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表参道で働くシニアのブログ

このままじゃmixiページはダメかもしれない

ちょっと考えてみたけど、このままじゃmixiページはダメだろうなあ。mixiページ自体の機能がべつにどうこうということではなく、情報を受け取る側のインターフェイスが魔窟すぎる。建て増しに建て増しを重ねた田舎の温泉旅館のようだ。

ためしに、mixiの画面を見に行かないで、mixiのPC用インターフェイスを頭のなかに思い浮かべてみてほしい。3カラム構成になっているおなじみのオレンジ色の画面だ。そのmixiのインターフェイスのうち、mixiページに関するアクティビティ・更新情報・新着コメント・最新書き込み、そういったものはいったいどのあたりに表示されるんだっけ? っていうのを思いだしてみてほしい。すぐに「ここ!」ってわかるだろうか?

数えてみたんだけど、ユーザーによるコンテンツとアクティビティ(ニュースとか広告は除く)が通知あるいはフィードされるボックスは、mixiのPCインターフェイス上にデフォルトで8箇所もある。そのうちなんと半数の4箇所には、なんらかの形でmixiページの情報が流れてくる。果たしてどれだけの人が、この情報を混乱しないで受容できるだろう? ちょっとこのままではツライとおもう、見るほうが

と書くと次のような反論がある。mixiはいまやPC向けのサイトではない。メインの利用者はモバイルである。だからPCインターフェイスを云々しても仕方ない。なるほどわかった。その通りだ。それでは最も利用者が多いガラケー用のインターフェイスで(以下同

いやスマートフォン用のインターフェイスはフィード対応でイカしているという人もいる。なるほどそうならスマートフォンの利用者がガラケーを超えるころにはmixiページは勝てるようになる。そう遠くない未来だ。いまは闇だが未来は明るい。諸君、mixiページの夜明けは近いぞ。いまは耐えろ(劣悪なインターフェイスに)

そうじゃないこれはGoogleに拾われることに意味がある(といいながら拾われてなかったらしいけどもう拾われてる?)。mixiページは有名人や企業の公式つぶやきページで、ライバルはFacebookページではなく、アメブロだ。という見方もある。なるほどそうかもしれない。じゃあ情報がほどよく出まわるように「ツイート」ボタンと「いいね!」ボタンと「+1」ボタンを……え? 付けられないの?? というか「mixi check」ボタンすらないのは何で? まあコメントすればmixiチェックに流れてくるけれど……

Facebookはファンページとニュースフィードの両輪である

ソーシャルメディアのインターフェイスについてはこのダイアリーで何回か書いている。

mixiは従来型のウェブで馴染みのある「ボックス型」のインターフェイスで、サイトの深いところに降りていくと情報の詳細があり、読み終わったらトップページ戻って、また別のページのリンクをたどって降りていく、ということを繰り返す。

一方、FacebookやGoogle+は、Twitterのタイムラインでお馴染みの「流れてくる」インターフェイスを採用している。これは情報を取りに降りて行ったり、どこかのページを見に行くということはしない。トップページにすべての情報が流れこんできていて、トップページだけで完結している。

整理するとこういうことだ

mixi 従来のボックス型 (情報を)見に行く
Twitter/Facebook/Google+ フィード・ストリーム (情報が)流れてくる

ソーシャルメディアは、情報の流量が圧倒的に多くなる。だからこそそれを効率よく取捨選択させるためにフィード型のUIが採用される。これはもちろんTwitterがほとんど偶然のように発見したスタイルで、多くのTwitterフォロワーによって工夫されるなか、Friendfeedというサービスが、RSSフィードのように友達のアクティビティをフィードしてアグリゲートするという概念を明確に打ち出し、そしてFFはFacebookに買収され、Fbはこの方向に大きく舵を切る。

2009年にFacebookがボックス型のUIを廃止してニュースフィードに切り替えたとき、それはそれは大きな反対運動があったという、mixiの足あと改悪反対よりもっと大規模な反対運動があったと聞く。しかし、Facebookはいっさい考慮しなかった。なぜならそうしなければソーシャル・メディアの情報受容装置として機能しないから。

そして受容装置が機能しなければ、発信装置であるビジネス向けFacebookページをいくら機能改良したところで、情報が目づまりして、サービス全体がまったく機能しないから。

mixiページ自体にも機能として十分でないところは報告されているようだ。しかし、mixiページそのものの不十分さではなく、mixiページから発信される情報を、効率良く閲覧させるための仕組み・インターフェイスがmixiには無い、というところがmixiの今後においてはツライところだとおもう。

Facebookは、さらに一歩進んでエッジランクという数値を用いたNFO(ニュースフィード最適化)ということまで言い出している。GoogleのページランクとSEOそのままのアナロジーとしてソーシャルマーケティング業界では注目されはじめている。

そして、ニュースフィード最適化という手法は、まだTwitterもGoogle+もFacebookほどに徹底して導入できていない。ニュースフィードをソーシャル情報の受容装置として機能させることにおいては、FacebookはTwitterやGoogle+の先を行っている。Google+はまだまだFacebookに追いついてもいないとおもう

そして、mixiはいまだにアクティビティフィードすら利用者に十分に受け入れられているとはいい難い状況にある。にもかかわらずmixiページという情報発信装置だけ作ってしまって、いったいどうするつもりなのだろう? せめて「ツイート」ボタンくらい付けたほうがいいんではないだろうか(そういえばツイッター連携機能はあるのか)

mixiの行き方

とまあ軽くmixiをdisってみたが、ここで衝撃の愛の告白をしておくと、私はいまだにmixiプレミアムを解約していない生粋のmixiシンパであり、私ほどmixiを愛しているひとは少なくとも230人のマイミク中には2人しかいない。mixiには十二分に楽しませてもらったし、これからも本当に頑張ってほしいと思っている。

いまmixiの肝はなんといってもコミュだとおもう。多種多様なコミュがたくさんあって、そこにみんなが集まって、ああでもないこうでもないと意見をかわしていく。mixiはいまや大規模掲示板サービスなのだ。全員コテハン制の2ちゃんねるなのだ。現代のNIFTY-Serveなのだ。その方向で、コテハン制の大規模掲示板として、21世紀のニフティとして、ユーザビリティを高めていく方向ってダメだったのかなあと思ったりもする。

そういう意味で、どうしてmixiページをコミュとまったく別に作っちゃったんだろう? というのもまた残念に感じるところなのだ。すでにたくさんの人が利用しているコミュという枠組みに「インターネット全体への公開」と「企業やアーティスト公式であることの公認制」の2つの機能を追加してやればよかったのではないだろうか。そのほうがわかりやすかったのではないだろうか……

などなど思うところはいろいろあるんだけど、mixiにはFacebookやGoogle+みたいなバタ臭い自己責任が問われまくる実名制の殺伐とした世界ではなく、日本の風土にあった、馴れ合いともたれ合いに慣れ親しんだ日本人をやさしく包み込んでくれるような、さまざまなクレームにも八方美人で対応してくれる、どんな中二のキツイ突き上げにも「はいはい」とこたえてくれる、お母さんのようなSNSであってほしいと切に願うのです