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表参道で働くシニアのブログ

Mとwは世間的にはどちらもひどいパクリサイトとして十把一からげで批判されているけども、バイラルメディアやキュレーションサイトというものをちゃんと正面から考えようとすると大きな違いがある。ただ、この違いを説明しようとするとMを擁護しているように読めてしまう可能性もあり、不必要な批判をうけかねないので書き方が難しいのだけど、どこかで書いておかないと忘れてしまっていけないので書いておく。年末だし。

まず、バイラルメディアというものがなぜ登場したのかというと、それはSEOに対する懐疑というか、サイトの流入を検索のみに頼ることへのオルタナティブが必要ではないかという問題意識というか、背景にはやはりソーシャルメディアの勃興というものがあり、つまりTwitterやFacebookでトモダチづたいに記事をシェアしてもらうことを念頭に記事を制作すれば、検索エンジンだけに頼らなくともちゃんと読まれる、つまりバズるサイトが作れるのではないか? という仮説があり、それを実際にアメリカでバズフィードというサイトが実証してしまった。それで、検索順位を上げることより「バイラル」させることを狙っていくサイト作りが現実的なものとなった。

そういったサイトを立ち上げるとき、自前のコンテンツをたくさん用意するのはむずかしいので、最初は他人のコンテンツを「まとめる」こと(良いように言うと「キュレーション」の手法)によって記事を量産し、ソーシャルメディアを通じて拡散させる。この際に重要なことは2つあって、ただ雑なだけではダメで、ちゃんとした編集方針をもつことで記事を繰り返し見にきてシェアしてくれる「ファン」を作ることと、そしてあまりキュレーションに頼りすぎると当然ながらパクリサイトと批判されるので線引は考えておくこと。

Mは、日本初のバイラルメディアとしては珍しく、こういったことをきちんと、まさに教科書通りに実施していた印象があり、実際に多くの固定読者、ファンを掴んでいたと言われている。

一方で、wはパクリ云々の以前に、バイラルメディアがSEOに力を入れていたということ、そもそもそれ自体が変じゃなかろうか。繰り返しになるが、バイラルメディアではSEOに頼らないサイトづくりという側面が重要だ。ソーシャルメディアのパワーによってファンを増やすことでサイトを成長させなければならない。それを考えるなら、そもそもの立ち位置がおかしい。

ぼくのようにソーシャルメディアやバイラルメディアにたいへん興味をもっている人間にとって、バイラルメディアが何であるかを理解していたことと、なんにもわかっていなかったように見えることの違いは大きい。とはいえ一般的に見れば、ともにひどいパクリサイトだった、ということに変わりはない。変わりはないので十把一からげで同じように批判されている。しかし、それでいいのだろうか。

それぞれのメディアがサッカーのプレイヤーだとするなら、Mはプレースタイルが華やかでゴールも決めるし女性ファンも多いが、一方でどうにも反則が多いしプレーも荒く、スタイルもだれかの丸マネだったりしてそんなに評価は高くない。それで同じチームのwが派手な反則をしたときに、いっしょにレッドカードをくらって退場になった。

で、そのwなんだけど、そもそも格好がおかしい。タンクトップとか着てるし、ボールを堂々と両手でつかんだりしている。こいつはサッカーのルールがわかっているのか? バスケットボールをやりたいのではないか? とはいえバスケットボールの格好をしてようが、野球の格好をしてようが、柔道着を着てようが、サッカーでボールを手でつかんで投げればハンドなのでハンドとして退場になるし、世間からはひどいハンドの選手だとして同じように非難される。

しかし、サッカーを理解はしていたもののプレースタイルが残念だったということと、そもそもサッカーとほかの球技の区別がついてなかったことを、おなじハンドだからといって同列に考えてよいのか。そこはちゃんと分けて議論すべきなのではないか、ということをずっと考えていて、このサッカーの比喩を最近おもいついたので書いてみたのだけど、わかってもらえないままただのM擁護記事として読まれなければいいなとおもった。