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表参道で働くシニアのブログ

コロナ自粛後に再開したけれど、1カ月かそこらで終了する美術展けっこうある。あの「超写実絵画」再展示も!《東京近郊》

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、知る限りの美術館や博物館が3月から5月にかけて臨時休館になった。

ゴールデンウィークという美術展にとっても最高のタイミングで休館を強いられてしまい、3月から4月にかけて開会するはずだった多くの企画が、準備が整いながらも塩漬けにされていり、ボストン美術館展のように作品輸送の目途が立たず中止になったところもある

だけど、5月末に緊急事態宣言が解除されたことで、6月になって東京近郊でも再開する美術館が増えてきた。たくさん施設でスケジュールを変更し、開催期間を秋まで延長した展示もある。夏休みからシルバーウィークにかけて多くの来客が見込まれるだろう。

まとめ:全国の美術館・博物館の再開状況|美術手帖

その一方で、6月に入ってから再開されたものの期間の延長がそれほど叶わず、6月から7月中にかけて、早いところでは2週間程度で終了してしまう展示もちらほらと見受けられる。「しまった、あの展覧会はもう終わってしまったのか! 」とならないよう、閉会日には注意したいものです。

ということで、東京近郊で再開期間の短い展示をわかった範囲でまとめてみました。

6月21日(日)まで開催される展示

▼「ドローイングの可能性」東京都現代美術館

江東区の木場公園にある東京都現代美術館では、前期の展示が終了したあと展示替えの期間中から休館となり、アイスランドの芸術家であるオラファー・エリアソンの展示などがそのまま休止された状態になっていました。

東京都現代美術館の展覧会会期の変更について | お知らせ | 東京都現代美術館

そのオラファー・エリアソン展など6月9日から全面再開になる前に、2日から一部再開となったうち所蔵コレクションをベースとした「ドローイングの可能性」については、本来の会期を1週間程度のみ延長して、6月21日まで3週間の開催となっています。

書家のの石川九楊や、アンリ・マティスの書き文字を含む印刷物、彫刻(というより空間造形?)の戸谷成雄と盛圭太、さらに草間彌生まで、何らかのを核とした表現を集めた展示です。


▼「奇才 江戸絵画の冒険者たち」江戸東京博物館

両国の江戸東京博物館では、4月25日開会の予定だった「江戸絵画の冒険者たち」を、6月2日から当初の日程通りに21日まで実施します。本来なら前後期で展示替えがあるところ、東京会場では後期の内容のみが見れるようです。

特別展「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」 - 江戸東京博物館

展示リスト(PDF)を見ると、北斎や国芳、若冲に蕭白といったいわゆる奇想系から琳派・円山派・狩野派・禅画など多彩な顔ぶれのなかに、祇園井特(ぎおんせいとく)や耳鳥斎(にちょうさい)といったエグみの強い絵師がはいっているのが楽しみ。

https://kisai2020.jp/

なお、2020年7月7日から山口県立美術館で、同9月12日から大阪あべのハルカス美術館に巡回するらしいので、前期を含めて見るなら遠征になりそう。秋には不要不急で大阪まで行っても怒られない時勢になっているでしょうか。

第一阿房列車 (新潮文庫)

第一阿房列車 (新潮文庫)

「画家が見た子ども展」三菱一号館美術館

【6月13日追記】次に予定されていた「三菱の至宝展」の開催延期に伴い、当展示も9月22日まで再延長になりました。

副題に「ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン」とあり、たしかにファン・ゴッホ《マルセル・ルーランの肖像》がフィーチャーされているけど、見どころはやはりナビ派

近代が生んだ「子ども」という概念をパリの近代絵画がどのように描いたかがテーマのようです。

「ナビ派」の画家たちが見せた「子供観」とは? 「画家が見たこども展」が三菱一号館美術館で開幕|美術手帖

2月15日に開会したものの、わずか2週間足らずの28日から休館。会期を2週間だけ延長して、6月9日に再開しました。日時指定予約制のため、チケットをWebketで購入する必要があります。

元アンジュルムの和田彩花さんによる音声コンテンツも公開されています。作品解説としてはもの足らないきもしますが「アイドルといっしょに美術館に来てる雰囲気」を楽しむには最高です!

6月23日(火)まで開催される展示

▼「ルオーと日本展」パナソニック汐留美術館

4月11日に予定されていた開会を延期し、約2カ月遅れて6月5日にはじまったジョルジュ・ルオーの展示。予定通り6月23日に終わるため、3週間程度と短い会期になります。

副題が「響き合う芸術と魂 - 交流の百年」とあり、梅原龍三郎を筆頭に松本竣介、三岸好太郎など、影響を受けた日本の洋画家も合わせて展示されています。

延期となっていた「ルオーと日本展」がパナソニック汐留美術館で開幕。根強いルオー人気を解き明かす|美術手帖

作品リスト(PDF)を見ると、ルオー財団などフランスから来日するはずの作品は「国際輸送の関係により開幕時には出品され」ないとされており、再開の記事によるとどうやらそのまま来れなくなったようです。この物流事情では仕方ないでしょう。

6月28日(日)まで開催される展示

▼「神田日勝 大地への筆触」東京ステーションギャラリー

2019年度前期の連続テレビ小説『なつぞら』で吉沢亮が演じた山田天陽のモデルになった夭折の画家、神田日勝(かんだ にっしょう)の回顧展。

神田日勝 大地への筆触 | 東京ステーションギャラリー

4月18日に開会できず会期延長もなく、6月2日から約4週間の展示。嬉しいことに期間中は無休です。日時指定予約制のため、チケットをローソンチケットで購入する必要があります。

https://kandanissho2020.jp/

東京会場のあとは北海道に移り、7月から神田日勝記念美術館(鹿追町)で、9月から北海道立近代美術館で巡回展があります。

▼「深井隆 物語の庭」板橋区立美術館

いち早く5月30日に再開した板橋区立美術館では、板橋区在住の彫刻家、深井隆さんの作品を紹介する展覧会が開催されています。

深井隆 -物語の庭-|板橋区立美術館

3月14日に開会して4月4日から臨時休館になっていましたが、当初は5月10日までだった会期をかなり延長したようです。ただ、ここってけっこう遠いんですよね……。

▼ 棟方志功『二菩薩釈迦十大弟子』町田市立国際版画美術館

けっこう遠いといえば町田の国際版画美術館。企画展の「インプリントまちだ展2020 すむひと⇔くるひと」は9月まで会期延長になりましたが、棟方志功の世界的な代表作が無料で閲覧できるミニ企画は会期変更になるも6月中に終了のようです。

棟方志功『二菩薩釈迦十大弟子』と仏教版画 | 町田市立国際版画美術館

神奈川などお近くの方はブラっと訪れてみてはいかがでしょう? なお、7月は横尾忠則さんのミニ展示があるそうです。

関連記事:町田から県境をまたがずに都心に行ってみた - 相模原町田経済新聞

6月29日(月)まで開催される展示

▼「特別展 超写実絵画の襲来」Bunkamura ザ・ミュージアム

これは注目の展示でしょう。2019年10月の豪雨で地下の収蔵庫が浸水してしまったホキ美術館の所蔵作品による超写実絵画の展覧会。本日6月11日から無休で19日間だけ開催されます。

3月20日に開会し、5月11日までの予定でしたが、わずか2週間で4月4日から臨時休館となり、そのまま終了。水害にコロナ、まさに弱り目に祟り目でした。それがなんと再開催

特別対談:島村信之×和田彩花① | 超写実絵画の襲来 ホキ美術館所蔵 | Bunkamura

超写実絵画というジャンルはよくわかってないのですが、公式に掲載されている対談企画などを読んで興味が出てきました。なお、被災したホキ美術館も8月1日に再開するそうです。

7月12日(日)まで開催される展示

▼「森村泰昌 エゴオブスクラ東京2020」原美術館

「さまよえるニッポンの私」と副題の付いた映像作品を中心とした最新展示です。

森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私 | 原美術館

1月25日に開会。2度におよぶ休館については休館直前に観覧したレポートにも書きましたが、6月9日に再々開しました。日時指定予約制のため、チケットをetixで購入する必要があります。

他者に溶け込みながら問う、「私」とは?──原美術館ラストイヤーを飾る「森村泰昌」展。 | Vogue Japan

▼「バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」川崎市岡本太郎美術館

本来は4月25日からでしたが当初から休館。6月2日に再開して、会期変更なく予定通り7月12日に終了します。

F・バシェ生誕100年、日本万国博覧会から50年音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振|川崎市岡本太郎美術館

メインタイトルは「音と造形のレゾナンス」で、この造形とは岡本太郎作品、音というのはフランスのバシェ兄弟が約500作品を残した音響彫刻なるもので、かつて大阪万博の鉄鋼館に展示されていた17作品のうち復元された5作品が国内に存在しているそうです。

バシェの音響彫刻5点が一堂に。川崎市岡本太郎美術館で「音と造形のレゾナンス」展が開催|美術手帖

ベルナール&フランソワ・バシェ(音響彫刻作品修復) | 現代美術用語辞典ver.2.0

なお、常設展の「太陽の塔への道~太陽の塔は「生命の樹」だった」展は、10月まで会期延長されています。


7月19日(日)まで開催される展示

▼「写真とファッション」東京都写真美術館

1990年代以降の写真とファッションの関係性を探る展示。

写真とファッション 90年代以降の関係性を探る - 東京都写真美術館

3月3日だった開会が延期され、そのまま5月10日の会期終了を迎えており、そのまま中止という報もありましたが、会期延長になって6月2日に再開。およそ1カ月半にわたって開催されます。

【写真展レポート】「森山大道の東京 ongoing」・「写真とファッション 90年代以降の関係性を探る」展 - デジカメ Watch

なお、当初は同じ会期だった「森山大道の東京 ongoing」は9月22日まで会期延長され、中止とアナウンスされていた「日本初期写真史 関東編」は来年に延期です。一方、本来ならいま開催されている「日本・オーストラリアの現代写真」は中止になりました。

ここまで、7月半ばまでに閉会する11の展覧会を紹介しました。三密を避けるため日時予約になっている展示もいくつかあります。感染防止対策に気をつけつつ、お出かけもしていきたいですね。