いまさっき印刷所から印刷見本が届いた。ドキドキする。
校正紙では何度も何度も何度も見た内容だが、キチンと裁断されて製本されてカバーとオビが巻かれて投げ込みの栞まで入って十数冊まとめて積み上げられるとまったく違うものに見える。この数ヶ月間はこの本に全勢力を傾けて来ただけに嬉しさもひとしお……のはずなのだが、そうでもなく、なんというか、ドキドキするとしか表現できないような心持ちがする。
編集を長い間やってると、売れた本、売れなかった本、良い内容なんだけど売り上げ的にはさっぱりだった本、トントンで絶版にされかかったところをねじ込んで増刷させた本、予想外の出庫に誤字修正が間に合わないほど嬉しい悲鳴を上げる本、いろいろあった。この本はどうなるんだろう?
「やれることはやった」という気もするし、逆に「アレもコレもやり足らなかった」という気もする。市場に出てしまえばあとは編集者ができることはほとんどない。読者が手にとってくれるかどうか。楽しみだが、楽しい以上に怖い。まな板のうえの鯉という感じである。
ともあれ、著者の田口さん、松永さん、上ノ郷谷さん、序文を書いていただいたテラヤマさん、インタビューほかいろいろとご協力いただいた近藤さん、ほんとにお疲れ様でした&ありがとうございました。