東京国立博物館でやってる特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」を見てきた。
特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」 - 東京国立博物館 - 展示 日本の考古・特別展(平成館)
東博の通常展示でも書はほんとにぜんぜんわからなくていつもスルーしてるもののひとつなんだけれど、おでんくんこと「最強」との呼声も高いアイドルグループ「アンジュルム」のエース・竹内朱莉さんも見に行ったそうで
しかも「私が大学受験の時に書いた、王羲之の蘭亭序の作品を間近で見れたのは本当に感動しました」などとあって、たけもだてに丸いだけじゃないんだなと見識を新たにしつつ、せめて何もわからないで帰ってくることは避けたかったので、事前にわかりやすそうな参考書を探してみた。
- 作者: 石川九楊
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/05/01
- メディア: 単行本
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結果として、この本を読んでってよかった。それこそ甲骨文から始まる書の歴史がおぼろげながらわかってきたし、何より「漢字の形」の歴史を意識できるようになったのがよかった。現在のJIS第なん水準みたいな世界に生きてるわれわれとしては、漢字には一意に登録された一覧表がなにかあって、それが「本当の漢字」であり、それを雑に書き崩したものが草書だったり行書だったりという認識であったけれど、実はそれぞれの書体を選択することに意味があり、行書は士大夫の書体であるという説明など面白かった。
顔真卿展については、タイトルがちょっとどうかという記事が出ていて、
中国の著名書家「顔真卿」の日本展が中国で炎上している理由 | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン
ネタ元になっているこういう記事もあるようだけど
東京国立博物館の『顔真卿展』に激怒する現代の紅衛兵 | 風刺画で読み解く中国の現実 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
要は、所蔵している台湾でもめったに展示されず、当然ながら中国本土ではほとんど誰も見られないお宝を日本が借りて展示しててキーって前評判だったけれど、フタを開けてみたら良い展示だったという話らしく、台北の故宮博物院からは目玉の顔真卿「祭姪文稿」のほか、王羲之の原跡による「黄絹本蘭亭序」と、懐素「自叙帖」「小草千字文」の計4点が来ているようだった。「自叙帖」すごかったなあ。
展示そのものについてはこのブログがすごいまとまってた。
あと「説き語り中国書史」を最後まで読んだら、先日のブログで京都まで見に行ってよくわからなかったと書いた斉白石の篆刻が出てきて、しまった篆刻はちゃんと見てこなかった! という気持ちになった。