おそらく譲位改元にあわせてということなのだろうけど、文化庁・宮内庁・読売新聞社が「紡ぐプロジェクト」という看板でこのGW前後に東京国立博物館で2つの特別展を実施している。
平成のあいだに「両陛下と文化交流」として現在の上皇陛下上皇后陛下ゆかりの品が展示されていて、岩佐又兵衛《小栗判官絵巻》や酒井抱一《花鳥十二ヶ月図》が見れてよかったのだが、年号も改まっての特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品」のほうはかなり気合がはいっている。
作品リストを見るとわかるように、特別出品も含めて全41作品中、国宝が8点・重要文化財が14点という豪華さ。そのほかにも目玉となっている狩野永徳《唐獅子図屏風》はさすがの迫力。実物はこんなに大きかったのかと驚く。
一方で長沢芦雪《花鳥遊魚図巻》や、葛飾北斎の肉筆画《西瓜図》などはこの春の奇想系の展示に出ていなかったので嬉しい。雪舟《秋冬山水図》あたりがごくふつうに展示されてるし、エッシャー的な構図で知られる久隅守景《納涼図屛風》もじっくりと見られる。
さらにGW期間中は新指定された国宝・重要文化財も展示されていて、これは総合文化展(通常展示)の枠内なので、上記の切符があればあわせて唐招提寺の国宝の仏像なども見れて便利。
【閉幕間近!】今年新たに国宝・重要文化財に指定される文化財をお披露目する特集「平成31年 新指定 国宝・重要文化財」が開催中です。新指定の文化財が合計45件も公開されるのは当館だけです。今だけのこの機会をお見逃しなく!※一部パネル展示含む 本館8室・11室にて5/6までhttps://t.co/32rIUfenBY pic.twitter.com/84HfQbDrsR
— トーハク広報室 (@TNM_PR) 2019年5月3日
そのほか総合文化展をぐるっと回ってみて、松林桂月《溪山春色》の草木が写実というより装飾というか、アールヌーボーかよっておもってしまった。あと一階の刀剣のコーナーはいつ行っても女性がなにかメモか写真を取っている。これは余談。
松林桂月は、日本南画の近代化に尽くした画家。繊細な墨線の画風が特徴ですが、この「溪山春色」は濃厚な色彩に目を奪われます。本館18室にて6月19日(日)まで展示。#絵画 #文化遺産 pic.twitter.com/nDR1eSnsY1
— トーハク広報室 (@TNM_PR) 2016年6月8日
まあ国宝・重文でいうなら同じ東京国立博物館の平成館でやってる「東寺」展には国宝だけで30展以上出ているわけですが。
ともあれ「日本美術の名品」というだけあって、作品数あたりの名品率はすごく高いコスパのいい展示でした。
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