in between days

表参道で働くシニアのブログ

健康診断(人間ドック)があり、遅れて出社する予定を申告していたら、予想外に早めにおわって若干の余裕ができたので、国宝「燕子花図屏風」を見てきた。

燕子花図と夏秋渓流図 | 取材レポート | 美術館・博物館・展覧会【インターネットミュージアム】
http://www.museum.or.jp/modules/topics/index.php?action=view&id=939

カキツバタ図はカキツバタ図であり、リズミカルでデザイン的で飛び跳ねるようで楽譜のようで下がってから上がり、サビでクルッとまわる。毎年ある季節に見れる国宝として「松林図屏風」と並ぶ安定感がある。

それより、今年は100回忌にあわせた回顧展も開催されて話題になっている明治・大正の日本画家、渡辺省亭。その回顧展は閉会直前まで知らなくて日程があわずにいかなかったのだけど、この展示に一品だけ出ていた。

100回忌の今年回顧展が開かれた渡辺省亭。現在展示室2で「不忍蓮・枯野牧童図」を展示しています。日本画家として初めてパリに遊学し、印象派とも交流のあった省亭。淡彩と淡墨による軽やかな筆致で描いた優品です。5/14まで。#根津美術館 #渡辺省亭
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この一対の掛軸が良くて、近景、中景、遠景、背景と遠近があり、目線が枯野ではS字を描き、不忍池では奥まで行き当たると上野の山に沿って上昇し、やがてどちらも靄となる。遠くから見ると墨の濃淡による形だけがぼんやりとあり、近づいていくとそのなかから要素が徐々に表れ、細かいところまで見ることができるが、そのときには最初に感じた形は霧散してぼんやりとした薄墨になってしまっている。それほど大きな絵ではないのだけど、空間的な広がりを絵のこちら側と向こう側で二重に感じておもしろかった。ほかの作品も見てみたいな。