一つ前に書いた「三国志」展の記事で「なんと全展示が写真撮影可」と嬉しそうに書いたわけだけど、撮影可能な展示で気になるのが、やっぱりスマートフォン・携帯電話の撮影音です。
「げぇっ関羽」と驚いてた曹操の墓に埋まっていたものとは? 東京国立博物館で考古学的にリアルな「三国志」展を見る - in between days
三国志展の東京国立博物館のように会場が広かったりすればそれほど気にならないのですが、小さめの会場で来場者もいっぱいだったりすると会場じゅうに「キッシャー」「カッシャー」というシャッター音が響きまくって、思わず耳を塞ぎたくなるときもあります。
実際に、5月に東京ステーションギャラリーで開催された「ルート・ブリュック展」では、シャッター音に対する苦情が著しく多いために、撮影可能なフロアが半分に減らされるということがありました。これは悲しい。
こういう悲劇を繰り返さないためにも、美術展で撮影するときにできることについて考えてみましょう。日本で国内キャリアのSIMを使う限り、デフォルトのカメラアプリのシャッター音は消えないわけですが(Androidでは端末によってマナーモードが効いたりするみたいです)、無音のカメラアプリをiPhone、Androidとも追加で入れることができます。
iPhoneならMicrosoft Pixが定番
Microsoft Pixは名前の通り、OfficeやWindowsで知られているマイクロソフトが開発しているiPhone用のカメラアプリです。
公式ページには「AI 搭載のカメラアプリ」「シャッターを押す前後も記録」といった特徴がアピールされていて、パノラマ撮影やフィルターといった凝った機能がない代わりに、手軽にシンプルにベストショットが撮影できるアプリということに特化しているようです。
アプリのレビューブログなどでは「最強の無音カメラ」と紹介されていますが、公式ではとくにそれはアピールしていなくて、日本でも無音にできるのは何らかの機能の副産物なのかなと思いました。
▶ 「Microsoft Pix カメラ」をApp Storeで
App Storeからインストール後、「設定」アプリから[Microsoft Pix]▶[シャッター音をオフにする]で無音に設定できるそうです。
AndroidではOpen Cameraがよさそう
Open Cameraは名前の通り、オープンソースで開発されているカメラアプリです。Microsoft Pixと違い、さまざまな機能が盛り込まれた多機能カメラです。
Playストアからインストールでき、設定の歯車から「Camera2 APIを使う」を有効にすると、メニューの「カメラ制御の詳細設定」からシャッター音をオンオフできるようになります。
どうやらAndroidが提供しているカメラ関連のAPIをまるっとアプリで使えるようにしてみようという個人開発らしいプロジェクトで、先ほど書いたCamera2 APIにシャッター音を制御できる機能が含まれていて、それをそのまま実装しているため無音化が実現しているようです。
このあたりは詳しく解説しているブログがあったので、こちらを読んでもらったほうが早いです。
Open Camera download | SourceForge.net
広告も出ないシンプルな無料アプリですが、開発継続の寄付ができます。気に入った方はぜひ。ソースコードや開発イシューは、SourceForgeで管理されています(GitHubじゃないのかっておもったけど、SFもかなり昔からgitリポジトリだったんですね)。
SNS時代の美術展と無音カメラアプリの需要
カメラのシャッター音が問題になるシチュエーションはほかにもあって、IT系の勉強会などではわざわざ「スライドを撮影したいならMicrosoft Pixを入れておいてください」と断り書きを入れている申し込みページもあったりします。私はそれでこういうアプリの存在を知りました。
最近は美術展でも、会場全体ということは少ないにしても、SNSで写真を拡散してもらうことが入館者に影響するということが知られてきて、一部「撮影できます」コーナーが用意されている展示もかなり多くなってきました。そういうコーナーでは、無音のカメラアプリがあることを紹介してもいいんじゃないかなと思いました。
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あ、そうそう。ルート・ブリュック展は行きましたが、すごくよかったです。
こんなかんじでSNSシェアしましたし、映える作品なので撮影しまくりたくなるのはわかります。先日書いた記事にも、撮影OKなフロアで撮った作品をいくつか掲載しています。
9月から大阪に巡回するそうなので、お近くの方はぜひ行ってみてはいかがでしょう(大阪会場ではどの程度が撮影可能になるのでしょうね)。