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表参道で働くシニアのブログ

カレン・フェラン「申しわけない、御社をつぶしたのは私です。」、デビッド・C・ロバートソン「レゴはなぜ世界で愛され続けているのか」、ちきりん「「自分メディア」はこう作る!」読んだ

2014年に出たビジネス系の書籍をいくつか読んだ。ふだんビジネス書はほとんど読まない(あまりマーケティングやセールスに興味がないので、だいたい途中でどうでもいいや、みたいになっちゃう)んだけど、どの本もおもしろくて最後まで読めた。

カレン・フェラン / 申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

既存のコンサルティングの手法をひとつひとつその歴史とともに取り上げて、発想や狙い、効能をひと通り説明したあとで、だいたいそれを導入しようとして問題が発生したといった失敗談でまとめるという構成。自分が経験した失敗談なら自分の話として書いている。

この本は「コンサルティング不要論」のようなタイトルでもあるけど、もちろん著者自身もコンサルタントなので、そういったものではない。むしろコンサルティングの手法が、いかに手段と目的が逆転しやすく、無用の長物になりやすいかということを語っているような本だった。提案を実施することにやっきになり、本来の問題を解決することがおざなりになってしまう。そういった事例が繰り返し述べられる。失敗から学ぶ本といえる。

では、どうすれば手段を手段として利用できるか、あるいは著者はどうしているか? 各章で少しずつ語られているが、おそらく人にフォーカスすることを忘れないこと、と書くとあまりに普通すぎるはなしではあるけど。

関係ないけど、深夜番組の「しくじり先生」が人気だったり、年末に大規模な 失敗力カンファレンス が開催されていたり、日本でもいま「失敗」をひとつのエンタメ・ストーリーとして取り上げるムーブメントが来てるんだろうか?

デビッド・C・ロバートソン / レゴはなぜ世界で愛され続けているのか ―― 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理

レゴはなぜ世界で愛され続けているのか 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理

レゴはなぜ世界で愛され続けているのか 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理

近年のレゴ社におけるさまざまな新製品開発のドキュメンタリーで、マインドストームバイオニクルアーキテクチャー、ニンジャゴーなどの開発の舞台裏が語られるとなればそりゃ読むでしょというかんじだけど、サブタイトルに「イノベーション」とあるようにちゃんとビジネス書で、著者がいう「イノベーションの7つの真理」を、レゴ社がいかにしてその導入に失敗し、それを挽回したか、というストーリーが描かれる。

ユーザーと会ったり、小売と向き合ったり、社内の人的リソースを正しくマネジメントしたりすれば上手くいったということで、上に上げた本の失敗の話のすごく大きな具体例のようでもあった。登場人物の多すぎる「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」というかんじもある。

個人的に驚いたのは、大好きだった「エクスプロア・ミュージックローラー」が大失敗事例として登場してきたことで、たしかにデュプロの代わりにはならないだろうけど……。

ちきりん / 「自分メディア」はこう作る! ―― 大人気ブログの超戦略的運営記

ブログ運営本だけど、個々の記事の書き方よりはその原則論、あるいはブランディングやメディアマネジメントといった側面を中心に学ぶところを多い本だった。

ビックヒットの記事が出た翌日には、その振り返り(昨日のPVがすごかった話)じゃなくて、もっとがんばってもっともっとおもしろい記事を書け、というくだりは、確かに! というかんじだったけど、まあなかなかおもしろい記事を連発はできないよね……。

吟じます! 「ラッスンゴレライ」の仲間たちには、まだこんなにあったのにー、すっかり忘れてたー!

ひとつ前の記事の「リズムネタはどこまでリズムネタか」ってコーナーでリズムの向こう側へ駈け出していきたかったんだけど、いろいろ抜けてた。なんか忘れてるなーとおもったら案の定いっぱい落ちてた。

Facebookで「都々逸なんかもそうだよね」って友達がコメントしてくれてて、それでエロ詩吟を完全に忘れてたのに気づいた。吟じます!

爆笑レッドカーペット 天津木村 09.03.25 - YouTube

それこそ漫才のルーツが萬歳であるということとか、浪曲からの音曲漫才とかあるわけだけど、エロ詩吟はそういったお笑いの伝統とまったく関係なくいきなり吟じてて突然変異っぽいのがおもしろい。

あ、関係ないといえば、小島よしおは「コール」って言っていいよね。これもすっかり忘れてたけど。

小島よしお 「立ち位置間違えた そんなの関係ねえ」 - YouTube

で、お笑いからは離れていくけど、能、講談、浄瑠璃、歌舞伎、浪曲などを現代にアレンジしてる取り組みといえば、NHK Eテレにほんごであそぼ」でがおもしろい。超名曲「こころよ」の動画は「私と小鳥と鈴と」ってDVDに入ってるらしい。

にほんごであそぼ 私と小鳥と鈴と [DVD]

にほんごであそぼ 私と小鳥と鈴と [DVD]

ズクダンズンブングンゲームとダンソンフィーザキーはちょいちがうジャンルなきがする

「ラッスンゴレライ」とその仲間たち、あるいはリズムネタに関する考察。とんねるずにはじまる「コール」の系譜について - in between days

お前らたまには「ズクダンズンブングンゲーム」のことも思い出してあげてください

2015/02/15 23:10

すすす、すいません!!!1 まことに申しわけない。

あんなに大好きだったズクダンズンブングンゲームを忘れてるとか、まじふざけ倒せよ!

はんにゃ(ズクダンズンブングンゲーム) エンタの神様 - YouTube

イロモネアで、若手が出場権をかけてネタを披露するライトニングトークみたいなコーナーで、台に乗ってスタジオの真ん中にせり上がってきて1分だかでひな壇の芸能人を笑わせないといけないのに、はんにゃ、せり上がってきた瞬間に2人で回りだして「ズクダンズンブングン!」ってポーズ取ってそれで瞬殺。すごかった。

あ、最後にイシバシハザマのブリッジが好きだったの突然におもいだした!

爆笑レッドカーペット イシバシハザマ 09.03.25 - YouTube

おまけ

音楽ネタといえば高名なロックバンドについてのネタがあったよね。

それはエアロスミスやないか!

音楽のはなしばっかしてると怒られるので、もうこのあたりにしておきます。

天津 木村のエロ詩吟、吟じます。

天津 木村のエロ詩吟、吟じます。

「ラッスンゴレライ」とその仲間たち、あるいはリズムネタに関する考察。とんねるずにはじまる「コール」の系譜について

8.6秒バズーカーのリズムネタ「ラッスンゴレライ」が完全に流行っている。

去年なら「イイジャアナイノー」と叫びながら通りを歩いてた小学生も、最近は「イミワカランカラデキマッセーン」と叫んでいる。先日は駅でスタンプを押してたら後ろを女子大生風の2人組が「説明しろと言われましても♪」と言いながら通りすぎてナニゴトかとおもった。

「ラッスンゴレライ」というネタを、知らないひとのために説明すると、手拍子を「パン・パン・パン・パン……」と叩きながら、そのリズムにあわせて「ラッスンゴレライ説明してね?」「説明しろと……」と掛け合いする……って説明してもサッパリなので、公式動画をとりあえず見てください。

【公式】8.6秒バズーカー『ラッスンゴレライ』 - YouTube

8.6秒バズーカーってお笑いコンビは聞いたことなかったんだけど、まだデビュー1年にならない超若手らしい。

オリエンタルラジオ「武勇伝」の蛮勇

さてさて超若手でリズムネタで大ブレイクといえば、先駆者として「武勇伝」というネタで超スピードブレイクしたオリエンタルラジオがいる。こちらのネタなら知ってるひとも多いんじゃないだろうか。2005年デビューらしいから10年になる。もう10年という気もするけど、お笑いの世界で10年はまだまだ若手かも。

んでもって先駆者らしくラッスンゴレライやってみたりなんかしちゃってるらしくて、これが完成度高すぎてカンペキに本家を食っちゃってておもしろい。さすが10年選手。

完コピ!オリラジが「ラッスンゴレライ」をやってみた !8.6秒バズーカーも驚愕!「日本女子博覧会-JAPAN GIRLS EXPO 2015 春-」発表会1 - YouTube

武勇伝ネタのほうはこのあたりで見れる。2005年のはテレビ初登場らしいけど、いま見てもぜんぜん面白くて、このコンビ、今出てきても売れるだろうってきがする。

オリラジ - 武勇伝(1)(2005.04.20ゲンセキ) - YouTube

それを10年目ふたたびやってみてるのがこっち。蓄積があっておもしろい。

2014年 エンタの神様 オリエンタルラジオ 新・武勇伝 - YouTube

ラララライ体操あるある探検隊オオカミ少年

こういう「パン・パン・パン・パン……」のリズムに載せて展開するお笑いネタを「リズムネタ」というらしい。パッといくつか浮かぶので、おもいつくままに挙げていこう、

まずは、「単独ライブ発表「8・6秒バズーカー」に藤崎マーケットがシビアな助言 - 東スポWeb」も話題になった、藤崎マーケットラララライ体操」。

藤崎マーケット ららららい体操をはじめます(≧ω≦)b OK!! - YouTube

レギュラー「あるある探検隊」。コンビ結成は1998年とかなり先輩。このネタは2004年の「笑わず嫌い王決定戦」でブレイクしたらしい。

レギュラー あるある探検隊 - YouTube

そして、オオカミ少年(ネタ名はなんて言うんだろう? どんどんどん?)。2003年結成で、東京大阪は違うけど藤崎マーケットと同期。

【オンバト】オオカミ少年 4 - YouTube

リズムネタはどこまでリズムネタか

このようにリズミカルなブリッジを挟みつつ一定の繰り返しパターンでネタ(主にあるあるネタを連発するというネタから、リズムの取り方の違いやどのくらいリズミカルかの範囲を広げていくと、たくさんの周辺ネタがある。

例えばジョイマン「ラップで輪唱」。

ジョイマン「ラップで輪唱」 - YouTube

クールポコ「やっちまったなー」、波田陽区ギター侍」、ヒロシ「ヒロシです」、鳥居みゆき「ヒットエンドラーン」。

【あらびき団】鳥居みゆき 初登場!適当コント炸裂 - YouTube

2700「右ひじ左ひじ」。あ、2700ならキリンスマッシュとか、こっちのネタのほうが好きだなあ。

【2700】このダンスをする - YouTube

そして、いまや「ラッスンゴレライ」と並ぶ二大リズムネタとなっているバンビーノ「ダンソンフィーザキー」。

キングオブコント バンビーノ ダンソン - YouTube

キングオブコントでリズムネタといえば、ラブレターズ「西岡中学校校歌」。

タカアンドトシ Hi Hi ラブレターズ 爆笑漫才を披露 - YouTube(別の番組ですが)

このあたりになるとリズムというより歌ネタ。となると、どぶろっく、マキタスポーツ。そして、AMEMIYA。

面白ソング AMEMIYA (冷やし中華始めました) - YouTube

ブリッジ部分に注目すれば、ガレッジセール「エンジョイプレイ」や、三瓶の「三瓶です。」などなど、エンタの神様やレッドカーペット、あらびき団などでショートネタが大ブームだった2000年代中ごろ頃にはほかにもたくさんいたようなきがする。

漫画トリオ、音曲漫才、オッペケペー

もっともっと振り返ってみよう。特徴的なブリッジでネタをつなぐといえば、現代のお笑いでは横山ノック上岡龍太郎と組んでいた漫画トリオ「パンパカパーン!」が嚆矢ではないか。1960年代。

漫画トリオ - YouTube

それとはまた別に音楽ネタということなら、戦前の「あきれたぼういず」から、横山ホットブラザースや玉川カルテット、そして「ボカスカじゃん」に至る音曲漫才、ボーイズ物の系譜がある。あきれたぼういずは昭和10年(1935年)結成というから、実に80年のなるリズムネタの伝統が日本にはある。

もっと遡れば、三遊亭萬橘「へらへら節」、三遊亭圓遊「ステテコ踊り」あたりの寄席芸が1880年ごろというから、1世紀を超える。寄席を飛び出して世間の流行歌となり、録音も残っているのが川上音二郎オッペケペー節」。

川上音二郎一座 [明治の流行歌]オッペケペー節[日本人最古の歌声] - YouTube

これはリズムの取り方が「ラッスンゴレライ」などと違って、いかにも明治の節回し。歌詞を書き出してみるけど、「行けるかへ?」「行けないよ」のくだりは現在のラップでもありそうだ。

不景気極まわまる今日に
細民困窮顧みず
目深に被った高帽子
金の指輪に金時計
権門貴顕に膝を曲げ
芸者幇間に金を撒き
内には倉に米を積み
ただし冥土のお土産か
地獄で閻魔に面会し
賄賂使うて極楽へ
行けるかへ?
行けないよ
オッペケペー
オッペケペッポー
ペッポッポー

添田唖蝉坊・さつき親子(パイノパイノパイ)などの壮士演歌。エノケン、トリロー、クレイジー、ドリフという浅草系コミックソング系譜の末端はテツandトモか。ビートたけし亀有ブラザースをやりたがったのもそれだろう。

現代リズムネタの現代は「とんねるず」あたりか?

ネタの範囲を広げてみたり、明治まで振り返ってみたりしたけれど、ここらでもういちど今の「ラッスンゴレライ」に直系するリズムネタの系譜に立ち戻ってみたい。

さっきの「オッペケペー節」を見ると、リズムの取り方に違いがあることがわかった。やはり今のリズムネタは「ハイ・ハイ・ハイ・ハイ」とテンポよく手拍子をとって、そこにあわせてノッていかないと調子が出ない。

このリズムの取り方は、コミックソングや音曲、壮士演歌から来たものではないようなきがする。むしろ宴会芸、とくにコンパでの一気飲みや盛り上げのいわゆる「コール」と同じようなリズム感ではないかとおもう。

大学生がコンパで一気!といえば、1984年の若手赤丸急上昇「とんねるず」のシングル。ということで、往年のとんねるずのネタを見てみよう。

とんねるず お笑いスター誕生4 - YouTube

「時代を先どるニューパワー」「おっとてやんでい」というリズミカルなブリッジ。そして、こんにちは赤ちゃんを歌うくだりでの「ハイハイハイハイ」という手拍子。現在のリズムネタの要素が、とんねるずによって用意されていることがわかる。

70年代まで日本の演芸では「○○節」だったものが、80年代から「ハイハイハイハイ」というコンパ・ショーパブな「コール」のリズムに入れ替わっていったということがいえるのかもしれない。ラッスンゴレライ、武勇伝、ラララライ体操あるある探検隊、といった現代のリズムネタらしいリズムネタは、この系譜にあるといえるのではないだろうか。

ってぇことは、これ直系ってことか?

あやまんJAPAN 『ぽいぽいぽいぽぽいぽいぽぴー』 - YouTube

たしかにオリラジ藤森と共演したり、ラッパーと結婚したりというのもうなずける……のか?

ということで、2004年の27時間テレビから、とんねるず久しぶりの漫才ネタをご覧ください。

27h 貴明&憲武 ネタ - YouTube

おまけ:80年代の金鳥のCM

80年代にリズムの取り方が、なんとか節やなんとか音頭から、パン・パン・パン・パンという平板等拍な「コール」に移り変わったのではないか? という説のひとつの過程として、80年代の金鳥のCMをいくつか見てみたい。

1981年CM 金鳥 金鳥マッ ト 掛布雅之 三遊亭圓丈 - YouTube

この早口言葉なのかラップなのかわからないフレーズがほんとにすばらしい。

金鳥 1980年代CM集 大日本除虫菊 - YouTube

【CM 1992-95】KINCHO 殺虫剤 60秒×6+30秒 - YouTube

いとこい師匠のラップもまさに転換期っぽさがあってよい。

NHKで「ラップができるんですね」と聞かれて「あれはあほだら経です」と言ってましたね

コメント欄

山岡士郎「本当のリズムネタを見せてあげますよ」

ということでリズムネタの動画をたくさん見てきたけど、やはり日本のリズム芸・音楽芸はこの2人を抜きに語れないのではないか。孤高のヴォードヴィリアン、ジス・イズ・トニー谷

さいざんすマンボ - YouTube

そして、タモリ

タモ リミックス 1 - YouTube

アイラブユートーキョー!

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ゴールデン☆ベスト とんねるず

ゴールデン☆ベスト とんねるず

ジス・イズ・ミスター・トニー谷

ジス・イズ・ミスター・トニー谷

TAMORI’S DREAM

TAMORI’S DREAM

タモリの「ソバヤ」をタックヘッドがリミックスした最高さしかないシングル