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表参道で働くシニアのブログ

11月、富野アニメのすべてを見ていたらまさに秋の日はつるべ落としだった件

美術展を見に行くのに暑い時期と寒い時期ではどちらがマシか? つい先日、横浜美術館(みなとみらい)の後にそごう美術館(横浜そごう)に行きたくて、クリスマスイルミネーションもきれいだったんで試しに歩いてみたんだけど、やっぱりこの季節に徒歩は寒かった。

11月にも千葉の県立美術館と市立美術館の両方に行きたい展示があって、千葉県立から千葉市立までを経路検索すると候補に「歩いて20分」って出たりする。駅まで戻ってモノレールというのがふつうなんだろうけど、ちょうど時間が合うのでバスをチョイスした。そうしたらバス停が交差点のハズレにあって暗がりで寂しいし、10分くらい遅れてきてすっごく寒い思いをしました。

そういえば夏に千葉市美術館に行ったときには、降りる駅のチョイスを間違えて暑いなかを延々と歩くことになったりして、結論としてやはり「美術の秋」というのは正しい。あとこの時期は明るいうちに美術館に入っても閉館までいるととっぷり日が暮れていてタイムスリップしたのかとおもう。

富野由悠季の世界

ということでタイムスリップ感が半端ない静岡県立美術館で、富野アニメのすべてを見てきました。

富野由悠季の世界

福岡を皮切りに全国を巡回している富野展ですが、兵庫、島根ときて、最も首都圏に近づくのが静岡県立美術館(2020年9月19日から11月8日まで)。この年末年始には富山で、来春の青森で終わり。というわけで、コロナ禍ではあるが新幹線に乗らざるを得ない。会期末までまったくタイミングがあわず、休日は鬼のように混んでいたというレポートを見かけたので、なんとか有休を確保して平日にでかけたところ程よく空いていてよいかんじでした。

富野由悠季の世界|静岡県立美術館

トリトンから最新作まで並んでるけど、自分がアニメをちゃんと見ていた時期がほんとに短かったんだと実感するというか、ガンダムとイデオンにしか思い入れないマンなのに、気がづいたら2時間たってた。発動篇ラストシーン11分とかいうムービーが再生されてたり、サントラ「戦場で」のジャケットの原画に見入ったり。

ちょうど「MANGA都市TOKYO」展を見た翌週とかだったんだけど、そういえば富野アニメはほとんど東京とかに関係なくて宇宙・月・異界ってかんじ。ザンボットは静岡つながりかな。

さすが「日本平のふもと、緑に囲まれた美術館」だけはあって、最寄りの静鉄「県立美術館前」駅から徒歩15分。しかも山道。バイストンウェルに呼ばれそうなのでアプリでタクシー呼びました。日暮れて道遠し。

式場隆三郎 腦室反射鏡

精神科医師にして芸術のパトロンであり、ゴッホ論から性生活指南まで膨大な著作の著述家であり、つまるところ一種の奇人であった式場隆三郎の芸術領域での資料や関連作品をまとめた展示。この春から夏にかけて広島現代美術館で開催され、新潟を経て練馬に巡回していた。

式場隆三郎 腦室反射鏡 | 練馬区立美術館

プロデューサーとしての能力がとても高かった人だったのだろう。山下清を見出して「日本のゴッホ」と紹介し、作品展まで開催して有名人にしたて上げた黒幕というのはおそらくよく知られた話なのだろうけれど、不勉強にして初めて知った。もちろん草間彌生のキャリアの最初期に重要な役割を果たしたことも知らなかった。そういった作品とバーナード・リーチほか民藝の焼き物が同じように並んでいるのが面白かった。

撮影できたのは奇ッ怪な建築「二笑亭」に関連した作品。ロビーに置かれていた。

後藤克芳 ニューヨークだより “ 一瞬一瞬をアートする”

1964年に渡米し、商業デザインで生計を立てながら2000年に亡くなるまでニューヨークで木彫によるスーパーリアリズム作品を制作した作家の回顧展。米沢市上杉博物館の収蔵品を中心とした展示で、11月23日まで渋谷区立松濤美術館で開催。

後藤克芳 ニューヨークだより|渋谷区立松濤美術館

根津美術館の国宝・重要文化財

鉄道王と呼ばれた実業家でありまた茶人でもあった根津嘉一郎のコレクションをもとにした根津美術館には、7件の国宝と88件の重要文化財を所蔵しているが、そのすべてを12月20日まで3期に分けて展示する豪華な美術展。同館は毎年初夏に、尾形光琳《燕子花図屏風》を展示しているのだけど、今年はコロナ禍でそれが流れたため代替の意味もあったのかもしれない。

根津美術館は今年で財団創立80周年。同館所蔵の国宝・重要文化財を一望する展覧会が開催

11月29日までのA日程では、国宝《燕子花図屏風》ではなく、重文の鈴木其一《夏秋渓流図屏風》が出ていて、これまでこの屏風は画面構成の妙が極まった《燕子花図屏風》に比べると画面全体がごちゃごちゃとしていてよくわからない作品だとおもっていたのだけれど、今回はじっくり時間をかけて見たことでようやく面白さがわかってきた。

ごちゃごちゃとたくさんのものが書かれているものの、背景はシンプルに金地であり、草原なのか山肌なのかのっぺりとした緑の上にやたらと写実的な植物が書き込まれているが、よく見るとその縮尺が合っているように見えない。近くのものが大きくはっきりとしているわけでもなく、遠くが小さくぼんやりとしているわけでもない。ようは遠近が狂っている。

屏風に近づいたり遠ざかったり移動しながら部分部分を眺めていくと、異次元に放り込まれたような感覚になる。なるほどたしかにこれは奇想だ。

魔法の手 ロッカクアヤコ作品展

年明けの2021年1月11日(月)まで千葉県立美術館で開催されているロッカクアヤコの新作展。日本国内の美術館では初の個展とのこと。

令和2年度 魔法の手 ロッカクアヤコ作品展 - 千葉県立美術館

巨大なペイント作品《Magic Hand》を中心にした展示空間は、お寺の本堂のような雰囲気もあった。小さな宇宙船がたくさん飛び交う《宇宙戦争》は、さしずめ平等院の《雲中供養菩薩像》のようだと言えるだろうか。

この展示に関連したインタビューが美術手帖に掲載されている。

ロッカクアヤコ初の美術館個展が千葉県立美術館で開幕。「魔法の手」が操る色彩に注目
様々な境界を超えてあふれるポジティブなエネルギー。ロッカクアヤコインタビュー|

宮島達男 クロニクル 1995−2020

12月13日まで千葉市美術館で開催されていた大規模な個展。1996年の《地の天》からこの展示のために制作された作品まで。河原温らの所蔵作品とのコラボレースションが面白かった。

宮島達男 クロニクル 1995−2020 | 千葉市美術館

さや堂ホールの歩き回れる作品。すぐ上に上がったのであまり見れなかったけど楽しそうだった。

神宮の杜 野外彫刻展「天空海闊(てんくうかいかつ)」

12月13日まで明治神宮の広大な人工林「神宮の社」に動物をモチーフにした彫刻作品が展示されていた。

神宮の杜芸術祝祭 | 神宮の杜 野外彫刻展「天空海闊(てんくうかいかつ)」

名和晃平、船井美佐、松山智一、三沢厚彦が参加する野外彫刻展が開幕

明治神宮100年祭にあわせて名和晃平《鳳凰》も本殿の正面にある南神門の両脇に設置されていた。日本の伝統的なモチーフを日本の現代的な感覚で扱うとこうなるんだな。

デザインとアートのはなし ― 明治神宮の門を飾る名和晃平の金銀の鳳凰「Ho / Oh」

琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術

アーティゾン美術館で開催中の企画展。前期が12月20日までで、現在は展示替えされている。例えば最初の部屋は前期は京都だったが後期は江戸琳派になるようだ。印象派作品はほぼ展示替えなし。

琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術 | アーティゾン美術館

ふだんあまり目にすることのない名品が来ているのがよい。前期では俵屋宗達《舞楽図屏風》はしっかり見た。これが後期は同じ宗達で《風神雷神図屏風》になるのだから豪華。全体では、鈴木其一《富士筑波山図屏風》がよかった。其一推し月間だったかも。

特集コーナー展示 青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち

同時開催の石橋財団コレクション選で、特集コーナー展示は「青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち」。

東京好奇心 2018-2020

11月12日までBunkamura ザ・ミュージアムで開催されてた100人の写真家による合同展示。パリとベルリンを巡回しての凱旋だったそうだ。

東京好奇心 2020 渋谷 | Bunkamura

現代日本のパッケージ2020

印刷博物館での企画展だけど、ここで図録の1000円セールをやってるので買いにきたついでに展示も見た形になるかな。ほしい図録がたくさんありすぎて逆に1冊だけ買ってかえった。

現代日本のパッケージ2020 | 印刷博物館

オリンピックのポスターが展示されていた。ということは凸版印刷で刷ったんだな。

桃山 天下人の100 年

10月に前期を見た「桃山」展の後期展示。あれだけ豪華だった展示の半分くらいは入れ替わってて、さらに豪華な品が11月29日まで東京国立博物館平成館で。舟木本の《洛中洛外図屏風》が目玉だろうか。作者は岩佐又兵衛に特定されてたはずだけど、バーチャルトーハクの「アノニマス - 逸名の名画」展に出てるのはどういうことだろう。

特別展「桃山―天下人の100年」 | 東京国立博物館
特別展「桃山―天下人の100年」:東京国立博物館
東博で特別展「桃山-天下人の100年」が開催。華麗な桃山文化に約230件の優品で迫る