『指輪物語』や『ナルニア国』の翻訳で知られる瀬田貞二さんに『絵本論』(ASIN:4834004112)というハードカバーで550ページ以上ある大著があります。大著過ぎるのですが、運良く近所の図書館にあったので借りて、2度も返却延長してようやく読み終えました。
感想としては1956〜76年に書かれた原稿をまとめたものというだけあって、やはり古い本という印象は拭えません。瀬田さんの絵本の考え方にはいま読んでも頷けるところも多々ありますが、それならば『幼い子の文学』(ASIN:4121005635)という手軽な新書もあるので、そちらで十分かもという気もします。
特に日本の絵本の紹介という面では、現在でも広く知られる方は長新太さんのお名前が見えるくらいで、名前を挙げて紹介されているのは童画を数多く手がけた挿絵画家や前衛画家の方ばかりだなあという印象です。まあ、そういう時代だったのかもしれませんが。
翻訳絵本の古典
ただし、それならばそれで見方を変えて、翻訳絵本の古典のカタログとして見るなら、これはなかなか素晴らしく、すぐにでも読みたくなる絵本が数多く取り上げられています。
それならということで、この本でかなりの分量をもって紹介されている絵本を今後の参考のためにリストアップしてみよう、という自分用のメモ企画です。けっこう作るのに時間がかかったので、せっかくなのでここに置いておくことにします。
エントリの構成
『絵本論』は全体が大きく次のような構成になっています。
- 絵本に出会う
- 絵本に出会う
- 絵と物語
- 絵本作家の世界
- 十二人の絵本作家たち(+追考二篇)
このうち1-3と2は絵本作家ひとりで一節をかけて論じていますので、それぞれ有名な絵本作家の代表作が挙げられています。全部を一度に載せると長くなるので、1-1〜2、1-3、2の3回に分けようとおもいます。今日は1-1〜2までの絵本をピックアップし、絵本作家別の1-3と2については日を改めます。
参考
児童文学や絵本の翻訳・評論をとても数多く手がけられた瀬田先生のお仕事の一覧はこちらに詳細がありました。
またこのリストでは本の詳細は割愛していますが、それを4回にわたって詳しく書かれていたブログがありました。
*1:[追記]URLの変更をコメントいただいたのでリンク先変更しました