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表参道で働くシニアのブログ

四条河原でレッツ・ダンス! いまも昔もナンパが集まるギロッポンの楽しい遊びほか 〈2019年7月の美術展感想〉

夏は暑いので出不精になります。なんか梅雨があけてから急に暑くないですか? 7月の終わりから京都に行って、1日あちこち観光しようとおもってたんですけど、暑すぎて昼ごはん食べにクーラー効いたところ入ったらもうずっと夕方までそこにいましたよ。

そんな2019年7月の展示は数は少なめ、おもしろかったらすぐブログを書くようにしたのですけど「遊びの流儀」展について書いてなかったので集中してお送りします。

遊びの流儀(サントリー美術館)

サントリー芸術財団50周年 遊びの流儀 遊楽図の系譜 サントリー美術館

カルタや双六、風流踊りに宴会、そして色ごと……そんな市井の娯楽を描いた近世初期の「風俗図」や「遊楽図」を集めた展示。屏風絵が多く出てました。

前期後期をさらに分けて何度か展示替えがあったけれど、出てた国宝と重要文化財はたぶん全部見たはず

なんといっても国宝《婦女遊楽図屏風(松浦屏風)》。人物が大きい。

コレクション-絵画|大和文華館

そしてミステリアスな《湯女図》や、《有楽図屏風(相応寺屏風)》などなど。

湯女図 | MOA美術館 | MOA MUSEUM OF ART

遊びということでは、今の百人一首やいろはカルタ、花札といった日本のカードゲームが、オランダから入ってきたトランプに影響されていたこととか、 徒然草にいう「双六の上手」とは現代でも正月などに遊ばれる絵すごろくではなく、バックギャモンに似た盤双六のことだといったことが話だけではなく、実際の美術品として展示されているのがおもしろかった。

輸出用に製作された豪華なバックギャモンの盤。こういった盤で実際にプレイしたのはヨーロッパのどういった人だったのだろう。

そして、いろいろな絵に登場する「踊る人」たち。男女がひとつ輪になることや振り付けも現在の盆踊りにも似たところがあるけれど、三味線と鼓というシンプルなお囃子で、宴席では気軽に踊っていたのだろうか。娯楽の形が気になる展示。8月18日(日)まで開催中

湯女図: 視線のドラマ (ちくま学芸文庫)

湯女図: 視線のドラマ (ちくま学芸文庫)

【追記:2019-08-13】遊びの流儀展、前期を見た時点で書いてた……。こちらもあわせてどうぞ。

mohritaroh.hateblo.jp

メスキータ(東京ステーションギャラリー)

メスキータも18日までやってるので、ぜひ行ってみてほしい展示。とにかくかっこいい。詳しくはこちらに。

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田名網敬一の観光(GGG)

夏らしいギラギラ感。8月21日(水)まで。

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水野里奈「思わず、たち止まざるをえない。」(ポーラ ミュージアム アネックス)

もう終わってしまった展示だけどすごい良かった。ずっと見てられる。

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The Nature Rules 自然国家(原美術館)

朝鮮半島の休戦ラインをはさむ非武装地帯(DMZ)は、人がまったく立ち入らないがゆえに自然が豊かな動植物の楽園となっていることから、この生態系を守ろうというプロジェクトの経過報告。

Hara Museum Web | 原美術館 | 展覧会 | The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project

作品を見るというよりは、概念的な世界観について考え、想うような展示だった。

特別展「三国志」(東京国立博物館)

現存する最もかっこいい関羽像(とNHKの特番で言ってた)が来てる。

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それ以外は後漢末から三国時代にかけての発掘品で、曹操高陵などに考古学的なロマンをどれほど感じられるかで楽しめるか変わってきそう。

華やかな武将の姿や丁々発止の戦国絵図を期待して見に行くと肩透かしかもしれないけれど、三国志が好きならぜひ行ってみるべき。

原三渓の美術(横浜美術館)

横浜本牧の「三渓園」にその名を残す実業家で茶人の原富太郎氏生誕150年を記念したコレクション展。といっても当時のコレクションは散逸しているので、大和文華館や京都・東京の国立博物館その他各所からたくさんの日本画や茶道具が横浜に集まっている。

横浜美術館開館30周年記念 生誕150年・没後80年記念 原三溪の美術 伝説の大コレクション | 開催中の展覧会・予告 | 展覧会 | 横浜美術館

雪村、狩野永徳、渡辺始興、久隅守景、渡辺崋山などがよかった。宮本武蔵の絵ってたまに聞くけど実物は初めて見たかも。平安時代の《孔雀明王図》はガラスの反射でよく見えなかったけれど、暗いものをジッと見ているとピンクや緑の極彩色が浮かび上がってきて、とてもきれい。

三渓がパトロンを務めた日本美術院系の近代日本画にはあまり興味をひかれないのだけれど、常設展示としてつい先日の「アートと人と、美術館」展のうち三分の2がそのままコレクション展として残されてて、雪舟や応挙のついでに奈良美智やフランシス・ベーコンも見れてお得だった。

北斎展(そごう美術館)

入り口で、そごうのクレカあれば200円引きです「ありません」nanacoあれば200円引きです「(持ってたけど出すの面倒なので)ありません」で定価で入って、まあ満足だったけど、あとで確かに800円くらいで入れるとちょうどよかったかな……ってなった。

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ほんとに画集出してほしい。