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表参道で働くシニアのブログ

著作権侵害の一部「非親告罪」化ってむしろMYUTA裁判のほうと関係しないかな

同人誌とか制作の現場に踏み込んで「黒」とか言っちゃうのは、さすがに「コンテンツ立国」とか言ってる国では行政サイドでも意見が分かれて面倒になりうそうだからよほどのことがないと(真っ黒な作品ですんげえ儲けてるとか)という気がするけど(その場合は国税局が先に動いたりしないのかな、これ余談)、自分でコンテンツを作るんじゃなくって、それを右から左へ流したりしてるところ、つまり流通産業のほうは誰もかばってくれないような気がするけどどうなんだろう。

たとえば今回の「MYUTA」もJASRACが動いたから最終的に裁判になってるけど、これこの判決で確定したら今後類似のケースはJASRACの提訴を待たずして警察が踏み込んで来て「著作権違反だ! 違法ダウンロードサービスを運営していただろ!」ってなっちゃう可能性ってないのかな? なんとなく同人誌作ってるところに踏み込んでくるよりは可能性があるような気がするなあ。たとえば「Winny」だって「幇助」なんてかわりと無理矢理っぽい理由をくっつけて罪に問われてるけど、非申告で逮捕できるなら「ファイル共有ソフト作ったな! 違法ダウンロードサービスの運営と見なして逮捕なのだ!」ってことにならない? いやならないならいいけどさ、どうなんだろう?

もっと大きくとらえるなら「日本ではYouTubeは違法です、著作権違反の違法ダウンロードサービスです。なので逮捕します」っつーて親会社のGoogleに強制捜査がはいるとか(はいらない、はいらない)。それは極端として、著作権付きのデータをどう扱うのが正しいのかっていま混沌としてて、新しいサービスがそこに市場があるかもしれないと狙ってて、というかその分野では日本はもうぜんぜん遅れを取っているというのに、もし革新的サービスを立ち上げて、これはユーザーにとってすんごいメリットがあるから流行るはずなので著作権的にグレーなところはあるけどまず立ち上げてから新しい枠組みを作るのだ! 的なベンチャーとか具体的に言うなら「ニコ動」あたりににいきなり非申告で警察が来ちゃうかもしれないじゃん?

つまり同人誌業界のほうでは「何がオリジナルで、なにが著作権違反か」は判断がたいへん難しいのにそれを警察が判断できるのってどうよ? といって今回の法改正を批判してるけど、同じようにコンテンツの流通の現場でも、デジタルデータをどう動かせば違法ダウンロード行為でどう複製すれば海賊盤作成なのかって、もうすっかり判断つかなくなってて混沌としてて、むしろそこが混沌としているからこそ新しいサービスや業態が生まれてくる余地があるとも考えられる。

でも警察がそういう判断できるようになっちゃうというのは、日本のデジタルコンテンツ流通産業てゆかまあ新しいウェブサービスや斬新なITベンチャーがそこに参入しようという気を削いでしまわないか。そしてけっきょく日本の動画配信サービスは最後までYouTube(てゆかGoogle)には勝てませんでしたねー、で終わってしまうってことになるんじゃねえのか、という考えがふと頭をよぎったのでここに書いておけば誰かが「それは違うっぽい」とか言ってくれないかというテスト。