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表参道で働くシニアのブログ

ドアをノックするのは誰だ?

mohri2004-03-09


ドアノック。そう略称される名曲。1994年8月発売のセカンドアルバム『ライフ』の中核をなす一曲で、オリーブ連載「ドゥ・ワチャ・ライク」の主題歌として翌年3月にリカットされている。先行シングルとなった「今夜はブギーバック」や「愛し愛されて生きるのさ(→Rock in the Air: 2004.02.26)」よりも強烈に『ライフ』の熱狂を印象付けたのが、11月にリカットされた「ラブリー」とこの「ドアノック」の2曲だった。

ということで「ドアノック」に関する押さえておくべきトリビアをいくつか:

  1. 曲タイトルはマーティン・スコセッシ(→週刊シネママガジン)の「ドアをノックするのは誰?(→みんなのシネマレビュー)」からの引用。
  2. イントロから歌いだしの「わん・りる・きっす」まではジャクソン5の「アイ・ウィル・フィンド・ア・ウェイ」のパクリ。この曲はマイケルが歌ってないのであまりベスト盤などには収録されないが、フリーソウル界隈ではダンスクラシックらしい(→amazon
  3. 「誰かにとって特別だった君を〜僕はサッと奪いさる」という歌詞を一見すると略奪愛の歌のように見えるが、前年開幕したJリーグが大ブームの真っ最中だっただけに、単にその間の「マークはずす飛びこみで」というフレーズを使いたかっただけちゃうかと……。
  4. この曲はイントロがたいへん長い。カラオケで歌おうとするとたいがい歌いだしのポイントを間違える。何しろ当の小沢自体がライブで歌いだしを間違えて、それをご丁寧にもシングルのC/Wに収録している。タイトルは「ドアノック失敗」(そのまんま)。
  5. 「ラブリー」のアナログ12インチシングルは、B面が「ドアノック」だった。完璧。

といったことあたりを切り口に語りだすのが常套なんだろうけど、あいにく映画にもソウルミュージックにもサッカーにも詳しくないので、そういう語りはできない。つまり小沢を語るには圧倒的にオレは知識不足であり、失格なわけだが、一方でそういう蓄積に固められたひとの小沢論はやもすると往々にして鼻持ちならない書生臭さを放つものになりがちなあたりが要注意だったりするので、そういう心配がハナっから必要ないってのがオレの文章のよい点である。あとはこれで鉄ヲタ臭とかガンヲタ臭のしないように気をつければ万全である(前者はすでに無理)。



さて、映画からもソウルミュージックからもサッカーからも語りだせない場合には「ドアノック」の何を語ればいいのか? それはもちろん「ダンス」である。何ダンス? いやいや、何ってもちろん

ドア・ノック・ダンス

に決まってるじゃあーりませんか。

去年、一昨年とオザケンナイトで回していて思ったのだが、最近のオザケンファンはドアノックがかかっているのにドアノックダンスをしない。これは由々しき事態ではないだろうか? この原因が何であるかをわれわれは急遽委員会を招集した結論は以下の3つの可能性が検討課題である。

  1. ファンがどんどん入れ替わっていて、新しいファンは「ドアノックダンス」なんてそもそも知らない
  2. 昔からのファンも「ドアノックダンス」なんて昔のことはもう忘れちまった。
  3. 「ドアノックダンス」なんて恥ずかしいことをいまさらやれるか!

このうちどれが真実なのかはわかんないが、いずれにしても由々しき事態であり、ぞっとしない。もそもそヤング諸君には苦言を呈しておく。

あの「右・左・右・左・右」って掛け声に合わせて体を左右に揺するだけのバカバカしいダンスこそが、「ドアノック」の真髄なのだー。とオレはいまバカボンのパパのように声を大にして大声を張り上げたい。といいたいところだが、実際のところホントにこのダンスはバカバカしくて恥ずかしい。

恥ずかしいんだけど、それを恥ずかしげもなく武道館いっぱいの観客が体を合わせて左右に揺すっている実にバカバカしい風景を大口開けてゲラゲラ笑いながら実現させちゃってるヘンテコな熱狂こそが、この時期の小沢の不可思議な魅力であって、つまり会場が満場一致で舞い上がっちゃって上がって上がって上がりきって我を忘れておかしくなってドアノックダンスするのがドアノックという曲の信じがたい魅力といえるわけで、そのくらいの熱狂を生み出さない限りこの曲をプレイするDJはフロアを本当の意味では盛り上げたとはいえないのである。

って、オレ、いま自分で自分の首しめた? しめてない? 大丈夫? いやマジで?

ということで、もしオザケンナイトに来てくれる方がこれを読んでる中にいらっしゃったら、ぜひともドアノックダンスをマスターしてきていただきたい。マスターというほどのもんでもなくて、曲のサビに合わせて「マークはずす(右)/飛びこみで(左)/僕は(右)サッと(左)奪いさる(右)」と体を揺するダケなのでリズム感の無いあなたも安心。

ちょっと不安なら、小沢のビデオ『Village the Video』を買って予習しよう。と書きたかったけど、ビデオが全部絶版みたいなのでしかたない……DVD再発、しないだろうなあ……。ドアノックのシングルを持ってるひとはウラ面に「振り付け」が書いてあります。あ、コレ見ると正しくは「誰かに〜君を」まではウンタッタで手拍子叩くらしいです。さぁ、あなたもおうちで、レッツ・ドアノック!