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表参道で働くシニアのブログ

読んだ - 日本の歴史をよみなおす/網野善彦

日本の歴史をよみなおす (ちくまプリマーブックス)

日本の歴史をよみなおす (ちくまプリマーブックス)

おもしろいなー

1章「文字」の一部+4章で、中世の女性が文化的にも社会的にも豊かで高度だったのではという指摘:

女性が早くから独自の文字(注:平仮名)を用いていたということは、日本文化の問題を考える場合、非常に重要な点でして、女流の作家が『枕草子』『源氏物語』以来、(略)連綿と書かれているのは、もちろんそんことが前提になっています。しかし、前近代に女性がこのようなすぐれた文学を多く生み出した民族が、はたして世界にあるのかどうか。私はおそらくほかにはないと思いますが、なぜ女性がこのような役割をはたしえたのか、(略)
それはともかく、平仮名はまず女性の文字として用いられ、それを男性が取り込むような形で普及していったわけです。男性は、平安・鎌倉時代はもちろん室町時代、さらに江戸時代まで、公的な世界では漢字を主として使っています。

ってのを読んでて、なんでか現代日本の同人誌界隈での女性の創作活動の旺盛さを連想してみたりした。いや、おたくとか同人誌とかって、語りたがるのは男が多かったからか電車男っぽい男オタクの姿がメディア的にはメジャーなんだろうけど、なんかオレの印象としては圧倒的に女子が多いというか、女性文化の一貫という感じがするんだよね。それで平安女性文学における「ひらがな」のような女性独自の感覚が、アニパロややおい時代からいまのBL・腐女子まで一貫してあるようにおもうんだよなあ。たとえばある種の「萌え」の感覚というか。上手く言葉にできないけど、そんな感じ。

この本そのものの感想は続編もこれから読むのでそのあとで書けたらいいな。