NHKスペシャルでも取り上げられた音楽家、佐村河内守氏が実はゴーストライターに頼んでいたという問題、代筆した新垣隆氏はアカデミックな音楽の世界ではよく知られた人物らしく、音楽家を中心にその人となりや作品、今回のゴーストライティングについて書かれたブログがいくつかあり、興味深かったのでまとめておく。
2014-02-06
聴くことの困難をめぐって - ゲンロンスタッフブログ![](//b.hatena.ne.jp/entry/image/http://genroninfo.hatenablog.com/entry/2014/02/06/155640)
僕にとってむしろ衝撃だったのは、ジョン・ケージやマウリツィオ・カーゲル、もしくはフランコ・ドナトーニあたりを意識した、沈黙と引用とパフォーマンスからなるポストモダンの諧謔性の領域を探究していた一人の作曲家、すなわち新垣隆が、もう18年もの間、他人の名義で、1960年代ぐらいまでの日本の現代音楽の主流な作風をそのままなぞったような作品を書き続けていたこと ……続きをブログで読む
ゲンロンカフェの仲山ひふみ氏が、新垣氏の作風を元に論じた記事。ちなみに新垣氏自身の作品は、こういった現代音楽(声楽家・松平敬氏が公開している動画)。
2014-02-06
新垣隆くんのこと - 笠松泰洋の作曲家日記 - Yahoo!ブログ![](//b.hatena.ne.jp/entry/image/http://blogs.yahoo.co.jp/synlogue/37692094.html)
作曲家、笠松泰洋氏のブログ。
今日発売の週刊文春に告発をしたのは、三善晃先生の同門でもあり、私も知っていて、作品も何度も聴いていて、お話も少しだけどしたことのある新垣隆さんだったからだ。本当に音楽一筋、しかも、とても純粋で、お金や地位ということを求めないタイプのいい人である。なかなか厳しい作曲をする現代音楽の作曲家で、ピアニストでもある。
才人の鈴木優人さんと共にアンサンブルジェネシスというグループを作り、古楽と現代音楽が同じプログラムに入る意欲的な活動もしていた。
2014-02-07
森下唯オフィシャルサイト » より正しい物語を得た音楽はより幸せである ~佐村河内守(新垣隆)騒動について~![](//b.hatena.ne.jp/entry/image/http://www.morishitayui.jp/samuragochi-niigaki/)
ニコニコ動画のピアニート公爵としても知られるピアニスト森下唯氏のブログ。
端的に言ってその音楽は、丹精込めて仕上げられた工芸品のように思われた。真っ当にクラシック音楽の教育を受け、あらゆる作曲技法に長けた知性に優れる人間が、都度つど何らかの書法の制約を自らに課しながら書き上げたものだと「わかった」。(中略)聴覚を失った後に真実の音に目覚め、それまでの楽曲を全て破棄した元ロック・ミュージシャンが、常に轟音の鳴り響く中で霊感の降臨を待って作り上げた物とは、到底考えられない。
今回の新垣氏の暴露についてである。これはもう、腑に落ちた。なるほど、あの音楽はそのようにして生まれたものだったのか、と納得がいった。これを知った上でなら、音楽を素直に聴ける気がしたのだ。なぜなら、少なくとも新垣氏は作品に嘘を混ぜていないとわかったから。
2014-02-07
またS氏騒動・長文多謝: 隠響堂日記 - 作曲家:吉松隆の21世紀音楽界諦観記![](//b.hatena.ne.jp/entry/image/http://yoshim.cocolog-nifty.com/tapio/2014/02/s-cf5e.html)
あの《交響曲》自体は「人を騙してやろう」という思って書いたにしてはあまりに「誠実」な響きがするのが気になっていた。(略)
そもそも、あの「交響曲」が書かれた時点(2003年頃)では、「売れる」どころか長すぎてコンサートでも全曲演奏が不可能な状態だったのだ。もちろんCD化の話も皆無だったはずだから、どこからもお金が入ることもなく、完全な大赤字だったはず。あれは確かに(売れない作曲家が二人で共同制作した)純粋に音楽的な熱意によって生み落とされた真摯な交響曲と言っていいと思う。
吉松隆は、ほかに「S氏騒動」「続S氏騒動」「しつこくS氏騒動・交響曲編」「ひとまずS氏騒動」「なるほどS氏騒動」と、計6本の記事を書かれていて、その3本目。
2014-02-08
偽ベートーベン事件の論評は間違いだらけ あまりに気の毒な当代一流の音楽家・新垣隆氏:JBpress(日本ビジネスプレス)![](//b.hatena.ne.jp/entry/image/http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39905)
作曲家、伊東乾氏の記事。ブックマークコメントでは内容より書きっぷりが話題になっているようす。続くらしい。
新垣隆君は、日本で芸術音楽の作曲に関わる者で知らない人のない、彼の世代のトップランナーの1人として20代前半から注目されてきた芸術家です。
プロフェッショナルのピアニストを養成するうえで最も高度に教育指導できるピアノの教授者で、何千人という学生が彼の教えを受けてピアノ科出身者としてプロの仕事をしています。音楽家としての彼の挌は国際的に見ても超一級の折り紙がつけられるでしょう。
文中でアカデミックな芸術音楽に対するポピュラー音楽の例に「あまちゃん」のサントラが挙げられてたけど、新垣氏の作品をAmazonで探してたら「あまちゃん」の大友良英さんの作品といっしょに収録されたCDがあった。まったく偶然だろうけどおもしろかった。
![糸 糸](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51uKFSb8g1L._SL160_.jpg)
- アーティスト: 糸,野村誠,大友良英,高橋悠治,新垣隆,武智由香
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ついでにCDをいくつか。こちらではピアノを弾いてるようだ。
![CD 唱歌の四季 三善晃の2台ピアノ伴奏による合唱作品集 山田和樹指揮/東京混声合唱団 CD 唱歌の四季 三善晃の2台ピアノ伴奏による合唱作品集 山田和樹指揮/東京混声合唱団](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61F5t%2BoZa2L._SL160_.jpg)
CD 唱歌の四季 三善晃の2台ピアノ伴奏による合唱作品集 山田和樹指揮/東京混声合唱団
- アーティスト: 東京混声合唱団,東京大学柏葉会合唱団OB・OG有志,山田和樹,宗左近,高野辰之,三善晃,中村雨紅,中嶋香,中川俊郎,篠田昌伸,新垣隆
- 出版社/メーカー: フォンテック
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こちらもピアノ。
![見えない笛 見えない笛](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51dljaN-KLL._SL160_.jpg)
- アーティスト: 遠藤剛史,新垣隆
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こちらのCDにいたっては曲を提供してるらしいけどクレジットからしてどういうことなのかさっぱりわからなくて興味ありすぎる!
![トキノコダマ2 (世紀の谺) トキノコダマ2 (世紀の谺)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61sYiAdwEmL._SL160_.jpg)
- アーティスト: 曽我部清典,中川俊郎,新垣隆,一ノ瀬響,ヲノサトル,川島素晴,三輪眞弘,鈴木治行
- 出版社/メーカー: ALM RECORDS
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3. 夕ひが丘の総理大臣+α/新垣隆〈時代遅れの恋人達+スイートメモリー(筒美京平)〉
その他、関連記事など
講師として勤める大学に対して寛大な対処を願う署名活動が集まっている。
キャンペーン | 新垣先生に寛大な対処をお願いします。 | Change.org
私たちは先生の優しい人柄にふれ、音楽を愛することの素晴らしさを感じ、謙虚に生きることの大切さを学びました。また先生は、ひとつの音符たりともおろそかにする方ではないことを私たちは存じております。
鬼武者のサントラ収録時、指揮をした 新垣隆による楽曲解説(当時、佐村河内守の作曲)と寄せ書き
(はてな匿名ダイアリー)
ブックマークコメントによると新垣氏は自筆を否定しているという話もあるようだけど……?