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表参道で働くシニアのブログ

何百年も前の日本の人たちがずいぶん自由で楽しそうに見える「遊びの流儀」展(サントリー美術館)

こんにちは。モーリです。梅雨らしい天候が続きますが、駅から雨に濡れないで入館できるサントリー美術館で6月末から開催されている「遊びの流儀 遊楽図の系譜」展を見てきました。土曜日なので20時まで開いててよかった。会場はそれほど混雑もしておらず、ゆっくり見れます。

カルタや双六(すごろく)といった室内ゲーム、歌舞音曲、お酒に煙草、舟遊びやら観劇、そしていろいろな男女のお付き合い。とにかく楽しそうな人々の様子が細かく描かれた、室町から江戸にかけて近世初期の「野外遊楽図」や「邸内遊楽図」を集めた展示です。何度か展示替えがあるのですが、いま出ている中では徳川美術館所蔵の重要文化財《遊楽図屏風(相応寺屏風)》が見ものでしょうか。7月24日からは入れ替わりで国宝《婦女遊楽図屏風(松浦屏風)》が出るようです。

さまざまなカルタや双六の実物も並んでいて、そもそもカルタというのは西洋から南蛮渡来したカードが語源で、つまりトランプのこと。初期の「天正カルタ」や「うんすんカルタ」はまんまトランプですね。そこから花札に進化したり、読む札と絵札を合わせるゲームに転化して百人一首が題材に選ばれれたり、自分たちが楽しいようにルールを変えていった様子がうかがえます。

双六も同じで、もともとはバックギャモンとルーツを同じくするボードゲームなので、将棋や囲碁と同じく立派な双六盤がいくつも出ていました。とくに桃山時代に作られた《清水・住吉図蒔絵螺鈿西洋双六盤》は、西洋双六つまりバックギャモンそのものの遊技盤で、これはサントリー美術館所蔵の重要文化財となっていますが、本来は輸出用とのことなので、ヨーロッパの王侯貴族はこういった螺鈿細工を施した豪華な漆塗りの盤でバックギャモンを楽しんだりしたのでしょうか。

そしてメインとなる「遊楽図」ですが、先ほども書いたように描かれている人たちがみんな楽しそう。場所は京都が多いのかな。とくに気になったのが踊りのシーンで、男女が同じ手振りで輪になって、いまの盆踊りのような光景があちらこちらで見られました。鳴り物はシンプルに三味線と鼓で、櫓も組まず、踊りの真ん中で立ったり座ったりで囃していた様子。どんなリズムでどんな節回しだったのか気になります。踊りの手振りはいまの盆踊りなどの日本の舞踊と同じような雰囲気を感じました。

g.co

追記

前後期あわせて見ての感想をこちらに書きました。

mohritaroh.hateblo.jp