id:jkondoがシリコンバレーから帰ってきてそのままはてな開発陣ごと京都に戻っちゃうというのでちょっとした話題になってます。
で、割と驚いてたり「なんで?なんで?」って言ってるひともいるみたいですけど、id:tomozo3さんも指摘してるように(d:id:tomozo3:20080215:1203047031)、2年前に出た『「へんな会社」のつくり方』にまったく同じこと言ってるんですよね。なんかそのときのまんまなので逆に近藤さんらしいブレの無さだなあと笑ってしまいました。
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- 発売日: 2006/02/13
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――俗っぽい質問ですけど、六本木ヒルズにオフィスを持ちたいと思いますか? 今や「IT・ベンチャー・急成長」の三題話の行き先は六本木ヒルズっていうことになっていますよね。
昔は思ってました。京都から出て来るときに、ヒルズっていくらするんだろうって。
――へええ。少し意外です。調べました?
調べなかったです。知らないけど「広いのかな? 狭いのかな?」って。
――思っただけ(笑)。
今、例えば京都から東京に駒を進めて、このすごろくの行き先をどこに置いているのかという話をすると、ま、ヒルズじゃないなと。
――シリコンバレーですか?
そうですね。シリコンバレーに行って、京都に戻りたいなと。
――(笑)
なぜ京都に戻るのか
京都に戻る理由にもブレが無いです。
まず『「へんな会社」のつくり方』から近藤さんの発言。
日本国内でシリコンバレーになれる土地って、京都だけじゃないですか。僕はそう思っているんです。
いやね、東京に来て、ちょっとサービスが小ぶりになっているように思うんですよ。たぶん時間の流れ方とか忙しさとかのせいなんです。もう少し時間の流れがゆっくりした場所が必要だなっていうので、あがいて合宿行ったりなんだかんだしてるんです。
京都って情報は少ないですけど、それがよかったのかな。なので「京都の拠点」とか「アメリカの拠点」みたいなのがあると面白い。
今、広告の収益は重要ですから、代理店とか、実際に広告を決済する本社がある地域にいないと営業が成り立たないっていうのは明らかです。だから、営業は東京にずっとい続けると思うんですよ。全員が全員、別に京都に行きゃいいっていうものでもない。
でもそれと、面白いもの・新しいものをゼロから作るっていう作業に適切な場所って全然違う。それぞれのベストな場所っていうのをうまく組み合わせるのがいいのかな。
これはプレスリリースに簡潔に1行にまとまってるこれと同じですね。
ものづくりに集中するためには創業の地である京都が最適であると考えました。
【プレスリリース】株式会社はてな、本社を京都に移転、ものづくりの拠点を結集 - はてなプレスリリース - 機能変更、お知らせなど
考えていることはずっと一貫して「ものづくり」なのです。
- 作者: 近藤淳也
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2006/02/13
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じゃあなぜ東京に出て来たの?
それじゃあ最初から京都にいれば良かったじゃんという気もしますが、なぜ京都から東京に出て来たのか? それはまさに東京移転直後の2004年4月7日にインタビューにお伺いした*1『はてなの本』という本に収録されたインタビューで、近藤さん自身が語っています。
これも引用してみましょう(サイドBの42ページです)。
尊敬できる経営者の方とか、つきあいたい会社の数の数が、京都と東京で違いますね。東京に来てから意識的にそういう人たちとお会いしてるんですけど、圧倒的に多いわけです。そういう環境の中で目指すべき次の道のモデルを探ったり、刺激を受けたりしたいということで。
今までのはてなのこれまでの知識とか技術力、京都という環境の中で、どこまでやっていけるのかという範囲と、東京に移ってきてできることの範囲は違いますね。
実際お会いしてみると「この人はやっぱりすごいなあ」というのがあるじゃないですか。こういう人になりたいって思うからこそがんばる、というところもあると思うんですが、そういう人の数が多いのは、耐えがたい魅力ですよね。
具体的に「この人を慕って」というわけじゃないんですけど、直感的にそろそろ、そういう方とお会いしなくちゃいけないだろうって思っていて、それは確信に近くなりつつあります。
こちらに来たその日にもうライブドアの宮川さんと飲んだんですよ。そこにココログの伊藤さんも来たりとか、集まっていろいろしゃべってたんですけど、これは面白い。会話の内容をわかってくれる人がいて、本当にうれしいなあ、と思いましたね。
ご存じのように「ライブドアの宮川さん」は現Six Apartであってアメリカ西海岸在住であり(国内滞在説も根強くありますが)、「ココログの伊藤さん」はもちろん現はてなCTOである。もはや東京にいる意味はそれほど無いのかもしれない*2。
そのほか学生時代に遡ってたっぷり3万字のインタビューを掲載していますので、もし本屋で出会うことがあれば(4年前の本なのでなかなかもう置いてないとは思いますが、Amazonには在庫あります!)、手にとっていただければ幸いです。
- 作者: 田口和裕,松永英明,上ノ郷谷太一
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今後の予定
ちなみに『「へんな会社」の作り方』によると、京都に戻ったあとは新社屋ビルを建てることになってますね。
そういえば最近「新社屋案」っていうものが僕の中にむくむくとふくらんでいまして。
――なんですかそれは?
新しいはてなのロゴって、ブロックみたいなものを積んでるじゃないですか。はてな型になっている。これはレゴブロックを積んで考えたんですよ。
これを、京都の西山の京都大学の工学部(桂キャンパス)ができたあたりにドカーンって建てたい。低層で。(中略)
それで、光る。どうせなら光らせたい。ガラスで「はてなマーク」を築いて、夜になると「大文字(だいもんじ)ならぬ「はてな文字(はてなもんじ)」が光る。すごくいいと思いません? 五山の送り火の六個目が「はてな」だって(笑)。
――京都駅降りて「はてなさん、どこですか?」って訊くと、「あれ、あれ」って指差して教えてくれそうですね。
さていつのことになるでしょう。意外と再来年くらいだったりしてw
もちろんデザインはこれで↓
ほな、おおきに。
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