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表参道で働くシニアのブログ

『情報化白書2012 激動の時代の情報化』に音楽配信とソーシャルについて執筆しました+ボーナストラック「震災後にネットで楽曲を発表した主だったアーティスト(増補版)」の公開について

一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が編纂している「情報化白書」という刊行物があります。前身の「コンピュータ白書」の創刊が1965年と歴史のある白書で、数えて43冊目となる今回の『情報化白書2012』では「激動の時代の情報化」と題し、変動する時代の情報化を俯瞰する白書となっています。

東日本大震災を受けて本書「情報化白書2012」では,3部「産業と社会・生活の情報化」8章「防災とIT」で災害に役立つ通信技術を,1部「トピックス」3章「生活者の視点から見たBCP」では,今回の震災を機にBCPについて考え始めた方々への指針となるようわかりやすく解説しているほか,その他の多くの章でも,各テーマと今回の震災との関わりについて触れています。

情報化白書2012 激動の時代の情報化

情報化白書2012 激動の時代の情報化

「情報化白書2012」 - 一般財団法人日本情報経済社会推進協会

さて、この第3部「産業と社会・生活の情報化」の第5章「音楽配信/SNS」を、縁あって私が執筆しました。
Facebookの書籍を執筆していることもあってソーシャル(SNS)にはある程度の見識を持っているつもりではありましたが、今回はほぼ門外漢の音楽配信と合わせて1つの章で取り上げるということで、統計資料に当たったり関連ニュースを振り返ったりして情報を収集していたところに今年3月の地震。そして私たちは、音楽家自身がTwitterやYouTubeといったソーシャルなメディアを活用して発表した楽曲を数多く耳にし、ソーシャルと音楽配信の2者が急接近する様子も目撃することになりました。

産業としての音楽配信はいまの日本で(クラウド音楽配信の旋風が吹き荒れる米国に比べて)ほぼ無風状態というところではあります。しかし、産業ではないところ、音楽家個人がどうしてもいま音楽をみんなに届けたいんだと強く願っているところで、ネットのパワーが利用されているのを目の当たりにし、ソーシャルのテクノロジーが人と人を繋いでエンパワーしていく理想を見たように思います。そういったことを担当した原稿の後半部分には書きました

ボーナストラック「震災後にネットで楽曲を発表した主だったアーティスト(増補版)」の公開について

さて、本書を手にとっていただいた方は、その第5章の末に掲載されている図表3-5-5「震災後にネットで楽曲を発表した主だったアーティスト」をご覧になったかもしれません。この一覧表はページの途中で切れているというどうにも中途半端なレイアウトで、また実は表に漏れていたアーティストも多く、最終校正の段階で大幅に追加したバージョンを再入稿したのですが、スケジュールの都合で差し替えできませんでした。

そこで、ここで刊行を記念して、この図表3-5-5の増補改訂版を公開いたします。当白書をお読みになられた方向けのボーナストラック的な位置づけとなりますが、どうぞご利用ください。

震災後にネットで楽曲を発表した主だったアーティスト(増補版)

この図表に関する注意点

以下の点についてご了承ください

  1. 図表に掲載した情報は楽曲発表時にリアルタイムで記録を取っていたものでなく、本書執筆時にネット検索などで調査したものをまとめたものです。このため間違いや抜け漏れもあるかとおもいます。修正すべき点にお気づきでしたらコメントをいただければさいわいです。
  2. レコード会社がCDリリースなどを控えていた3月中に公開されたものを中心に調査しました。4月以降は公式にCDリリースされる楽曲も増えて図表の趣旨に合うものか判断が難しくなってきたため、よほど目についたものだけを震災後1カ月程度を目安に掲載するにとどめています。
  3. YouTubeなどで現在も確認できる楽曲は実際に目を通して確認しました。またネットへの掲載日はYouTubeの公開日を参照しました。音楽系ニュースサイトやブログなどで情報が公開された日付とは異なっている可能性があります。
  4. 一部はサービスの停止や公開期間の終了で実際の楽曲を確認できませんでした。そういった楽曲についてはニュースサイトなどの記述をベースに記載しています。
  5. 基本的にはミュージシャン自身の自発的な活動としてソーシャルなネットのメディアで公開された楽曲を扱っていますが、一部には公式にCDリリースされたチャリティ曲なども含んでいます。