in between days

表参道で働くシニアのブログ

クライアントと代理店と制作会社の会話

プレゼン前日

制作
明日のプレゼンですけどコピーはこんなんでどうでしょうね?
代理店
おお、なかなかいいじゃない。これが本命?
制作
そです。いちお対抗がこっちで、あとこれもベタだけど意外性がありますよ。
代理店
おーけーおーけー。これで行こう。じゃああと7つ考えて。
制作
え? コピー案は3つじゃないんですか?
代理店
クライアントが10個出せって言うんだよ。でもどうせこの3つの中で決まりだからさ、あとなんかテキトーな、むしろぜったいこれは無い!ってやつを混ぜといてよ。数合わせでさ。本命の3つが引き立つようなしょーもないダジャレとか。
制作
あー。はいはい。わっかりました。(同行の下っ端に)じゃあ考えて、今すぐ。ここで。
下っ端
え? オレっすか?
制作
そだよ。オマエがいつも会議で出してるようなさ、突っ込みようも広げようも拾いようもないダジャレでいいんだから。簡単だろ。馴れてるだろ。いつものオマエを出せば大丈夫。どうやっても面白くなんないから。
下っ端

プレゼン当日

代理店
…というコンセプトに沿ってコピー案をこのように…
クライアントの平社員
そうですねー…。この3つが良さそうな気がしますが…
代理店
ですよねー。
クライアントのエライ人
下から2つ目!
全員
は!?
クライアントのエライ人
下から2つ目だよ! これはいいね。
エライ人の腰巾着
いいですねえ。新しい。華がある。
代理店
華が…ありますか……
クライアントのエライ人
いやーさすがだね。これほどピッタリくるのはないね。
エライ人の腰巾着
さすがです。ピッタリです。
代理店
…はあ…でも…その…それは数合わ…
クライアントのエライ人
コピーはこれで決定ね。あとはヨロシク! じゃ!
エライ人の腰巾着
ということでよろしくおねがいいたします。それでは。
全員
代理店
(残されたクライアント平社員に)決定…ですか…?
クライアントの平社員
はい…もうしわけありませんが…
代理店
…そこをなんとか…
クライアントの平社員
無理

プレゼン翌日

制作
エッ!?(絶句)
代理店
二の句を継がないのはなしな。
制作
でもこれってウチの下っ端が考えた数合わせのじゃないっすか。
代理店
そうなんだよ。
制作
そうなんだよって…これで広告作るんすか? 無理ッス。
代理店
即答なしな。
制作
どうしてもっていうなら作りますけど…
代理店
どうしても(ぼうよみ
制作
わかりました。じゃあ条件をひとつのんでください
代理店
なに?
制作
ウチが作ったってのはないしょにしてもらえませんか?
代理店
はずかしい?
制作
うん。すごく

そして数ヶ月後

指、来たっすネ。

ユビキタスとは、それが何であるかを意識させず(見えない)、しかも「いつでも、どこでも、だれでも」が恩恵を受けることができるインタフェース、環境、技術のことである。
- ユビキタス - Wikipedia