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表参道で働くシニアのブログ

正月なので棟方志功「釈迦十大弟子」を見てきた

というのは会期が10日程度しかなく7日には終わってしまうためで、正月2日に日本橋の三越本店まで行ってきたのだけれど、正月の日本橋は実に正月らしくてよかった。

棟方志功の福光時代展 | 日本橋三越本店 | 三越 店舗情報

初めて棟方志功をちゃんと見るなあと期待しつつ、着いてみたら催物会場だったので物販メインなのかなと警戒しつつ入ったのだけど、作品数も多くて安心した。

2018年7月から釧路市立美術館でやっていた「棟方志功の福光時代展 信仰と美の出会い」の巡回展で、終戦直前に疎開しそのまま戦後しばらく暮らした富山県福光町(現南砺市)の時代にフォーカスしており、福光美術館および分館の愛染苑(棟方志功記念館)の収蔵品が中心となっているようだ。

南砺市立 福光美術館 | 世界のムナカタがわかる美術館

棟方志功といえば版画(板画)と肉筆画(倭画)だけど、この展示では大きな屏風絵「松柏図」と襖絵が出ていて、これが面白かった。

ともに終戦直後の1946年の作品で、襖絵は愛知県西枇杷島町(現清須市)の西方寺の「五智菩薩図」全10面の大作で、裏にも4面ずつの「御貝図」と「御松図」を描いている。ふつうの描線ではなく、墨と青の勢いのある飛沫で松の木などが描かれていて、志功は躅飛飛沫隈暈描法(ちょくひ ひまつ わいうん びょうほう)と命名したそうだけど、アクションペインティングだよなこれ。

版画作品では有名な「釈迦十大弟子」が出ていて、なるほどこれはさすがにというかんじがあった。初版の「二菩薩」も別に出ていて、後のいかにも志功という女性の顔や体の表現にまだ類型化されていないところがよかった。

展示のカタログ代わりの作品集も出てて、プロモーションみがある。

美と信仰の出会い 棟方志功の福光時代展 青幻舎プロモーション | SEIGENSHA Art Promotion