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表参道で働くシニアのブログ

美術館女子が話題になってるなか、その東京都現代美術館をちょうど和田彩花も「美術が大好きな人間」として訪れていたこと

読売新聞の「美術館女子」って企画が一部で話題になっていて、話題といっても批判的な取り上げられ方だけど、実際の記事はAKB48のチーム8に所属する小栗有以さん(東京都出身)が、深川の東京都現代美術館の展示室でグラビア撮影されつつ作品の感想を語るという企画でした。

それでツイッターを見てると「美術館でアイドルなら、元アンジュルムの和田彩花(あやちょ)なのでは?」というようなツイートもあって、たしかにエドゥアール・マネ好きが高じて大学院で美術史を学んだ経歴からして適任ですね。アート仕事かなりしているし。

和田彩花の「アートに夢中!」(第39回)【番外編】大好きな美術館。行ってみたい美術館(国内編) - ぴあ

その上で「あやちょなら作品をちゃんと解説してくれそう」とか「むしろ、断るんじゃないか?」といった意見もあったりして、たしかにあやちょなら仕事をうけて、ふつうにグラビア撮影もして、感想を語る段になって「美術館女子っていうのは私はおかしいと思うんですよ」と素でダメ出ししそうだなとおもいました。

そんな和田彩花さんも東京都現代美術館を訪れていました

そんな中、その和田彩花さんが騒動を知ってか知らずか、たまたま観覧してきた展覧会のレポートをツイッターに上げていて、それがまさに東京都現代美術館の企画展だったのがあまりにおもしろすぎる偶然でした。

生活や環境にも言及した感想はさすがあやちょですね。

この「美術が大好きな人間」というのいいですね。とくに「大好き」というところに思いがこもっているようなきがします。

このカラフルな「オラファー・エリアソン」展の詳細はこちら。

オラファー・エリアソン ときに川は橋となる | 東京都現代美術館

この夏から秋にかけて東京都内で見れる展示としては、国立西洋美術館の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」や国立近代美術館の「ピーター・ドイグ展」と並ぶ注目の美術展なのではないでしょうか。どれもまだ見てないので早めに行きたいなとおもっています。

一方、小栗さんが見たのはもうちょっと地味な、所蔵品による企画展とコレクション展ですね。

ドローイングの可能性 | 東京都現代美術館

MOTコレクション いまーかつて 複数のパースペクティブ | 東京都現代美術館

実は「ボストン美術館展」とコラボしたかったのではないか説

ところで小栗さんの撮影ですが、いかにもな現代美術の前でポーズを取らされて、どうも相性がよくなさそうです。実は「ドローイングの可能性」展は、再開したけど1カ月かそこらで終了する美術展まとめを書いたときにもう見に行ってて、興味深い展示でしたけど、グラビア撮影にはかなりミスマッチ感あるようにおもいました。

それで考えたんですけど、本来なら同じ東京都の施設である東京都美術館で撮影するものだったんじゃないでしょうか。だって「ボストン美術館展」という大規模な展覧会をやってたはずですし、主催が日本テレビですから番宣の座組みとしてもバッチリなわけです。

【公式】ボストン美術館展 芸術×力|日本テレビ

こういうブロックバスターな展示になると美術がとくに大好きじゃなくても見に来ますから、例えば出品されるはずだったエメラルドのブローチとの組み合わせなら、きっとかなり絵になってたんではないかとおもうんですよね。

本展には女性達を彩ったジュエリーも出品されます。なかでも目を引くのは、大粒のエメラルドが施されたブローチ。世界で最も裕福な女性の一人とされたマージョリー・メリウェザー・ポスト(1887-1973)が所蔵していたものです

https://www.ntv.co.jp/boston2020/highlight/

しかし、ボストン美術館展は、アメリカが世界ナンバーワンの新型コロナウィルス感染状況なので物流が止まってしまい、ボストンから作品が届かないので中止になりました。

そのため同じ東京都で代わりを急に探した結果、東京都現代美術館で収蔵品のみになったのではないか、そうだとするならコロナウィルの感染拡大によってアイドルのグラビアが事故ってしまったということになり、これがバタフライ効果ってやつなのかもしれません。知らんけど。

チーム8が全国で地元の美術館を巡る企画はどうなるのだろう

ところで美術館ならたくさんあるのに、なぜ東京都の美術館だったのか。あまり気にしている人はいないようですけど、それは「チーム8」だということに関係していて、実はそれがわかったときにすごい腑に落ちたというか、企画として納得しちゃったところがあります。

AKB48というグループは、チームA、チームK、以下同様にB、4、8と5つに分かれて活動していますが、このうち「チーム8」だけ編成が特別で、各都道府県から1人ずつメンバーが集められてて、全47人(欠員あり)で構成されています。メンバーはそれぞれ地元の自治体を背負って出てきてるので、ほかのチームよりバイタリティがあり、対バンなどにも積極的で、わりとガッツがある活動をしていると聞いたことがあります。

AKB48 team8 : 読売新聞オンライン

読売新聞は、そういった地元選出のアイドルという背景を新聞の「地域面」とタイアップさせた企画をもう1年前からやっていて、地元のドライブスポットを紹介したりといったスピンアウトの一種として、コロナ自粛で集客にも苦慮する地方の美術館を地元のアイドルが訪れてアピールしようという地域おこしの応援企画だったと考えられます。

それで初回は小栗さん出身地の美術館がアサインされたわけですけど、それが東京都だったので地元感があまり理解されず、また現代美術をバックに撮影というミスマッチな仕上がりになってしまい、いろんな方向からツッコミやすかったのかもしれないなあとおもったりします。

ともあれ、チーム8が美術館を巡る企画はどうやらまだ続くようなので、うまくマンスプレイニング的な構成を脱して、美術が大好きな人間にも刺さるようピボットされるといいなとおもいました。