新宿南口で10年工事やってる建物がついに完成するというニュース。あの大工事がついに完成するのか。よかったなあ。名前ベタすぎるけど、工事の壮大さを考えたらぜんぜんOKという気持ちになる。
新宿駅は東口から南口、新南口にかけてずっと工事をしてる。大正時代にかけられた南口の跨線橋、つまり甲州街道をまるっと掛け替えるのにあわせてホームと線路を付け替えたり、湘南新宿ラインを直通させたり、そして人工地盤の上にビルみたいなんを建ててたのがこれ。ついに完成するらしい。すごい。橋の機能を活かしたまま、車もどんどん走らせたままで掛け替えるだけですごいけど、それにプラスアルファで新機能がついてきた。
前の会社を辞める前から工事してて、そのころ新宿駅は乗換駅だったからオリジナルの修悦体もたくさん見てた。そう考えるとトータルで工事は15年くらいやってんじゃないかな。このあと東西連絡通路の工事が本格化しそうだから、駅そのものの工事はまだ続きそうだけど、甲州街道のまつわる南口の部分は完成なのかなあ。跨線橋がまるまる架け替えられてたって気づいてないひともいるかもしれないけど。
僕はこういう大きな工事現場が大好きで、駅前再開発だとか道路拡幅などを見かけるとつい周りを用もないのにグルグルと歩きまわってしまう。自分でもなにかよくわからないけど、建築好きとか駅マニアとかそういうものとは違うようなきがしていて、自分が何好きなのか、よくわからなかった。
今回この完成にワクワクした気持ちを見つめてみて、おそらく「改修工事の完成予想図」好きなのかなとようやく気づいた。
工事現場の看板やホームページに掲載されている「完成予想図」や、拡幅後の道路予定地が引かれた地図とかが好き。それを現実の世界のうえに重ねあわせてみるのがよい。ある完成予想に向けた進捗がどの程度あったのか、などと現場の変化から予測したりするのも好き。
いまは渋谷が乗換駅なので、大規模すぎる再開発にワクワクすることが多い。東口の通路が付け替えられるたびにまた新しい工事用地を確保したのかと進捗におもいをはせる。いまは銀座線が見どころだ。ホームを明治通り側に移設する工事を、駅機能を活かしたままに行っている。いまのホームからヒカリエ側を見て、ここに新しいホームができるのかと完成形を想像する。見えないものを見ようとする。現実のうえに完成予想図を重ねてみる。飽きることがない。
とはいえ、ただただ工事が続けばいいというわけではなくて、押井守っぽい世界観というか「終わらない工事」みたいなものが好きなひともいるだろうけど、それはちょっと好きではない。横浜駅とかは年に何回かしか行かないこともあって、完成形がわかってないからちょっと不安になる。工事は絶対に完成して終わってほしい。その完成に向かっているという過程が生み出す幻想力が好きなんだ。現場そのものよりも、そこにいまは存在しないがやがて完成するであろう巨大ななにかについて思いをめぐらすことが好きなのだ。
困ったことに、完成した構造物にもそれほどは興味がないんだよなー。一度くらい行って、なるほどって言う。そのくらい。自分でも冷たいんじゃないかなとおもうけど、京急蒲田駅の改良工事、駅を通るたびにワクワクしてて完成したらどうなるのかと思いめぐらせてたけど、完成しちゃった今は駅を利用することがあってもそれほど喜びがあるわけでもない。
完成した建築物が好きなわけでも、工事現場が好きなわけでもなくて、もちろん終わらない工事は好きではなくて、これが完成してこうなるのか、と考えるのが好きなのだ。我ながらヘンな趣味だなとおもったので書いてみた。共感とか理解とか得られなさそうだけど、完成したものよりも成長する過程が好きだ、と言うとアイドルを応援するオタクみたいだ。工事オタなのかもしれない。
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