in between days

表参道で働くシニアのブログ

Perfumeが売れたきっかけが何か?が重要なのではなくそれが特定できないほど同時多発的に周辺からムーブメントが起こっていたということが重要

昔からのPerfumeファンの人に、Perfumeが売れたきっかけは何か?と質問したら、木村カエラかなーと言われた。その時まで知らなかったのだが、木村カエラが2007年4月にラジオでずっとプッシュしていたそうだ。(略)

ネットで見かけるPerfumeの記事では、みんなニコニコ動画のアイマスMADの話しかしないからだまされていたよ!

Perfumeが何がきっかけで売れたか? - ARTIFACT@ハテナ系

ってことなんだけど、オレは逆に「アイマスMAD」ってのの存在は知らなかったですよ。ゲームぜんぜんやらないしMADもあまり見ないので。でも木村カエラが推してたってこともこのまえのMステではじめて知った。

じゃあどこでPerfumeを知ったかというと、まあACの広告はあるけど、メインはブックマークでも指摘されてるようにライムスターの宇多丸さんとか掟ポルシェといったアイドル歌謡通の人たち活動からってところが大きいなあ。知り合いのmixi日記とかブログとかでも、アイドル歌謡に強い人たちがすごく盛り上がってるという印象があった。

あとはそれと被るところもあるけど、いわゆるアキシブ系みたいな下地があって、そっち方面に強いひとも話題にしてたという印象。カプセル/中田ヤスタカを追ってPerfumeに至ったみたいな。

だからそういういろんな経路が並行してあったってことでいいんだと思う。

いくつもの小さなコアが集まってマスになる

重要なのは、どっかの代理店がバーンと仕掛けてドラマ主題歌タイアップでドカン! みたいなマスメディアマスメディアしたものではけっして無いっぽい、というところなんじゃないかな。コレの影響だアレが要因だと議論がかまびすしいってことは、決定的に大きな影響力を持ったものは何も無かったということなんだろう。

小さなコアな人たちの集まり、たとえばネットではニコ動のMADが影響があっただろうし、アイドル歌謡方面ではやはり掟ポルシェがずっと推してたのは大きい。筋肉少女帯の 大槻ケンヂが対談してたのはサブカル向けかな。木村カエラのプッシュがテレビや雑誌でなくて今やコアなメディアとなってるラジオだったというのも面白い。今どき「ラジオでディスクジョッキーが推してたから火がついた」なんてことが起きるとは思わなかったですよ。70年代じゃないんだからw

そんな感じであっちでもこっちでも話題になったことが最終的な勝因なんだと思うよ。普段なら別々の島に分かれているはずの、たとえばニコ動マニアと木村カエラファンみたいに絶対相容れないんじゃないか常考と思われるような複数の場所でも、同じPerfumeというグループについてのコアがそれぞれに生まれて、やがてそれが網目のように絡み合って、ひとつの流れにまとまって行って、だんだんと網の糸が太くなって、目が密になって、遂にはマスなオーディエンスをすくい上げるまでになったと。

そういう感じで、マーケティング的な仕掛けみたいなものにあまり頼らないで、それこそあちこちで小さく火がついた草の根がいつの間にかひとつに大きく燃え広がって売れてるっていう構図が面白い。コアになった場所がラジオとかネットとかひとつに特定されるのでなく、複数の場所から出てきたというのはあまり聞かない状況だし、ひょっとしたら新しい売れ方かもしれないんじゃないかなとか思った。

つまりPerfumeのオリコン1位は「タイアップの歌謡史」の終焉を意味する出来事なんだよ!*1

GAME(DVD付) 【初回限定盤】

GAME(DVD付) 【初回限定盤】

タイアップの歌謡史 (新書y)

タイアップの歌謡史 (新書y)

*1:※注意! この一文は多分に勢いと煽りです