんですが、けっこう長いエスカレーターで、東急の二子玉川駅なんで行ったことあるかたはわかると思いますが、だいたいホームまで3フロア分くらいの高さがある。もう少しでホーム着くよくらいのときに、後ろから急いでるおばさんが右側をすごい早足でのぼってきて、でも子どもが2人並んでるから、そこから先は歩いていけないからちょっとだけ止まっちゃったんですね。そしてホームに着いたところで、子どもをかわして追い抜いてったんですが、その瞬間に発車ベルが聞こえたんで、どうやらそのおばさんは大井町線に乗り損ねてしまったみたいなんです。乗り遅れたおばさんはホームの真ん中からすごい形相でこっちを、というかその親子連れをにらんでてちょと怖かったです。僕は「そんなに急いでるならエスカレーターじゃなくて階段を駆け上がりゃよかったじゃないか!」と言ってやりましたよ。心の中で。

エスカレーターの片側を空けるのは「バッドノウハウ」じゃね?

といったことを考えると、エスカーレーターの「片側を空ける」というのは、マナーというよりも、対立する欲求を解消するためのバッドノウハウみたいなもんなんじゃないかとおもうんですね。ululunさんも書いてますけど、エスカレーターってそもそもそんな何分も長々と乗ることはそう無いわけで、そんなちょっとの間を立ち止まろうが歩こうが本来は別に大きな変わりはないはずなんですよ。

でも首都圏のラッシュアワーとか、とくに山手線なんかは毎分のように電車が出入りしますから、そういう大量の人間がとにかく急いでるという状況では「片側を歩く」ことがたいへん重要になってくる。そういう状況下で生まれた知恵というか、慣習というか、そういうものだとおもうんですよね。

だから、通勤時間帯の駅のように、楽をしたいひとより急いでるひとが多いんじゃないかというところでは、エスカレーターの片側を空ける、というのはとても有効な習慣として根付いてるし、鉄道会社やエスカレーター協会の思惑にかかわらず、これからもそれが続いていくだろうとおもいます。

楽したいひとが多いときは、空けなくていいんじゃね?

だけど、ときおりそれが行き過ぎだと思うことがあって、それは、休日の地下街とかショッピングモールとか、明らかに急いでるひとよりまたーりしたカップルとか親子連れとかが圧倒的に多い場所でも、みんなそれが「マナー」だと思ってるからでしょうけど、エスカレーターの片側をちゃんと空けちゃってることがあるんですよね。

そうするとどうなるかというと、エスカレーターの乗り口のところに片側だけ行列が出来ちゃったりするのを見たことないですか? 右側はガラ空きなんですよ。たまに歩く人がいるけど基本的に誰もつかってなくて、でもそっちは空けるのが「マナー」だと思ってるから、すごいたくさんのひとがエスカレーターに乗りたいのに、みんな左側に固まってて、エスカレーターに乗るためにちょっとした行列になってることがある。

これは本末転倒だと思うんです。休日でみんな楽をしたいんだから、楽をしたい人の方が多いんだから、そんなときまで右側を無理に空けなくてもいいと思うんですよね。エスカレーターに乗りきれなくて左側に行列ができてるんだから、そういうときには右側も立ち止まって乗っていいんじゃないかと思うんですけど、僕も日本人なんで「こいつ迷惑だぜ」って思われると心外だナーとか細かいことを考えてけっきょく左側に乗るために列に並んだりして自分の小ささを実感したりしてます。

だからこの項の結論としては、エスカレーターでは「片側を空ける」のがマナーという雰囲気がなんかちょっと強く浸透しすぎちゃってるんじゃないか、行き過ぎじゃね? ということです。「片側を空ける」のはいつでも有効な絶対的なマナーじゃぜんぜんないと思うんですね。あれは駅とかオフィスビルとかそういう急いでるひとが多い場所では有効だけど、休日のショッピング街では右側を立ち止まっててもいいじゃん、ってことがもっと浸透すると楽なんだけどなーということでした。