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表参道で働くシニアのブログ

「音楽の本の本」と「嗚呼、名盤」読んだ

2冊とも湯浅学さん関係の本で、湯浅さんつながりで揃って読もうとしたんだったかもう忘れてしまったけど年末年始の休みで集中して読んだ。「嗚呼、名盤」は音楽を紹介している本で、「音楽の本の本」は音楽を紹介している本を紹介しているオムニバスの本だ。

湯浅学「嗚呼、名盤」

レコード・コレクターズ増刊 嗚呼、名盤

レコード・コレクターズ増刊 嗚呼、名盤

ポピュラー音楽の音盤コレクター向け情報誌「レコード・コレクターズ」の連載をまとめたムック。1996年から2004年までというから10年以上前で刊行も2006年だから巻末に川勝正幸さんとの対談も掲載されている(とくに貴重な対談というかんじではない)。

いわゆる「名盤」とされているレコードをあらためて聴きなおしてレビューするというコンセプトで、100枚が紹介されている。並び順が掲載順から変えてあって、アーチストの五十音順になってた。これが違和感あって、並び替えるなら年代順になってたほうがポピュラー音楽の変遷もわかって便利なんじゃないかとおもったんだけど、読み進めるうちにわかった。ほとんどが70年代の音盤なので、年代順にする意味もあまりないのだ。

1957年1月生まれ(ウィキペディア調べ)の湯浅さんが高校から大学にかけて。ちなみに1972年からはデヴィッド・ボウイ「ジギー・スターダスト」、ディープ・パープル「イン・ジャパン」、ドクター・ジョン「ガンボ」、ロギンス&メッシーナの1枚目、オージェイズ、トッド・ラングレン、レオン・ラッセル、カーリー・サイモン、スレイド、テンプテーションズ、エドガー・ウィンターの10枚を見つけた。

一番新しいので、1985年のZZトップ「アフターバーナー」(エレカシのgood morningの元ネタになったみたいなジャケのやつ。サウンドもそうかも)とウィー・アー・ザ・ワールドだから30年前。古いのはミンガス「直立猿人」(1956)だった。

ロック青年がどういった音楽の聴き方をしていたのか? 文化祭で何をコピーして、何派があったのか、などが語られていて、それがまた面白い。楽曲やバンドを理解する上で必要な情報や音楽的な時代背景に、湯浅さん独自の視点、さらに個人史や思い出めいたものが上手いこと絡みあってて、こういう味わいはこのひとにしか出せないよなあと感心しながら読み終えたけど、それならそれで年代順になってれば湯浅学音楽史だったかもと後からおもった。

ちなみに100枚中、聴いたことがあったのは32枚だった。いま手元にCDあるやつってなるともっと圧倒的に少ない。パープルのイン・ジャパンあたりは友達んちで麻雀しながら聴いた記憶しかない。

「音楽の本の本」

音盤時代の音楽の本の本

音盤時代の音楽の本の本

  • 作者: 大谷能生,湯浅学,佐々木敦,高橋健太郎,杉本拓,高橋悠治,野田努,千葉優子,野村和孝,松永良平,松村正人,三田格,四方田犬彦,小田晶房,若尾裕,恩田晃,北沢夏音,岸野雄一,木村元,工藤冬里,浜田淳
  • 出版社/メーカー: カンゼン
  • 発売日: 2012/02/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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長々となったので2冊いっしょに紹介しようとおもった「音楽の本の本」についてはさらっと済ませるけど、こっちは2012年の新しい本。クラシックからポピュラー、純邦楽まで、渋谷陽一から中村とうようまで幅広くいろんな視点で、ときにはこっちとあっちで正反対な見方だなって切り口で「音楽の本」が紹介されてて面白かった。

とはいえ推薦図書として挙げられた100冊ほどのなかで、読んだことあるの4冊しかなかったし、黒澤進さんの著作集出てたの知らなかった。読んどこう。

Hotwax責任編集 黒沢進著作集 Susumu kurosawa Works volu.1

Hotwax責任編集 黒沢進著作集 Susumu kurosawa Works volu.1