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表参道で働くシニアのブログ

江戸時代の京都祇園祭山鉾巡行やヨーロッパの王侯騎馬像を、サントリー美術館のリニューアル展で見てきました

昨年の11月から半年間のリニューアルを経て、本来なら5月13日に再オープンの予定が7月にズレ込んだサントリー美術館のリニューアル・オープン記念展に行ってきました。

リニューアル・オープン記念展 Ⅰ ART in LIFE, LIFE and BEAUTY サントリー美術館

記念展は今年度末まで3部構成で開催され、いまは「ART in LIFE, LIFE and BEAUTY」と第して酒宴や祝祭、ハレの装いや調度品など、華やかな優品を展示しています。

たいへん多くの作品が並んでいて、国宝〈浮線綾螺鈿蒔絵手箱〉を筆頭に数多くの道具類・着物・調度品さらに甲冑までありましたが、個人的には絵画に気になる作品が多かったです。一部のコラボレーション現代作品を除いて同館所蔵の作品は撮影可となってました。

見どころのひとつ狩野探幽〈桐鳳凰図屏風〉。六代将軍徳川家綱の婚礼に際して制作されたという話もあるそうです。それもうなずける華やかさ。軽やかなんですね。

昨年夏の「遊びの流儀」展でもたくさん出ていた遊楽図。やぐらこそ組まれていませんが、お囃子の周りで輪になって、手振り足さばきも現在の盆踊りを彷彿とさせます。日本のダンスカルチャーの原点ですね。楽しそう。

今年はコロナの影響で山鉾巡行が中止となってしまった祇園祭礼の図屏絵です。

いまの勤務先の本社が京都にあるので、まれに祇園祭の山鉾巡行のタイミングで出張が入ったりすると華やかな街にウキウキしましたが、夏の京都は暑すぎるし外国人観光客が多すぎるのには辟易でした。今年はそういったこともないのでしょうが(京都どころか東京都から数ヶ月出てないのでわからない)

これは南蛮屏風のワンシーンで、踊りの中心に外国人観光客いや違った、異人さんがいます。

そして究極の南蛮趣味ともいえる重要文化財〈泰西王侯騎馬図屏風〉が今回の個人的な目玉でした。日本画の岩絵の具で西洋画風に描かれていて、すごくバタくさい絵ですが、だがそこがいい!

右からペルシア王、アビシニア(エチオピア)王、フランス王(アンリ四世)、イギリス王(など諸説ある)だそうです。諸説ってなんだ。

なお、対になる屏風が神戸市立博物館にあり、そちらは神聖ローマ皇帝(ルドルフ2世)、オスマン帝国スルタン(ムラト2世)、モスクワ大公(イワン雷帝)、タタール(モンゴル)大ハーンとのこと。

会期は7月22日(水)から9月13日(日)で、8月半ばに大きく展示替えがあるようです。

9月からは「日本美術の裏の裏」と題して日本ならではの美意識に根ざした作品をその楽しみ方や美意識とともに紹介。12月からのIIIでは、ガラス、版画、琉球美術、陶磁器などを「美を結ぶ。美をひらく。」のミュージアムメッセージのもとに展示するそうです。

これからの展覧会 サントリー美術館