短かった平成31年に参加した現場を振り返るシリーズ。1月に続いて2月分。なお、前期・後期で展示替えなどあって何回か入っている展示は、最後に訪れた月にまとめて入れています。
- 藤浩志《Happy Paradies》ほか、京の旅、冬の旅
- 岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟(東京都庭園美術館)
- 顔真卿 王羲之を超えた名筆(東京国立博物館)
- インポッシブル・アーキテクチャー(埼玉県立近代美術館)
- 山口晃 昼ぬ修羅(横浜能楽堂)
- ヒグチユウコ 展 Circus(世田谷文学館)
- 相原求一朗の軌跡 大地への挑戦〈前期〉〈後期〉(川越市立美術館)
- イサム・ノグチと長谷川三郎 変わるものと変わらざるもの(横浜美術館)
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藤浩志《Happy Paradies》ほか、京の旅、冬の旅
真冬の京都に出かける用事があり、ついでに1日かけて美術展と寺社を4つハシゴした。
応挙・雪舟・若冲・等伯・宗達あたりが出てる「温故礼賛」展を承天閣美術館でやってて行きたかったのだけど、時間の配分とルーティングの関係で諦めた。残念。
岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟(東京都庭園美術館)
1950年代に7年間だけフォトコラージュ作家として活動し、近年また評価が高まっている岡上淑子の作品展。旧朝香宮邸のアールデコな雰囲気が作品にマッチしていてよかった。
- 作者: 岡上淑子
- 出版社/メーカー: 青幻舎
- 発売日: 2019/02/08
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美女と野獣を無邪気にクラッシュアップさせた幻想的な作品がよかった。ただ、社会派な作品はメッセージに引っ張られてしまっているようで、活動に行き詰まって制作を止めたということだったけど「たしかになー」とおもった。
- 作者: 岡上淑子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/01/18
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顔真卿 王羲之を超えた名筆(東京国立博物館)
東京国立博物館 - 展示 日本の考古・特別展(平成館) 特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」
書をちゃんとまとめて見るのははじめてなので、まだまだ何もわからなかったけど、狂草は単純におもしろかったし、構成や解説もわかりやすくてよかった。
東洋館の常設展示で「王羲之書法の残影 唐時代への道程」も。
東京国立博物館 - 展示 アジアギャラリー(東洋館) 王羲之書法の残影―唐時代への道程―
また、ミュージアムシアターで「風神雷神図のウラ 夏秋草図に秘めた想い」を鑑賞。酒井抱一が尾形光琳の屏風の裏に書いたというあれ。
東京国立博物館 - 催し物 ミュージアムシアター 過去のミュージアムシアター VR作品「風神雷神図のウラ -夏秋草図に秘めた想い-」
インポッシブル・アーキテクチャー(埼玉県立近代美術館)
次のリンクのアイキャッチ画像にもなってる旧ソ連《第三インターナショナル記念塔》で始まり、ザハ・ハディド《新国立競技場》に終わる構成。
入り口から延々とさまざまな理由(コンペに落ちた、資材不足、技術不足、そもそも構想のみ、など)でインポッシブル(不可能)とされた建築をさんざん見てきて、最後にザハ案の大量の設計書(リビジョン11bという数字が生々しい)が見事な模型やPR用ビデオと並んで展示されている。傍らには、構造から何から必要な設計はすべて終わっており、必要な認可もすべて出ていて、あとは大臣のゴーサインを待つだけだったというような設計担当者の言葉がある。
ザハ・ハディド アーキテクト(イギリス)|最優秀賞|新国立競技場
名前を聞くのも初めてというプロジェクトばかりの中で、この作品だけは他よりその経緯や特徴などを何となく多く知っているはずだけど、こうしてあらためて見てみると「なぜ不可能だったのか?」がわからなくなる。そんな展示だった。
同展はいま新潟に、さらに広島で秋、年が明けて大阪と巡回するようなので、お近くで興味のある方はぜひ。
インポッシブル・アーキテクチャー ― もうひとつの建築史 | 全国巡回展情報
常設展では、新収蔵のポール・シニャック《アニエールの河岸》や瑛九《田園》の特別展示も。
図録だけ売ってるのは便利。
- 作者: 埼玉県立近代美術館,新潟市美術館,広島市現代美術館,国立国際美術館,五十嵐太郎
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山口晃 昼ぬ修羅(横浜能楽堂)
能楽堂が美術館に。山口晃が修羅をテーマにした個展「昼ぬ修羅」を横浜能楽堂で開催|MAGAZINE | 美術手帖]
「能楽堂として使われる空間にインスタレーションを展示」とのことだが、能楽堂が利用されてない日のみ閲覧できるので、訪れた日は2階の展示スペースのみ。でも、おもしろかった。
▼ 横浜能楽堂|お知らせ横浜能楽堂特別展 山口晃「昼ぬ修羅」]
桜木町の駅から坂を登っていくのだけど、横浜のすりばちな地形が少し体感できた。
ヒグチユウコ 展 Circus(世田谷文学館)
かなり混んでるという話だったので有休がとれた平日に言ったのだけれど、それでもかなりの女性客がいた。映画のポスターよかった。
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相原求一朗の軌跡 大地への挑戦〈前期〉〈後期〉(川越市立美術館)
日曜美術館でやっていて、色合いが気になって行ってみたらやっぱりよかった。あと同じように番組を見たっぽい客がけっこういた。大作《天と地と》や、廃線を題材とした《幸福駅 二月一日》などが出ていたのは後期だけど、ヨーロッパの風景などもん含む前期のほうがよかった。
生誕100年 歿後20年 相原求一朗の軌跡 ―大地への挑戦―(2018年度冬)/川越市
駅から遠くい美術館はいくつかあるけれど、観光客であふれる渋滞の町中を抜けていかなければならないという点で川越市立美術館はたぶん最悪の立地で、前期でバスを利用したらぜんぜん進まなくて辟易としたので、後期ではタクシーを使った。そうしたら運転手さんが川越の美術事情に詳しい方で、相原求一朗は本業が会社の経営者で川越の名士だったということだけど、生前は個展を開くと商工会議所か何かの付き合いで大きな絵から売れていってたという話はなかなかおもしろかった。
- 作者: 相原求一朗
- 出版社/メーカー: 求龍堂
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イサム・ノグチと長谷川三郎 変わるものと変わらざるもの(横浜美術館)
長谷川三郎の初期作品がおもしろかった。
イサム・ノグチと長谷川三郎 変わるものと変わらざるもの | 横浜美術館
あわせて常設展や最果タヒの詩の展示も。
New Artist Picks 氷になる直前の、氷点下の水は、 蝶になる直前の、さなぎの中は、 詩になる直前の、横浜美術館は。 ―― 最果タヒ 詩の展示 | 横浜美術館